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ジェネリックメーカーの選択基準は?

 ジェネリック医薬品についての木曜日短期集中連載。
今回は3回目。

 過去の記事が読みたい人は、('10~)仕事(薬局)の
カテゴリーからさがして欲しい。(しばらくはまとめて表示される)

 過去2回は、生活保護とジェネリックに関しての話題だったけど、
今回はちょっと違う方向から。

今回のテーマは、「ジェネリック医薬品のメーカーはどう選ぶか?

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 そもそも、ジェネリック医薬品と一口でいっても、
たくさんのメーカーがある。
テレビCMまでしてる有名どころは、沢井製薬や東和薬品だけど、
他にも日医工、大洋薬品などのジェネリックメーカー。
 先発医薬品もあるけれども、ジェネリックにも力を入れているのが、
明治製菓ファーマ、あすか製薬。日本ケミファ。
 他にも、先発メーカーの関連会社でジェネリックを出しているところで、
エルメッドエーザイ、第一三共エスファ、田辺三菱販売。

 さらに毛色の違うところでは、「エスタブリッシュ医薬品」なる
新語を作っているファイザーとか。

 一つの医薬品で、20社くらいはジェネリック作ってることもある。

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 現在、事実上ジェネリックメーカーの選択権は薬局側にある
ルール上は、患者さんにも選択権があると思うんだけど・・・
今のところ、「ジェネリックメーカーもたくさんあって、
メーカーによっては値段が異なる」ということが、あまり知られていない。
 それに、患者さんがメーカー希望したところで、
在庫していなければかなり待ってもらうことになるし。

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 という訳で、事実上「どのジェネリックメーカーにするか?」は
薬局が決めている。で、何を基準にしてメーカーを決めているの?
というのが、今日のテーマ。

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 個々のジェネリック医薬品の品質をみて、
最も優れているものを選ぶ・・・というのが期待されているんだろうけど、
ジェネリック医薬品の品質なんて、そう簡単にわかる訳はない
 少なくとも、「国の審査をパス」してる訳で、
その中での相違点と言われてもなぁ・・・。
いや、ちゃんと勉強している人ならできるのかも知れないが、
私には無理だ。

 それに、実は「製造元は全く同じ」ということも多々ある。
同じ工場で作ってるけど、そこから販売会社だけが異なっていて、
違うメーカーから違う名称で出ている、とか。
 そもそも、相違点なんか全くないこともあるってこと。

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 じゃ、何を基準にメーカー選定するのか。
一番は、やっぱり「値段」だろう。
患者さんに渡す値段になる「薬価」と、メーカーから入る値段の「卸値」
その差が大きい(=薬局にとっての利益が大きい)ものを選ぶ。

 とはいえ、あまり薬価が高すぎるものは、患者さんの負担が大きい。
でも、薬価が低すぎると今度は薬局の利益にならない、と。

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 次に考えるのが、メーカーの信用
営業担当(MR)が、どれくらいの頻度で情報を届けてくれるか。
これは、メーカーの信用度に関わってくる。
もっとも、あまり情報提供がなくても、先発医薬品系のメーカーであれば、
それだけで信用に値する、ということもある。

 ようは、聞いたこともないようなメーカーよりも、
ある程度実績があるメーカーを選びたいし、
ぜんぜん顔を出さないメーカーよりも、顔を見せてくれるメーカーにしたい。
それだけの話。

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 もう一つ考えなければならないのが、周囲の医療機関での採用状況
特に、大きな病院で採用されている、とか。
例えば、大きな病院の院内でジェネリックが採用されている場合、
処方箋もそのメーカーのもので出されることになる。

 もちろん、変更可能な場合がほとんどだから、メーカーを変えてもいいけど、
それには患者さんの許可が必要になる。
「先生の出している通りにして」と言われると、結局そのメーカーを入れざるを得ない。
(こうやって、採用医薬品数が増えていく。(泣))

 それなら、最初から病院採用になっているメーカーにしておく方が無難。
もっとも、往々にして、「途中から採用になる」ということがあるんだけど。
病院も、ジェネリック採用に力を入れているので。

 また、地域の基幹病院のような病院で採用されると、
患者さんの容態が安定して、病院から診療所に紹介されてきた場合、
「処方薬はそのまま」にすることも多い。
 結果として、そのメーカーが優位に立つことになる、な。

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 大雑把に言うと、薬局でのジェネリック採用メーカーの選別は、
その医薬品の品質なんかは考慮されない(できない)場合が多い。

薬価と卸値、メーカーの信用、仲のよさ、
地域の採用薬品の動向などで決まってくる。

 果たしてこれでいいんだろうか??

 私は、仕方ないと思っているけれども。
品質で選んでくれ、といわれても、それだけの能力がないから。
ただ、仮にその能力があったとしても、
結局のところ、品質は数ある選択基準のなかの一つ
それもあまり重要でない基準の一つでしかないだろう。
(根本的な品質は、国が審査しているはずだから、というのもあるが)

.

 他の人の意見が、聞いてみたいところではある。
少し前に、日経DIという雑誌でアンケートがあったけれども、
「個々の医薬品についての品質」という着眼点はなかったからなぁ。
あくまで「メーカー」レベルでのアンケート調査で。

 「この医薬品に関してはこのメーカー、でも別の医薬品だとあのメーカー」
のような個別の話は、全く見えてこなかった。
 品質を重視するのであれば、当然あっていいはずの話なんだけどね。

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コメント

セキララな着眼点でいつも楽しく拝見させていただいております。

次の改定では無理かもしれませんが、14年改定に薬局にもう少し処方権がシフトしてもらえれば、何かと楽になる部分は増えると思うのですがね。

いかんともしがたいですね。

投稿: フジムラ | 2012-02-02 09:50

同一の人で同様な血中濃度推移を示せば同様の効果が得られる。
製剤の溶出性が同じであれば、吸収は変わらない(ただし食事などの影響はある)
というのは大前提として薬剤師が知っている事実(これを否定する人はいないですよね?)なので、どちらもクリアしている後発品の個々の品質を問うのは必要ないというか、無駄な労力かと考えています。

ぶっちゃけ、Drが銘柄指定で処方してきたらそれを出すわけで(これは品質が悪いから変更するように疑義紹介したなんて話は聞いたことないですし)、製剤の品質は国とメーカーが同等性を担保しているものとしています。

個人的な選択基準としては
PTPシートの類似性、錠剤の色、形、大きさが異なっていないか等の患者さんの視認性の部分や、製剤学的な工夫がされているか、返品が可能か、小包先があるか、発品との差額、あたりで選択していますね。

以前ファモチジンのシートが固いと意見を出したら、数ヶ月後に柔らかくしたシートに変更になったという事があったので、少しだけ沢井をひいきにしてたりはします(他にもそういった意見があったかもしれませんが)。

投稿: マサ | 2012-02-03 15:55

>フジムラさん

コメントありがとうございます。
セキララに書けるのは、匿名ブログの気軽さゆえです。

>マサさん

 うーん、患者さんが最も気にされるのは、やっぱり
「品質」ではないかと思います。
 国が保証しているのはその通りなんですが、
国の仕事が信用されていない風潮があるので(苦笑)。

 個人的には、メーカーがどれくらい信用できるかが、
そのまま品質に直結するのだろう、と考えています。
実際にはどうか知りませんが、さすがにファイザーが
変なもんを作ることはないだろう、とか。

 患者さんは、そもそもジェネリックメーカーを
医療機関側が選択している事実すら知らないでしょう。
ただ、「どうしてそのジェネリックメーカーを選んだのか?」
と聞かれて、ちゃんと答えられるようにと考えると、
やっぱり品質云々と答える方がよいかなぁ、と。

ようは、「値段で決めている」って言いたくないんですよ。
まぁ値段だけで決めている訳でもないんですが・・・。
なんだろう、どう転んでもいやらしい話にしかならない。(汗)

投稿: kitten | 2012-02-06 23:52

うーん、
ちょっと自分の中でまとめきらずに書いちゃったので、
誤解を招く?感じになったいましたかね。

一般的に問題になっている、
原薬の純度や添加物の違い、溶出試験と生物学的同等性試験だけで同等と判定して良いのかなどの
「薬としての品質」
の問題は現行の制度で十分担保できるものだと思うし(そこを疑うと先発品はどうなんだってことになりますし)、そこは国とメーカーで責任もってやってるよねってことで、自分としては問題にしないって感じです。

現場の薬剤師としては
添付文書・インタビューフォームの内容は充実しているか(IFがネットで見れないとかは問題外)、保管期限・貯法はどうか、パッケージング・服用改善のための工夫等々の
「医薬品としての品質」
が同等又は改良されていれば患者さんに十分お勧めできるんじゃないかなと考えてます。

この辺の考え方は個人個人で違うと思うので、難しいところですね。

投稿: マサ | 2012-02-07 13:33

 薬剤師としては、それで十分だと思いますが、
品質を不安に思う患者さんに対して、
果たしてその説明で納得いただけるかは、
また別の問題かなぁ、と思っています。

 個人的に、一番の理想形は、
「あの薬剤師さんのすることなら間違いない」と
思っていただけることだと思いますが・・・
これはまた、難しいですね。w


 

投稿: kitten | 2012-02-08 23:08

薬剤師といえば玄人なんですから、もうちょっと何か書いてください。

例えば、ジェネリックは元の薬の8割効けば認可されるとか聞きますのでどこかに認可時のデータがあるはずで極秘ではないでしょう?その調べ方とか分かりませんか?

投稿: | 2015-11-10 13:02

>上の方

 一般的な薬剤師の認識はこんなもんですよ。

基本的に、認可される時は「先発品と同等」という
データしか出てきません。
 というか、そうでなければそもそも認可されません。(苦笑)

 実際にデータ調べたこともありますが、
メーカーによる差よりも、患者さんの個人差の方が
圧倒的に大きいことが分かっています。
結果として、メーカーの差は(あったとしても)
検出されません。誤差範囲内です。

 本当に本当のところは、これはジェネリックメーカーの
中の人に、実情を語ってもらうしかないんです。
裏のデータを知ってる(かも知れない)のはメーカーだけで、
市井の薬剤師では無理です。

投稿: kitten | 2015-11-10 21:53

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