全原発停止まであとわずか
今週はじめ、関西電力の高浜電子力発電所3号機が定期点検のため原子炉停止。
これで、関西電力の原発は全て止まったことになる。
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日本で動いている原発は残り2基のみ。それも、春には定期点検に入ってしまう。
再稼動がなければ、今年の夏は「原発ゼロ」で向かえることになりそうだ。
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もはや、原子力発電には頼りたくない。
原発推進派、反対派もあるだろうけれども、
全体としてみたときに、今は反対派の方が多いだろう。
ただ、「脱原発」という流れだが、
「今年の春から全廃」と覚悟を決めている人はどれくらいいるだろうか?
菅さん(前首相)は、事故後、将来的に原発を0にすると言っていたが、
それにしたって、「将来的に」の話。
「来年から」とは思っていなかったはずだ。
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去年の節電対策は主に関東、東日本が中心だったが、
今年はむしろ、関西の方が厳しくなりそうだ。
関西電力は、原子力への依存度が高かったから。
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実際のところ、原発が全部止まっても今のところ問題はない。
今後、夏にかけてどのような事態が発生するのか、それが問題。
また、「今年」はそれでいいとして、ここで一切原発を動かさないとして、
「今後10年~20年」はどうなるのか?
そのあたりの(できるだけ中立な)シミュレーションが必要だ。
私の個人的な意見は、原発は段階的に縮小して、いずれゼロにする。
その間、省エネと共に代替エネルギーの開発に努める・・・
というソフトランディングなもの。
いや、原発止まって誰も困らないならそれでいいんだよ?
でもね、日本経済に与える影響はどうなの?
電気代は間違いなく上がるだろうし、化石燃料に頼る訳だから、
地球温暖化対策に逆行することになる。
原発を止めたとところで、原発にかかるコストはゼロにならない。
廃炉まで何十年もかかるし、残る放射性廃棄物の管理もある。
そのコストを負担しながら、他で発電量を上げる必要がある。
もっとも、再稼動したところで結局はいずれ廃炉にするのなら、
「ツケ」を将来世代に回しているだけ、といえばその通りなんだけど。
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もう一つ、このまま再稼動を認めないのはいくらなんでも、
電力会社に不利すぎるんじゃないだろうか?
原発事故を受けて、やれ安全対策だ、なんだとコストをかけさせておきながら、
「やっぱり動かしちゃダメ」ってのは、普通に考えてひどくねーか?(苦笑)
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産業界は、少なくとも「いきなりの原発ゼロ」には絶対反対だろう。
消費者はどうだろう?原発から遠いところに住んでいる人は、
生活が苦しくなってくると「再稼動容認」に転ぶ可能性は高いと思う。
あとは、原発の地元の問題だ。
「何があっても絶対反対」って言い続けるのは、子供すぎる。
もちろん、いろんな意見があるだろうけれども、
「どの条件なら、再稼動を認めるか?」という現実的な議論も、
もう少しあってもいいと思う。
原理主義的な反対の声だけでは、世論の風向きによって
あっと言う間に孤立する可能性があるんだから。
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原発が全て止まる日は、もう間近に迫っている。
まずは、今年。次に、2-3年。最後に今後2ー30年先を見据えた話を、
聞いてみたいもんだ。
もっとも、これだけ政治が迷走していては、それだけ長期的な展望を語ることに
説得力も何もあったもんじゃない、ってのはあるが。
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