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「告白」

 ネタがない・・・わけではないけれども、
たまには、読書感想文でも書いてみることにする。

 実は、このところちょくちょく本を読んでいるので。
それほど長時間ではないんだけれども、
電車通勤っていうのは、読書にはちょうどよい。

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 もっとも、自分で買う本はごくわずか。
図書館で借りてきたり、実家(母)から借りてきたり。

 母は、昔からかなりの読書家だ。
「大した値段じゃないから」といいながら、ハードカバーの本を
通販で時々買っているらしい。
 貧乏人の私にはできない芸当だ。w

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 今回の本は、母から借りてきたもの。

湊かなえ「告白」。下記リンクはアマゾン。

http://www.amazon.co.jp/%E5%91%8A%E7%99%BD-%E6%B9%8A-%E3%81%8B%E3%81%AA%E3%81%88/dp/4575236284

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 文章は、かなり読みやすい方だと思う。すらすら読める・・・が、
内容は、かなりえぐい方だと思う。w

 登場人物のほぼ全てがまともじゃないという・・・。

 中学生の恐ろしさとでもいうか、それがよく書かれているなぁ、と。
まぁ、大人も十分に怖いんだけどね。

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 ところで、一つだけ気になった点がある。

 HIV感染によるAIDS発症の話が出てくるんだけれども、
これ、ちょっと現在にそぐわないと思った。

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 HIVは、昔よりも格段に治療方法が進歩している。
「完治することはない」という意味では、確かに不治の病なんだが、
症状の進行を抑える、発症そのものを抑制することはできる。

 AIDS発症前からHIV感染の治療をしていれば、
死亡率はそんなに高くないぞ。

 少しは制限があるとはいえ、普通の人と同じくらい生きられる。

また、AIDS発症後でも、治療法がない訳でもないと思う。

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 数種類の抗ウイルス剤を組み合わせて服用する。
これ、薬剤費はハンパない額になるんだけれども、
実はHIV感染症って、治療費はほとんど公費だと思う。
特定疾患ではないけれども、障碍者認定されるのかな?
結果として、薬の自己負担金は発生しないはずだ。
(国、あるいは市町村の税金でまかなわれている。)

 なので、日本では「金がなくて治療できない」という事態はまずあり得ない。

 海外、特にアフリカでは国家として金がないので、
国民の治療費に補助を出すなんて余裕がないから、
HIV、AIDSによる被害は深刻なんだけどね・・・。

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 もっとも、一般にはまだまだ知られていないから、
HIVによる差別は、もちろんある。
(治療法の向上を知っていても、差別は残るだろうけど。)

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 なので、HIV感染が仮に発覚したとしても、
それほど恐れすぎる必要はない・・・んだけどね。

まぁ、その辺の事情は、おそらく作者は知っていると思うが、
中学生が知っているとは思えないから、作品としては問題ないだろう。
HIVの問題は「死ななければよい」というだけの問題でもないし。

 ただ、一般の読者がこの小説を読むことで、
HIVへの偏見、無理解が進むと困るなぁ、、とは思う。

 もっとも、他にもそんな(HIVを誤解した)話は色々あるんだろう。
私は、基本、そういうお涙頂戴的な話は見たくないから、
知らないだけなんだと思うが。

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