« ピアノの練習 | トップページ | 2歳半 »

リゾチーム製剤は歯科で使えないはずだけど

 抗炎症薬として、長年使われてきた塩化リゾチーム製剤だが、
その効果に疑問がもたれている。

 きっかけとなったのは、昨年のダーゼンの全回収だ。
私も記事を書いているので、下記にリンクをはっておく。

「ダーゼンが全回収に」(2011.2.24)

http://tukutteha-mitamonono.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-bee8.html

.

 ダーゼンが回収なら、同系の消炎酵素製剤はどうなの?という話は
当初からあった。

 ただ、この手の消炎酵素製剤は、それなりに需要がある。
ダーゼンが処方できなくなったドクターは、
他の消炎酵素剤を処方するようになる。
筆頭が、リゾチーム製剤だろう。

 数字は見ていないけれども、現場の感覚としては、
昨年、リゾチーム製剤の売上げは格段に上がったはずだ。w

.

 そこで、今度はリゾチーム製剤も、「再評価」が必要という流れになる。
数社が出しているんだけど、どこの製剤も同じこと。
日本新薬のHPにリンクをはっておく。

http://www.nippon-shinyaku.co.jp/company_profile/news.php?id=1621

以下、一部引用

「レフトーゼ®」の承認事項の一部である「歯槽膿漏症(炎症型)」および
「小手術時の術中術後出血(歯科、泌尿器科領域)」について、
臨床試験の実施は困難と判断し、当該効能・効果および用法・用量を削除する
一変申請を2011年12月21日に行い、このたび承認されるに至りました。

引用終わり

 レフトーゼ(塩化リゾチーム製剤)には、他にも適応は色々ある。
慢性副鼻腔炎や気管支炎等に関する適応は、まだもっていて、
そっちは再評価のための試験に踏み切るとのこと。

 もちろん、歯科領域に関しても試験するという選択肢もあった。
が、各社、それは諦めたようだ。

・・・たぶん、「やるだけ無駄」と判断したんだろう。
即ち、「効果があると認められないだろう」という読みだ。w

.

 そこで、歯科領域の適応を切り捨てて、
呼吸器系の疾患に関してのみ、再試験に臨むことになった。

 ちなみに、ダーゼンはその試験を最初から諦めて、
全回収への道を選んだんだけど・・・、果たして勝算はあるのか?

 まぁ、タケダにおけるダーゼンという薬の位置づけと、
各社におけるリゾチーム製剤の位置づけが違うというのはあるだろう。
タケダはダーゼンなんかなくっても困らないと判断したんだろうけど、
例えば、日本新薬にとって「レフトーゼ」は、そう簡単に切り捨てられる
薬ではない、ってこと。

.

 さて、今日の本題はここから。w

 実は、嫁が最近ずっと歯科にかかっているのだが、
その歯科医院から塩化リゾチーム製剤が出ていた。
これ、最近(2月に入ってから)の話。

 歯科の適応が削除されたのは先月の話なんだから、
普通に考えると、今月処方されると、保険からカットされるはずだ。

.

 大した値段でもないから、放置しておいてもよかったんだけど、
歯科医院に大量の返戻(ないし、減点)レセプトが舞い戻ることを
想像すると、一言いっておいた方がいいだろう、ということになった。w

 ただし、歯科というのは・・・薬剤師がいない。
さらに、歯科医師というのは、薬、それも内服薬に関しては疎い。

「薬のことでお話が・・・」と聞くと、困ってしまうようだ。
(普段、どうしているんだろう、と心配になる。)

 受付のレベルで答えられる訳はないし、
かといって歯科医師でもなぁ・・・。

.

 まぁ、今回は、「適応がないはず」という事実を指摘して、
「メーカーに確認を取るように」とお願いした。
それくらいなら、受付のレベルでも大丈夫だろう。

.

 しかし・・・なんでこの歯科医院がその事実を知らないのか?
(結構、大きなしかもチェーン店だ。)

 これは、メーカーがちゃんと説明に行くべきだろう。
お知らせ文書だけ、なんかじゃまず読んでもらえないと思うべきだ。

 例えば、保険請求が全部返されたり減点されたりしたら、
事務作業は膨大なものになる。
厳密には、リゾチーム製剤を出した患者さん全てに
返金する必要があるはずだ。

.

 もっとも、歯科のレセプト審査はかなり「甘い」から、
見逃される可能性は大いにあるんだけどね。w

.

 ここで一つお願いしたいのは、
歯科もできるだけ処方箋を出すべき、ということ。
特に内服薬は、ちゃんとした薬の専門家である
薬剤師の目を通した方がよい。

 もちろん、地域的な問題もあるだろう。

「門前」薬局という観点からみると、歯科だけの門前は経営的に無理だ。
ただ、周りにそれなりに薬局がある地域であるならば、
処方箋を出すほうがよいと思うんだけどなぁ・・・。

 院内調剤している診療所も、かなり怖いところがあるけれども、
まだ、医師の方が薬には詳しいだろう。
薬に疎い歯科医師が、自分とこで薬を出すのは、
何がおこってもおかしくない、と思える怖さを感じるぞ。

|

« ピアノの練習 | トップページ | 2歳半 »

('10~13)仕事(薬局)」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。2ヶ月くらい前からちょこちょこお邪魔して読ませてもらってます。薬剤に関してはよく分かってませんが、診療報酬のシステムは多少わかります。

今の歯科の診療報酬で院内処方するメリットってあるんでしょうかね?

それに、すごく勉強してる歯科医で院内処方するとしたら、危ない出し方じゃないかと疑うんですけど(笑)

これからもこういう記事を\(^^)/楽しみにしてます!

投稿: ちこじい | 2012-02-11 22:54

 コメントありがとうございます。

歯科で院内処方するメリットは、ないですね。
ただ、近くに薬局がないと、患者さんが困ります。

そこそこ収益を期待できる診療科であれば、
(誰かが)近くに薬局を作ってくれるんでしょうけど、
歯科の処方は単価が低いため、
それだけでは薬局側の採算が取れません。

 院外に出したくても、出せないという先生は
(歯科も医科も)いると思います。
 

投稿: kitten | 2012-02-13 21:35

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/173091/53946267

この記事へのトラックバック一覧です: リゾチーム製剤は歯科で使えないはずだけど:

« ピアノの練習 | トップページ | 2歳半 »