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お薬手帳の利点

 昨日までの話の続き。

 結果として、お薬手帳は基本的に全員にもってもらうことになる。
今までのところ、そういって拒否した人はほとんどいない。
周りの薬局も同じような状況らしい。
 薬局側が事前に恐れていたほどには、拒否されることはなかった。

 もっとも、今後、ちゃんと活用してもらえるかどうかが、大事。

.

 お薬手帳と、薬歴管理指導料の算定については、
私もかなりうだうだと悩んだところではあるが、今はすっきりしている。
結局、国が求めているのは「手帳を多くの人に活用してもらうこと」だ。
それなら、いかにして手帳を活用してもらうかに心を砕くべき。
算定条件とか、値段がどうとか、そんなのは悩むだけ無駄だ。
こう決まった以上、前向きに考えるべきだろう。

.

 お薬手帳の基本的な使い方は、
調剤された薬を記録しておくことにより、薬の重複や飲み合わせを
医師、または薬剤師が確認することができる、というものだ。

 このためには、お薬手帳は必ず1冊にまとめる必要がある。

 あとは、前にも書いたが非常時に役に立つ。
震災や津波で、薬をもって出ることすらできなくても、
お薬手帳があれば大丈夫。
 また、例えば突然意識がなくなって、救急車で運ばれることがあっても、
バッグの中にお薬手帳が入っていればどうだろう?
何の薬を服用しているかわかるってことは、基礎疾患を推定できる。
救急隊レベルではともかく、救急病院に運ばれた後の治療で、
何の情報もないのと、基礎疾患が分かっているのでは、違う。

 非常時に役に立つためには、常時携帯してもらうのが望ましい。

.

 また、お薬手帳は、病院や薬局が記録するだけではない。
患者さん本人が書き込んだって構わない。

 例えば、年に1回、風邪くらいでしか病院かからん人とかでも、
お薬手帳をもらって、調剤された薬の効果や、副作用の感じ方、
感想などを、手帳に書いておいてもらえれば、次回以降役に立つ。

 例えば、「この薬はあんまり効かなかったように思う」とか、
この薬、すげー眠くなった」とか。そういうので構わない。

 特に、小さな子どもの場合は有用。
「(味が不味くて)服用させるのに苦労した」とか。w
また、症状の経過を書いてもらってもいいと思う。
そのまま医師に見せてもらえばいい。
そうすれば、次回以降の治療の活かせる。

.

 薬局と病院の連絡帳のような使い方もあるかも知れない。
例えば、糖尿の薬で食前の薬がどうしても余ってくる、とか。
もちろん、患者さん本人が言ってくれて構わないんだけれど。
医師の方が「お薬手帳を確認する」習慣ができてくれば、
薬剤師が、「この人、この薬余ってきてます」とか書いてしまえば、
無駄な薬が処方されることも減るかも知れない。
 まぁ、緊急を要することなら電話するけど、
残っている薬の対応って、次回以降でもほぼ問題ないし。

 せっかく、お薬手帳というツールがあるんだから、
それを目いっぱい活用する方法を考えるべきだ。
また、活用する方法があればあるだけ、有用ってことになり、
そもそも「いらん」という人にも説明しやすくなる。

.

 将来的に、お薬手帳は電子化されるような気もする。
規格は統一する必要はあると思うけれども。
「常時携帯するとよい」のなら、スマホのアプリかなんかにしてもらえば、
忘れることなんてなくなるだろうし。w
もしくは、健康保険証自体に電子的な記憶機能をもたせるとか。

 難しいのは、個人情報の塊でありながら、
他人(医療関係者)には簡単に読める必要がある、というところだけど。
それなら、カードをキーとして、アクセスできるような形で、
その患者さんにおける医療情報全てを、どっかのサーバーにためておけばいい?
まぁ、10年、20年先の話になるだろうけど。

.

 一点、問題になるのは、院内処方している病院の薬だ。
これも、本来ならお薬手帳に記載して欲しいんだけどなぁ。
今のところ、サービスでなら可能なんだと思うけど、
点数がついている訳じゃないから、記載する義務はなさそう。
 でも、院内処方でも手帳を義務化・・・とかするよりも、
そもそも院外に出せよ(医薬分業しろ)っていうのが、
厚生労働省の方針だからなぁ・・・。

.

 もうひとつ、薬局として手帳を持って欲しい理由がある。
後発品への代替調剤や、一般名処方が進んでいる。
この結果、処方箋を見ただけでは何を調剤していいのかわからない。

 お薬手帳があれば、少なくとも、前回何が調剤されたかは分かる。
特に、病院や薬局を変える時には、必要になる。

「この処方箋、前の薬局はどの薬で出していたのかな?」と
迷うことが、それなりの頻度であるから。
手帳を持ってきてくれていれば、対応しやすくなる。

 一般名処方がきて、「先生の処方箋どおりに」って言われても、
前回の調剤履歴がなきゃ、何で出されているのか分からん。
まぁ、何出しても問題はないんだけど、問題にする人もいるからな。

.

 あと、これは各薬局へのお願い。
調剤薬だけでなく、処方薬(一般名含む)も手帳に記録しておいて欲しい
薬剤師も医師も、そりゃ調べれば何の薬かはわかるけどさ。
あまり見かけない後発品名をみて、「これ何かな?」と悩む時間が短縮できる。
 これは、近隣の医療機関の医師に、実際にお願いされた。
正直、一般名では、分かるかどうか怪しいところがあると思うが(苦笑)
後発品名よりはマシだろう。

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('10~13)仕事(薬局)」カテゴリの記事

コメント

小児科門前の調剤薬局に勤めている薬剤師です。
お互いお薬手帳に対しての取り組みには苦労しますよね。この間も薬剤師ミーティングで話し合いました。とりあえずは手帳にマインド(心)を込めようとなりました。

投稿: tomopon | 2012-04-30 00:30

 コメントありがとうございます。

 そうですねー。薬局側が手帳をおざなりに扱えば、
患者さんも同じようになっていきますね。
それは、絶対に避けなければなりませんね。

 また、個々の薬局にとどまらず、いろんな病院や薬局が、
全体として手帳の重要性をアピールすることで、
徐々に浸透していくんじゃないかな・・・、という
期待もあります。
 逆に、いい加減な薬局があればあるほど、
全体の足を引っ張るんじゃないかなぁ、と思ってます。

投稿: kitten | 2012-05-01 22:33

薬歴管理指導料はよく話題になりますね。
服薬指導は行わないと保険薬局取り消しの対象となりますから(地域にもよるのかな?加算しないと保険診療における割引にあたるから禁止と解釈してるところもあると聞きます)自動的に加算される事と思います。お薬手帳に関しても拒否する患者様にその必要性を十分説明した上でなおも拒否されるような場合や、毎回お薬手帳を忘れてくる患者様に次回持ってくるよう厳重注意した場合以外に作成・記入しなかった場合には最悪保険取り消しです。

ただ、この「加算」という表現が良くないのです。保険制度上必須業務であるにも関わらず「加算」だとか「算定できる」なんて表現になっているから良くないのです。こんな点数制度はさっさと廃止した上で調剤基本料を引き上げてそちらに含めるべきです。

投稿: もっち | 2012-09-25 14:09

「お薬手帳」なるもの事態気に入らないので、毎回断っている。薬の履歴などは、政府機関のサーバーなどに個人の情報として一括保存しておき、何かあったときは政府機関のサーバーに端末から個人の名前で検索できるようにしておくのが本当だろう(金を取るなら)。医者のカルテも医者個人のコンピュータに保存していてどうするつもりか、これも一括保存しておき、どこの病院にかかっても個人の名前で検索できるようにすればいいのではないか。大震災で病院が津波にあって病院のサーバーがダウンして使えなくなってカルテが分からなくなるなんて何をやっていたのか、地域で使う大切な情報を地域でバックアップしても何もならない。情報ネットワークの使い方を間違っているのではないか。「お薬手帳」も地域の調剤薬局で薬の個人情報をシールに頼らずネットワークをうまく使えば全国どこでも自分が使っている薬が分かるようにすればいいだろう
それができるまで寄付してやる。「お薬手帳」はそれができるまで絶対にもらわない

投稿: 山田 敏和 | 2013-01-01 12:03

>山田 敏和さん

 コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、最終的には電子化するのがベストです。
(本文中にも、書いてますね。)
 お薬手帳というものが誕生した時期は、
ネットワークは今ほど発達していませんでした。
現在でも、全ての保険診療データが電子化されている訳では
ありません。未だに紙で請求している医療機関もあります。
つまり、政府機関にも電子データがないのです。
 スマホやタブレットを活用しようとする動きもありますが、
受診する人みんなに持ってくれというのは、
お薬手帳よりも無理がありますし・・・。
 申し訳ありませんが、まだまだ過渡期なので、としか言いよう画ありません。

投稿: kitten | 2013-01-04 22:16

わたしも山田敏和さんのように
お薬手帳がなくなってネットワークになってくれればなぁと考えます。
投薬は「医者」が過去の投薬歴をみてきめてほしいな・・・と
別に薬剤師さんを軽んじているわけではなく、
待合室とつながってるカウンターのようなところで、名前を呼ばれ薬名を言われ病気の症状を聞かれるのが、非常に辛い、医者ならたいてい個室じゃないですか
素顔晒して「最近痔の具合はいかがですか?」「この鉄剤は貧血対策ですか?」「出血はおさまりましたか?」とか人前で聞かれるのはすごくイヤなんです。
もう少し小さな声で事務的にやって欲しいな、ついたて用意するとか・・・

投稿: umekita | 2013-01-05 13:12

>umekitaさん

 ネットワーク化は、薬局サイドも望んでいます。
医師のカルテ、病名や検査結果なんかを確認しながら
お薬を出せたらどんなに楽か、と思います。
 現状では医師のカルテや検査結果どころか、
病名すらわからずに患者さんと話してますからね。
もちろん、処方されている薬を見れば想像はつくんですけど、
処方箋が間違っていることもありますし。
 薬剤師がいちいち症状を確認するのは、
「薬と病気が合っているかどうか」を確認する、という意味もありますので。

 最近の薬局だと、ついたてがあるところもありますよ。
プライバシーに配慮しているところも増えてきています。

投稿: kitten | 2013-01-05 17:53

調剤報酬点数表の薬学管理料の算定要件の文言を読んで、
私の主張は、「患者がお薬手帳を断る=薬学管理料の算定要件をすべて満たさない=薬学管理料は算定できない」ですが、
薬局側の主張「患者がお薬手帳を断る=薬学管理料は算定できる」の「法律に基づいた明確かつ論理的な主張」を教えて貰えないでしょうか。
国家資格の行使者である薬剤師が「法律に基づいた明確かつ論理的な主張」ができないのであれば、「お薬手帳へのシール配布不要を理由に薬学管理料の算定を拒否」に対して調剤を拒否するのは不当行為だと思います。
=薬剤師法21条(調剤の求めに応ずる義務)の「正当な理由」を合法的に説明できないのに調剤を拒否するのは納得できない

<補足>
私は保険薬局で毎回「お薬手帳へのシール配布不要を理由に薬学管理料の算定を拒否」を申し出ていますが、「法律に基づいた明確かつ論理的な主張」を一回も聞いたことがありません。
最終的には調剤をして薬学管理料を外してもらっています。いろいろと議論はしますが。

投稿: | 2013-10-26 05:08

コメントありがとうございます。

>「患者がお薬手帳を断る=薬学管理料は算定できる」の「法律に基づいた明確かつ論理的な主張」

 そんなものはありません。断言できます。(苦笑)
あれば、私が教えて欲しいです。
何がネックかというと「法律に基づいた」「明確な」がネックです。
 色々と複雑な問題があるんですが、一点に絞ります。
調剤報酬点数表の文言と、その運用には差があるんです。

 明文化はされていませんが、厚生労働省は、
「患者さんがお薬手帳を断ったとしても、その必要性を
 十分に説明しても、どうしても納得していただけない場合、
 (他の算定条件を満たしていれば)、薬歴管理指導料を
 算定してもよい」という運用をしています。

 実際には、保険薬局には行政から指導が入りますが、
その条件(十分説明した上で手帳を断られた場合)で
薬歴管理指導料を算定していて指導された、という話は
聞いたことがありません。
 この辺、都道府県によって事情が異なるかも知れませんが。

 ようは、文言ではそうなっていても、実際にはそういう
運用がされていないんですね。

 似たような例を考えてみますと・・・
例えば、憲法9条と自衛隊の関係、でしょうか。
憲法9条を普通に読めば、自衛隊が存在できる訳ないです。
でも、そこを「解釈」で何とかしてきてるんです。

 自衛隊と9条の両立を、
「法律に基づいた明確かつ論理的な主張」で説明することは
非常に困難だと思います。

 薬剤師法21条に関しては、裁判で争わないとわかりませんね。
 ここは、薬剤師法25条の2
「調剤した薬剤の適正な使用のために必要な情報を提供しなけ ればならない。」との兼ね合いです。

 お薬手帳、薬歴管理指導を拒否することは、薬剤師法25条の2に抵触する恐れがあり、
それをもって「正当な理由」とできるかどうか、です。
 患者さんと医療者は、信頼関係をもって共に治療にあたる必要があり、
信頼関係が成り立たない場合は(他の医療機関を紹介すれば)
応召義務違反にはあたらない、という意見もあります。

 正直、裁判でやってみにゃわからないところだと思います。


投稿: kitten | 2013-10-26 22:22

こちらこそ、ご回答ありがとうございます。
投稿した後に読み直すとかなり失礼な文面でした。申し訳ありません。
本件については特定の薬剤師や薬局を誹謗中傷するものではないことを最初に申しあげておきます。

今回述べたいのは
◆運用と文言の違い
◆薬歴管理指導
の2点です。

◆文言と運用との違い
文言と運用に差がある理由は、以下2点にあると思います。
(1)文言の解釈が文章化されていない
(2)明文化されていない発言(*)の解釈に差がある

(*)厚生労働省(略)は「薬剤服用歴管理指導料」(41点)について見解を示した。新たに要件となった「お薬手帳への記載」に関し、手帳の意義を説明し尽くしたにもかかわらず、患者が手帳を断固拒否した場合は「これだけ説明しても断られた、と記録することがあり得る」と述べた

「明文化されていない内容」は(*)のことと思われますが、
私は「記録することがあり得る」と「算定してもよい運用」が同等とは思えません。
(記録しなくてもいいんじゃないの、と思ってしまう)

結局は、
・薬剤師の立場:「記録しない→指導が入る」のを避けたい、だから記録を取ろうとする
・患者の立場:お薬手帳のような不要なもの(後で述べます)は省略して少しでも医療費を抑えたい
両者の立場の違いがこのような解釈の違いを生んでいるのかもしれません。

◆薬歴管理指導
薬学管理料の算定要件で薬剤師の義務と関連するのは
(イ) 薬歴管理
(ロ) 服薬指導
の2点で、(ハ)お薬手帳シールの交付は薬剤師義務に含まれていないと認識しています。

このため、以下2点の理由
・薬局で「薬歴管理と服薬指導はして下さい。お薬手帳シールだけが不要です」と申し出る。
・お薬手帳シールの記載内容が服薬指導で説明される内容に含まれている
より、「患者がお薬手帳を拒否する=薬剤師が必要情報を提供できない」は成立しないのではないでしょうか。
(お薬手帳シールの内容>服薬指導で説明される内容であれば是非そんな薬局に行ってみたいものです)

◆補足
・薬局で議論した際に「手帳の意義を説明し尽された」ことは一度もなかったですね。
・自衛隊と憲法の両立については解釈が「一応」明文化されていましたね。
・薬局が薬学管理料を外して不当廉売で指導が入った、という話も見ました。薬局側が苦労しているのも理解しているつもりです。

投稿: | 2013-10-27 04:04

 では、私も(努めてw)冷静に対応します。

>「明文化されていない内容」は(*)のことと思われますが、
私は「記録することがあり得る」と「算定してもよい運用」が同等とは思えません。

 調剤薬局側は、同等とみなしました。
これも文言より、というよりは、行間や文脈によって、です。
この見解が発表された時期と経緯を考えるなら、この文言をもって「算定可能」と読み取れるんです。

 なんでしょうか、行政と調剤薬局の間の「阿吽の呼吸」です。(苦笑)
行政は、立場上「算定可能」と名言はできませんししていませんが、
「運用上は算定可能で構わないよ」と示唆してるんです。
この辺、前日の記事に書いてます。
http://tukutteha-mitamonono.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-b062.html

 また、事実そのように運用されています。
 行政の立場としては、お薬手帳は有用なので、出来る限り患者さんに勧めて欲しい、ということです。

 つまり、厚労省、行政は、この件に関しては薬局側の肩をもっています。
というか、薬局側が行政の思い通りに動かされています。

 薬局側としても、点数が分かれていた方が楽でした。
でも、それだとお薬手帳がなかなか普及しない。
手帳を普及させたい行政としては困る訳です。
「薬歴とセットにすれば、薬剤師も勧めざるを得ないだろ」
という意図で、まとめられました。
 こうやって誘導するのは、行政側の常套手段です。


 また、お薬手帳は直接的には「医療者のため」のものです。
医師、薬剤師、又は他の医療者が、患者さんの服薬履歴を確認するためのツールです。
 それが、結果的に患者さんに「安全な医療」を提供します。
また、情報の蓄積が意味をもつものでもあります。
同じ内容であっても、記録をお願いしているのは、
「同じ内容である」という情報が必要だからです。

 そういう性質のものですので、患者さんのための服薬指導と比較できるものではありません。

 ・・・手帳の意義を説明する、というのなら、
(行政云々は別として)このレベルまでは説明できないと、
薬歴管理指導料取れなくて当たり前じゃないか、とも
思います。(苦笑)


 自衛隊と9条に関しては、わかりやすい例としてあげただけで、
もちろん、解釈が明文化されていることも知ってます。
ただ、「文言を読むだけでは現実との差が理解不能」な
例として挙げただけです。
 また、解釈を言われたところで納得できない人がいる、
という例でもありますね。


投稿: kitten | 2013-10-27 09:07

発現主は「厚生労働省保険局医療課の江原輝喜課長補佐」
とわかっているのですから意図は本人に聞けばよいのでは?

さて、お名前が無いので「質問者さん」と呼ばさせて
いただきます。薬局で「薬剤服用歴管理料」の議論を
されるくらいですからよくお勉強されているのでしょうね。

言うまでも無くご存知でしょうが、調剤報酬点数表の算定
要件には

『調剤日、投薬に係る薬剤の名称、用法、用量その他服用に
際して注意すべき事項を手帳に記載すること。』

とありますね。

ここでポイントなのは【質問者さんがその手帳(シール)を
持って帰るか帰らないかは問われていない】ということです。

本来はコンビニのレシートよろしくレジの横に「いらないシー
ルはお捨て下い」と箱をつくっておいて質問者さんに捨ててもらう
のが一番よいのですが(一度わたしたものをどうするかは
まあ質問者さんの自由ですからね)個人情報なので薬局側が
配慮していると考えてください。

【手帳を作成した時点】で薬剤服用歴管理料の算定要件を満たす
(あくまで手帳の部分に関しては、ですよ)ので、必要ない
といわれれば作成して処分するだけになります。

ですから、「お薬手帳のシールは必要ありません」と言っても
薬局はかならず作成しています(この辺はまあ、どうせ捨てる
ので、ということで作成していないところもあるのでしょう
が・・・これは法に反していますね。)

どの時点で算定要件を満たすのか、という観点で見られては
いかがでしょう?

最後になりますが、お薬手帳は手帳は患者の求めに応じて
作成するものではなく薬局側の判断で作成するものに変わっ
ております。(算定要件の文言に【患者の求めに応じて】
という文章が削除されています)。こちらもご考慮ください。

投稿: とおりすがり | 2013-10-27 19:56

続きになります。

「お薬手帳シールの交付は薬剤師義務に含まれていないと
認識しています」とありますが、手帳の本来の意義は、
kittenさんがおっしゃるとおり【医療者が、患者さんの
服薬履歴を確認するためのツール】ですので、手帳を作成
するということは広義の薬歴管理と解釈できるのではない
でしょうか。

投稿: とおりすがり | 2013-10-27 20:06

なんかまとまりがなくて、わけのわからない
文章になっていますね。

連投ですみませんが、まとめると、「法律に基づいた明確
かつ論理的な主張」とは

薬剤服用歴管理料の算定要件であるお薬手帳の作成は
患者の求めに応じて作成するものではなく薬局の判断
で作成するものであって、かつ、作成した時点で薬剤
服用歴管理料の算定要件を満たすものであって、患者
が手帳を持って帰るか帰らないかは算定要件とはして
いないから

ということになります。

投稿: とおりすがり | 2013-10-27 20:15

返事が遅くなりました。
ご意見ありがとうございます。
通りすがりさんの解釈が来年度の報酬改定で文章化されれば、解釈で悩むこともありませんね。

とはいえ個人的には納得しかねる解釈です。
国の文章での解釈が出ない以上議論は平行線を辿るので、今後薬局では以下の対応をしていきます。

・お薬手帳へのシール添付が不要であるため、薬学管理料の算定を拒否する旨を申し出る
・薬局側が出来ない旨を回答して議論しても私が納得できない場合は、回答が薬剤師法21条の「調剤拒否の正当な理由」に該当するか厚生局に確認する
 (平日昼間ならその場で電話、夜間土日なら経緯書を作成し後日送付)

よろしくお願いいたします。

投稿: | 2013-11-03 06:25

>国の文章での解釈が出ない以上議論は
>平行線を辿るので、今後薬局では以下の
>対応をしていきます。

たぶんでないでしょうね・・・。

ちょっと前に薬局においてポイントをつけることができ
るかどうかという話がありましたが、厚生省が出した
文章は非常にあいまいなもので薬剤師会などは不可と
解釈し、ドラッグストア協会は可能と解釈、意見は
分かれたままです。

お国というところは手帳に関する表現を見ても分かると
思いますがはっきり明言せずにどうとでも解釈できるよ
うなあいまいな文章しかださないものです・・・・。

投稿: | 2013-11-03 07:43

 1個上の名無しさんと2個上の名無しさんは別人です。
(まぁ、内容みりゃわかりますけど)

>もとの質問者さん

 文言と運用に差がありますよ、ということだけ
押さえられれば、私としてはそれ以上なにも言えません。
 例えば、原付バイクはどこでも速度制限30km/hですが、
30km/hを少し超えたくらいで捕まることはないです。
それを、厳密に取り締まれ、って警察に要求してもなぁ、
という感じでしょうか。

 ただ、やっぱり一言最後に申し上げますと、
たかだか30点を削りにいくと、薬剤師との
信頼関係が損なわれますので、お勧めできません。
まぁ、そんなもんいらん、と言われればそれまでですし、
薬剤師側もそんなんで差別しちゃいけないんですけどね。

>とおりすがりさん

 お薬手帳は、シール出せばいいってもんじゃないです。
中身を確認して併用薬や重複を確認する必要があり、
持参されていない場合は、シールを渡すだけで算定、ですが、
その場合も次回に貼っていることを確認しろ、って話です。
 これは、(比較的)明文化されていますので、
この主張はちょっと厳しいかなぁ、というのが私の感想です。
もっとも、それにしてもどれだけの薬局がそこまで
守っているか、というと甚だ怪しいですが。(苦笑)

>一つ上の名無しさん

 ポイント騒動も、いつの間にかフェードアウトしてます。
あれも、玉虫色の決着ですよねぇ。
薬剤師会はともかく、ドラッグストア協会側は、
薬剤師会を刺激しないように、細々とポイント続けてますし、
それに対して行政の指導が入ることは、ありえません。
 あそこまでいくと、もはや阿吽の呼吸と言うよりは
何か密約があるんじゃないか、と思いますが。(苦笑)

投稿: kitten | 2013-11-03 16:01

料金や制度そのものよりも、薬局での管理のされ方に嫌悪感を覚えます。
医院でさえ個室内で本人相手にしか口にされない検査結果やデータを、どこの薬局でも店頭の、ほかの客に普通に聞こえるオープンな場所で当然のように要求し、口頭で言わせようとします。
検査結果など、個人情報中の個人情報ではないでか。
それを扱うわりに薬剤師や薬局側の配慮が足りず、ずさんな扱い方をされているとしか感じません。
生活習慣病など、まだまだ世間的に偏見のある病気もあります。
人前でそれを晒されるような真似をされるのはどの患者にとってもストレス以外の何物でもないのが、なぜ厚労省や薬剤師たちにはわからないのでしょうか。
糖尿病などうつ病を発症する可能性のある病気もあります。
「店頭晒し」を苦に自殺者でも出たら薬剤師は責任をとれるのでしょうか?
設備も整わないうちにお役所の都合で制度だけが先走りしたとしか思えません。

投稿: | 2015-03-05 22:08

個人的には全くその通りだと思います。

病院であれば診察室で医師と患者が周りから遮断された
環境のなかで診察が実施されますよね。

薬局でも同様に周りから遮断された投薬室というのが
あるべきだとは思います。

現実的には無理なんでしょうけどね・・・。

気が利く薬剤師だと尿漏れのお薬です、などといわず、
朝のお薬です、とか他人が聞いても内容が分からない
ような言い方をするものですがね。

投稿: とおりすがり | 2015-03-07 16:33

 患者さんのプライバシーは、重要な問題ですね。
まだまだ対応できる薬局は少ないでしょう。
今後、少しずつ増えていくとは思いますが・・・。

 患者さんからの対策として、一番手っ取り早いのは、
「プライバシーに気を使ってください」と薬局側に
伝えることですね。それだけで、出来うる限り最大限の
努力は払ってくれると思います。

 薬局側は、相手を見て対応変えてます。
ウチの薬局の患者さんは、プライバシー気にしない人が多いです。
小さな声でぼそぼそとやったら、逆に怒られます。(苦笑)
そういう人には、薬歴に「大きな声ではっきりと」と
コメントが入ってます。
 もちろん、プライバシー気にする人も、コメント入ってます
ので、そういう方に聞くときは最大限注意するようにしています。

投稿: kitten | 2015-03-08 01:17

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