10円の領収書・再び(解答編)
先週、10円の領収書について問題を書いた。
その答えは、コメント欄で発表・・・するつもりだったけど、
本記事のネタがないので、記事にしてみよう。
ただ、トップページに来てしまうと問題なので、その辺は配慮した。
連続で記事をアップして、トップページには掲載されないように。
問題はこちら。
「10円の領収書・再び」
http://tukutteha-mitamonono.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-693b.html
問題文再掲。
保険調剤で「10円の領収書」(患者さんの負担金が10円)
となるケースは、大きく分けて2つあります。
どのような場合か、考えてください。
.
ちなみに、答えのひとつは
「一ヶ月の自己負担限度額があるような患者さんで、
自己負担限度まであと10円の状態で来局された場合」
これは、問題の記事で発表している。
もうひとつは、どうしても知りたければ私のブログを検索すればわかる、
と書いていた。
実際に書いていた記事はこれ。5年以上前の記事。
「10円の領収書」(2006.12.14)
http://tukutteha-mitamonono.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_eecc.html
.
私が「10円の領収書・再び」を書く前であれば、
簡単に検索できたんだけど、実際問題、今検索をかけてみると、
ほとんどが、1週間前の記事のコメントやらタイトルやらを拾ってしまっていて、
目的の記事までたどり着けた人は多分いないと思う。
記事を書く前であれば一発で行けたんだけどな。(苦笑)
.
では、もうひとつの答え。
公費の適応範囲が決まっている公費を持っている患者さんで、
(51:特定疾患、38:肝炎、10、11:結核、などなど)
公費適応外の処方も同時に持ってきたケースで、
かつ、公費適応外部分がものすごく安かった場合。
調剤基本料や薬暦管理指導料だけで、どうやっても50点は超える。
つまり、この部分は公費で持ってもらう。
同時受付なら、基本料や薬暦管理指導料は、公費もちでいい。
もうひとつポイントがあって、
公費適応外部分に、調剤料がかかってこないこと。
これは絶対条件ではないけど、実際問題として、3日分でも内服調剤料は15点。
外用で10点、頓服だと21点。これを算定すると、まず10円は難しい。
絶対無理か、というとそんなこともないんだけど。
安い薬なら、外用でもいけるかも知れないし、内服調剤料だって、
1日5点、2日で10点。この辺までなら、
ぎりぎり10円で納めることはできるかも知れないが。
では、具体的に公費適応外部分に調剤料をかけないようにする条件は、
一番わかりやすいのが、公費部分だけで内服調剤料3つ算定していれば、
もう内服調剤料は算定できない。外用も3つまで算定可能だったかな。
もう一つ方法があって、公費適応部分と服用時点が同じだった場合。
たとえば、公費部分で「ソラナックス錠0.4mg 分3毎食後」があって、
公費外の部分で「酸化マグネシウム 分3毎食後」があり、
日数が公費部分よりも大きくなければ、酸化マグネシウムは内服調剤料がかからない。
この例だと、酸化マグネシウムの薬剤料部分だけが公費外なので、
この部分だけお金が発生する。酸化マグネシウムは安いので、1日1点。
14日でも14点。1割の人なら、10円だ。
3割負担の人でも、3日くらいなら10円でいけるな。
.
実は、この辺をうまく利用して患者さんの負担を減らしたことがある。
内服調剤料は、30日を超えると89点で固定される。
たとえば、公費でAという薬が朝食後42日分で出ていたとして、
公費外でBという薬が、同じ朝食後で84日分出ていた、とする。
これ、普通にレセコンで計算すると、日数の長い84日分の方で
内服調剤料を取るのが普通なので、そうすると公費外の方に内服調剤料がのる。
でも、これをレセコン操作して、公費対象のAで内服調剤料を取ってしまう。
どうせ、31日分以上なので、どっちで取っても89点だ。
でも、公費部分で89点取ってあげると、患者さんの負担金は安くなる。
1割で90円。3割で270円。これ、通るかどうかは微妙なとこだったけど、
とりあえず返戻で返ってこなかった。w
かなりグレーなのでおススメはしないけど。
どこにも「日数が長い方で調剤料とりなさい」とは書いていないし、
保険点数そのものは変わらないから、問題ないんじゃないかな?
.
保険薬剤師は、(ある程度)保険に精通している必要がある。
もちろん、薬局の事務さんは、もっと精通している必要がある。
今はレセコンを使えば、たいていの計算はレセコンがやってくれるけれども、
「レセコンを使う」のであって「レセコンに使われる」になってはいけない。
あくまで、レセコンは計算のための道具にすぎないのだから。
いざとなれば、全部手計算でも計算できることは必要だ。
・・・特に今年の夏は。関西地方では電力不足が避けられない。
仮に停電になってしまったとしても、
「お薬代を計算できないから薬出せません」
なんてのはダメだろう。
・・・念のため、私も薬包紙の折り方を復習しておこうかな。(汗)
と、話を停電対策まで広げることができたので、本記事にした、ということで。w
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