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薬学部は就職に有利?

 Yahooに載っていたニュースより。

(大元は、J-castニュース。下記リンク参照)

「薬学部の就活、この世の春、6年制特需ドラッグストアが積極採用」

http://www.j-cast.com/2012/06/24136611.html?p=1

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以下、一部引用

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厳しい就職活動を強いられている大学生が多いなか、
薬学部の学生たちだけは空前の売り手市場で「この世の春」を謳歌している。

   2004年に開学した日本薬科大学の11年度の卒業生は100%(進学を含む)、
進路を決めており、また城西国際大学薬学部の卒業生も99.7%が新社会人
として、新たな生活をスタートさせている。

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 引用終わり

 まぁ、リンク元を読んでもらった方が早いけど。
薬学生にとっては、就職活動なんて全く問題にならない、と。
4年制から6年制への移行中だった2年間、
留年生を除き新卒は0だったので、当然といえば当然だけど。

 ただ、卒業生が出てきたからもう大丈夫って訳はなくて、
もうしばらくこの特需は続くんじゃないかと思う。
どこもかしこも、人手不足という感じしかしないから。

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 いずれ薬剤師過剰時代が来る。
薬剤師免許だけで食っていける時代は終わる・・・。
ってのは、実は10年以上前から言われているんだけど
いつになったら過剰時代が来るのかね?w

 まぁ、6年制の薬剤師がガンガンと出てくれば、
そのうちにそういう時代が来るのかも知れないが。
今後、2,3年の状況を見ないとなんとも。

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 というのは、薬学部や薬科大学がかなり増えているにも関わらず、
今年の国家試験の合格者数はそれほどでもなかったので。

「6年制の薬剤師が誕生」(2012.4.3)

http://tukutteha-mitamonono.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-b4b8.html

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 薬学部に入るのは昔よりはるかに簡単になったと思うが、
薬剤師免許を取る難しさは、それほど変わっていないのかもしれない。
イヤと言うほど勉強しなきゃ、通らない、というか
そもそも卒業させてもらえないんじゃないかな?(苦笑)

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 さて、本筋に戻る。
薬学部生の就職活動なんて、他とは全く違う。
ドラッグストアは特に、「6年制の薬剤師」は入ってくれないのでは?
という危機感がバリバリにあるから、かなり採用意欲は高いし、
調剤薬局も、どこもかしこも人手不足だし。

 でも、メーカー、それも研究職となるとそうもいかないだろう。
また、病院に関しても・・・地域によるかな?というところ。

 つまり、「どこでも選びたい放題」という訳じゃない。当たり前。
(ドラッグストアや調剤薬局なら、選びたい放題に近いが。)

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 「まるで別世界」とか「この世の春」とか書かれているけれども、
薬学生には、他学部の学生とはまた、別世界の苦しみがある。

 特に、私立の薬科大で顕著なんだけどね。
異様なほど高い留年率であったり、国家試験という高いハードルがあったり。
特に、成績の下位な人は、ひたすら勉強し続けるしかないので、
就職活動なんかに時間かけている余裕はないだろう。
 そもそも、「卒業研究?何それ?」みたいなとこもある。

 まぁ、普通の学生生活送ってる人もいるだろうけどさ、
「まるで予備校」みたいな人も結構多いんじゃないかな?
今、就職活動で苦しんでいる他の学部の人って、
薬学部生ほど勉強してるのか?
 ようは、別の苦しみがあるから、就職活動くらい楽させてやっても
いいんじゃね?ってことだ。

.

 それに、そもそもお金の問題もあるだろうし。
国公立ならいざ知らず、薬科大に6年通ったらいくらかかるんだ?
初年度で200万を下回るところはないだろうし、
2年目以降だって年間150万くらいはかかるんじゃないかな?
トータルで1000万円はかかる・・・。
 しかも、留年するたびにさらに金がかかると。えぐいな。

 まぁ、私は今のところ、自分の子どもが薬学受けたいといったら
やめといた方がいいよ、っていうかな。
そもそも、そんな学費負担できないし。

「就職が楽」「食いっぱぐれがない」というメリットは確かにあるが、
その分、ちゃんと勉強しなきゃ卒業できないし、
学費も高い。留年するとさらにかかる、とデメリットも多い。

・・・これで、本当に薬剤師過剰時代なんてのがやってきて、
メリットがなくなったら、デメリットしか残らないじゃないか。w

.

 今、高校生の人(こんなとこ読んでる人がいるとは思えんが。w)は、
「就職が楽」とか「資格が取れる」みたいなメリットは、保証されないので、
そういう動機で薬学部にいこうというのは、やめといた方がよい。

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('10~13)仕事(薬局)」カテゴリの記事

コメント

初めまして。休職中のペーパー薬剤師主婦です。
いつもいろいろな話題を、興味深く、楽しく(お子さんのことなど♪)読ませていただいています。

本題からは少しそれますが、6年制になった学生は大変そうだ、4年で卒業出来た時代で(楽で)良かったね、と最近よく言われます。
6年制になったから大変に(カリキュラムが難しく)なったのではなくて、偏差値の低い薬学部が乱立したせいで学生全体のレベルが下がったために、あっぷあっぷしている学生が増えた、のでは?と思うのですが、kittenさんはどう思われますか?
それを言っても、4年制卒のひがみでしょー的な流れになってしまうんですよね・・・(笑)。
切ないです。

投稿: やや | 2012-06-29 21:43

 コメントありがとうございます。

 うーん、どっちもあるかなぁ、と思ってます。

 私も4年制なんで詳しくはわからないですけど、
すぐに現場で使えるような、実践に即した内容を
勉強しているようなイメージはありますね。
「大変になった」というよりは「質の高い勉強をしている」
またはさせられていると思いますね。

 学生自体の質の低下はもちろんあるでしょう。
今の6年制の学生って、ちょうど「ゆとり世代」なんですよ。
学生よりも、むしろ先生の方が「大変」だと思います。

 前に、新設校卒(当時4年制)の薬剤師と話したことがありますが、
一般教養とかは、目を覆いたくなるようなレベルです。

そんな学生を、しっかり国家試験通させるんだから、
これはもう、本人の苦労もそうですが、先生の方も
並大抵ではない苦労だろうと思います。w

投稿: kitten | 2012-06-30 17:46

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