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薬価のナゾ??

 保険診療で使われる薬は、国によって、値段が決められている。
これを「薬価」といい、二年に一度、診療報酬改定の時に値段が決められる。
(たいていは、どんどん値下がりしていく)

 新薬の薬価は、またぜんぜん別のお話なので省略するが、
新薬ではない場合は、薬価というのは、
市場での取引価格に準じて変動することになっている。

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 国が決めている「薬価」というのは、
最終的に保険医療機関(病院や薬局など)が、患者さんに渡す際の値段、だ。
当たり前の話だが、卸やメーカーから仕入れる価格は、それよりも安いのが普通。
原価が売価より高い訳はないだろう。(ただし、一部例外があったりするが)

 で、当然この薬価の差は、医療機関の利益となる。
原価と売価の差が利益ってのは、どの商売でも共通だろう。
この利益を「薬価差益」といい、保険診療の世界では悪者扱いされてきた。
なので、この「薬価差益」を圧縮するために、国は薬価をどんどん下げている。

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 具体的には、実際の薬の納入価(原価でも卸値でも)を調査して、
薬価を納入価に近づけるように下げていく。
(納入価が上がれば、薬価が上がることもありえる・・・かな?)

 メーカーとしては、多く売るために値段を下げれば下げるだけ、
薬価も下がってしまうので、安易に卸値を下げることはしなくなる。
特に、特許が残っていてジェネリックが出ていない薬では。

 逆に、後発品、ジェネリックは発売当初は値段は均一なんだが、
メーカーの値引き合戦が激しいので、薬価改定で一気に値段が下がることが多い。

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 さて、以前にも「効果と値段が比例しない」と書いたことがあるけれども、
あくまで「薬価」を決めているのは納入価の実績だけ。

 謎なのは、複数の規格(5mg、10mgとか)がある薬。
基本的には、5mgの薬価は、10mgの半分よりも少し高めに設定されている。

なので、同じメーカーの同じ薬であれば、5mgを2錠よりも、10mg1錠の方が安い。
(もっというと、5mg1錠よりも、10mg0.5錠の方が安い。)

 ただ、医薬品の種類によっては、あまりそうなっていないものもある。

 一番極端な例は、チラーヂンSだろう。

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 チラーヂンS錠25:9.6円
 チラーヂンS錠50:9.6円
 チラーヂンS錠100:11.5円

 25と50が同じ値段って。w
25を2錠服用している人がいれば、50を1錠にすることをオススメする。
値段が半額になる。(もっとも、もともと安いから知れているけど)

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 それでも、まだ同じ値段ならいいけど、
恐ろしいことに、これが逆転している例を見つけた。
含量の多い(=よく効く)薬の方が、薬価が高いという・・・。
それが、タケダのユニシア配合錠。

 ユニシア配合錠HD(カンデサルタンシレキセチル8mg、アムロジピン5mg) 140.7円
 ユニシア配合錠LD(カンデサルタンシレキセチル8mg、アムロジピン2.5mg) 141.1円

 配合錠のあとのアルファベット「HD」と「LD」は何の意味があるのか、
よく覚えてないけど、多分「H」は「High」、「L」は「Low」だろう。

 アムロジピンの配合量が多い方が安いってどういうことさね。w

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 まぁ、これは配合錠自体の薬価がそもそも安いということもあるんだけどね。
アムロジピンを配合していないカンデサルタンシレキセチル単独だと、

 ブロプレス錠8mg(カンデサルタンシレキセチル) 140.4円

 ってことで、1円も差がないから。w
実際に患者さんが受け取るときには、薬価は小数点以下どころか、
1の位を五捨五超入(四捨五入の親戚みたいなもん)するから、
どの薬でも(よほどのことがない限りは)値段は変わらんだろう。

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 でも、なんでこんな逆転現象が起きたんだろう?
タケダが意図的にユニシアHDを安売りしたとは思えないから、
多分、偶然の産物なんだろうけど。

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