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錠剤とカプセル(後編)

 先週の続き。(下記リンクは先週の記事)

 http://tukutteha-mitamonono.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-1c32.html

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 簡単にまとめると、カプセルと錠剤はそれほど製剤としての差異はなくて、
(カプセルでできることは、たいてい錠剤でもできる)
カプセルから錠剤に剤形変更するものが多いところからみると、
錠剤の方が作るのが難しいんだろう、ということが分かる。

 でも、なぜか「錠剤」と「カプセル」が、
同じ名前の同じ規格(用量)の薬で、両方とも販売継続されている例がある。

 これは、特に面分業、特定の病院だけではなくて、あちこちから処方箋を
受け付ける薬局にとって、在庫管理の面で苦労することになる。
錠剤とカプセル、両方おくと、金銭面もさることながら、スペースもとるし、
また出し間違い(調剤過誤)のリスクも上がる。

 なので、普通はカプセルから錠剤になった薬はカプセルの方が販売中止に
なるんだけど、いくつか、特に昔からある薬で両方残っているものがあるので、
その中から今回5つを槍玉にあげる、と。

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 という訳で、1つ目。

ドグマチールカプセル50mg/錠50mg (成分名 スルピリド)

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 スルピリドは50mgだけではなくて、100mg、200mgもあり、こっちは錠剤だけ。
50mgだけ、カプセルと錠剤の両方が残っている。

 また、ここではドグマチールをあげたが、これはアステラス製薬の薬。
他に、先発品扱いで、ミラドール(バイエル)、アビリット(大日本住友)があって、
これらも50mgは錠剤、カプセルの両方がある。

 とはいえ、シェアは圧倒的にドグマチールが取ってると思うけどね。
でもたとえばドグマチールとアビリット、両方とも50mg錠とカプセルを置いた上に、
スルピリドの後発品の錠剤を置いているような可愛そうな薬局もあるかも。

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 スルピリドという薬自体が、胃薬として使われることもあれば、うつや、
統合失調症など精神系の疾患にも使われることがある、特殊な薬だ。

 基本的には、50mgであれば胃薬でいい・・・のかな?100mgや200mgの錠剤は、
精神系にしか使われないだろうな。そういう意味では、適応が違うからカプセルと
錠剤、両方残っている、、と言えなくもないか。

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 次に2つ目。

トランサミンカプセル250mg/錠250mg (成分名 トラネキサム酸)

 これも古い薬だなぁ。基本的には、止血剤として使われるけれども、
他にも、のどの炎症を抑えたりとか、なぜか皮膚科領域でも使われる。

OTC(市販されている医薬品)で、トランシーノという肝班(しみの一種)
の薬にも配合されている。もちろん、風邪薬にも入っているけど。

 トランサミン-シナール(ビタミンC)-ユベラ(ビタミンE)の処方を、
私は(勝手に)トランシーノ処方と名づけている。w
保険通るんだよね、、一応。

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 ちなみに、トランサミン錠には500mgもある。
私の勤めている薬局では、トラネキサム酸製剤は、6種類あるなぁ・・・。
錠250mg、500mg、カプセル250mg、それぞれに対応する後発が3種類。

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 3つ目。そろそろマイナーかも。

サワシリンカプセル250mg/錠250mg (成分名 アモキシシリン)

 ここまでの二つは、有名なので知っている人の方が多いんじゃないかと思うけど、
この辺からはどうだろう?でも、サワシリンならまだ分かるかな?

 これも、ドグマチールと同じように同じ成分の先発品が他にもあって、
サワシリン(アステラス)、アモリン(タケダ)、パセトシン(協和発酵キリン)。
アモリンはカプセルしかないけど、サワシリン、パセトシンは錠、カプセル両方ある。

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 これはどっちかというとカプセルの方が有名だろう。
過去の記憶をほじくってみると、私が生まれて初めて飲んだカプセルは、
サワシリンだと思う。茶色ー白のカプセル。薬剤師になって再会した。w

 サワシリン錠は普通のPTPじゃないので、箱が無駄に大きくて困る。
これ、メインで出るならまだ我慢もできるけど、年に1度くらいしか触らないのに
このサイズはきつい・・・。
(ちなみに、パセトシン錠はPTPなので、箱のサイズも普通)

 うちの薬局には、サワシリンカプセル、錠、パセトシン錠がおいてある。
これでパセトシンカプセルなんて処方が出たら・・・きついな。

 この薬は、錠とカプセルが両方あるから、だけじゃなくて
複数メーカーから出ていて、どれもそれなりにシェアがあるのが問題かな。
粉薬でも、サワシリン、パセトシンに加えてワイドシリン(明治)なんかも
結構見かけるし。

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 4つ目。

カルナクリンカプセル25単位/錠25単位 (成分名 カリジノゲナーゼ)

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 これは、圧倒的に錠の方が出ていると思う。
50単位の方は錠剤しかないし、そもそも50単位の方がよく使うし。
この薬も複数の先発メーカーから出ているけど、
錠とカプセルの両方を発売しているのは、カルナクリンだけだ。

 それだけに、たまーにカプセル25mgと書かれると辛い。おいてるけどさ。

 実は、5つ槍玉にあげる中で、最後まで入れるかどうか悩んだのはこれ。
他の候補を挙げてもよかったんだけど、ミノマイシンはコメント欄に書かれたしw、
つい最近、1年ぶりくらいに調剤したから、カルナクリンにしてみた。

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 さて、最後の5つ目。

ポンタールカプセル250mg/錠250mg (成分名 メフェナム酸)

 これ、今日上げた中で私が唯一調剤したことのない薬だ。
これはもう圧倒的にカプセルの方が有名だろう。
「え、錠剤なんてあったの?」って思う人の方が多いと思う。

 ポンタール錠は調剤したことはないが、処方箋で見たことはある。
なんで調剤してないか、と言うと、カプセルに変更してもらったから。w

 歯科で使われることが比較的多いんだけど、
これがまた門前の薬局がなかったりとか、手書きだったりとか、
先生と連絡がとれないような時間に持ち込まれたりすると・・・
非常に困る

 後発品変更不可っつーか、そもそも後発品置いてないし、
かといって待たせていいような薬でもないし、長期に服用する薬でもないし。
どうしても先生と連絡が取れなかった(土曜日)時には、
薬局の独断でカプセルに変えたこともある。もちろん違法。
でも、こんなんで2日待ってもらうのはあまりにもばかばかしい。
(もちろん、事後承諾はもらった。)

 つーか、カプセルの書き間違いじゃないのかよ、と・・・。
実際、カプセルしかないような薬でも「錠」と書く先生もいるし。(苦笑)

 薬にこだわりの少ない歯科医なら、変更も簡単・・・という訳で、
今後もポンタール錠を調剤するつもりはない。いや、まじ勘弁してくれ。

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 錠とカプセルのどちらを使うかは、地域によって分かれると思う。
その地域の基幹病院がどちらを採用しているかによって、
近隣の医療機関も影響を受けるので。
疑義照会が簡単に変更できる病院ならいいけど、そうでないところも多いし。

 一般名処方にしても、先発→先発の剤形変更は認められていない
たとえば「メフェナム酸錠250mg」と書かれると、ポンタールのカプセルに変えるには
疑義照会が必要。このルールもなんとか緩和して欲しいんだけど。

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 それよりも、なんで併売が続いている訳?
どれを取っても古くて安い薬だから、いまさらしょうがないのかも知れないけど。
でも、今から30年後もこの状況だったら嫌だから、今からでも販売中止にして欲しい。
(だいたい、今日取り上げた薬は発売後30年以上経ってる)

 おいていない薬の処方箋は断ってしまえばこんな苦労しなくてもいいんだけど、
そんなことすると患者さん(の持っている処方箋)が路頭に迷うし。
併売を続けるんであれば、もう少し薬剤師の裁量を増やして欲しいと思う。

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コメント

・・・こういうネタ、好きです♪

トランサミンのように、錠剤もカプセルもどちらもそれなりに処方されてると思われるような薬剤であれば、結局どちらも在庫している場合が多いのでまだマシなんですけどね。

ポンタールは・・・orz。
kittenさんのおっしゃるとおり、カプセルのシェアのほうが圧倒的に多いと思われます。
私の薬局にもたまに錠剤の処方が来ますが、ほとんどが何の悪気もない歯医者さんからの処方です(泣)

ちなみにカルナクリン25にカプセルがあること知りませんでした。
しかも、薬価を調べたら微妙に違うし(0.1円ですけど)。
勉強になりました。
いつもありがとうございます。

投稿: 薬剤師りく | 2012-10-01 23:20

 両方作り続けるメリットって何なんでしょうねぇ?
あんなに古くて安い薬なら、片方を販売中止にしても
売上げなんてさほど変わらないと思うんですが・・・。
 メーカーにはメーカーの事情があるんでしょうけど、
薬局としては、きついとこですね。

 ちなみに、ポンタール錠への怒りだけで、この一連の記事を書いてます。w
あれはきつい・・・。

投稿: kitten | 2012-10-03 21:47

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