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「教授なんです」

 疑義照会の話。

 今回は(も?)、ほとんど薬学的な話は出てこない。
まぁ、日常の疑義照会って、こんなのが多いよね・・・。

 ちなみに、今回に限っては、処方内容から何から、
かなり脚色している。いつも通りに書いてしまうと、
最悪の場合、私が何者かばれてしまう可能性があるので。
(疑義照会先の病院関係者が見てると、やばいかもしれない。w)

.

 処方実例・・・だけど、これも省略。問題点のみ出す。

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ロキソニン錠60mg 10錠
頓服 発熱時    28回分

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 ま、ありがち・・・だわな。
患者さんはとある病気で、時々発熱することがあるので、
頓服で解熱剤としてロキソニンが処方されている。

 ちなみに、他の処方は28日分なので、基本的に1日1錠の計算だけど、
もちろん、症状に応じて使うので毎日使うとは限らない。

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 これ、前回の処方では
「ロキソニン錠60mg 1錠 28回分」だった。

まぁ、一目見ておかしいのは分かる。ロキソニンを10錠って何?ってことだ。
ここまでなら、よくある話。

 でも、前回の処方をコピペすればいいだけなのに、
なんで0が増えちゃったんだろう??

 患者さん(代理の人だったけど)に話を聞いてみる。

「ロキソニンが余ってきているので、
 今回は10錠だけ出してくださるよう、お願いしたんです。」とのこと。

 なるほど。

医師は「ロキソニン錠60mg 1錠28回分」を、「1錠10回分」に変更しようとして、
誤って「10錠28回分」にしてしまった、ってとこだろう。

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 しかし、これがとある大学病院の処方だったから、話が面倒くさくなる。
町のお医者さん相手なら、軽く電話して終わりなんだけど、
大学病院相手なら、面倒くさいけどFAXで聞かなきゃいけないルールになっている。

 ただ、患者さん(代理の人)の話から考えて、
これが「1錠10回分」の誤りなのは、ほぼ確実だ。
こんなのに、FAX往復の時間(早くても15分。遅ければ30分以上)を待ってもらうのは
あまりにも心苦しい。

 なので、疑義照会はかけるけれども、先に「1錠10回分」で計算して渡してしまい、
万が一、疑義照会の結果がそうならなかった場合、患者さんに連絡する、
ということにした。

.

 FAXで病院薬剤部に聞いてみる。

「ロキソニン10錠28回分になっていますが、おそらく1錠10回分だと思います。
 医師に確認お願いします。」

 予想通り、30分以上時間がかかった後、返事が電話で返ってきた。

薬剤部「すいません、ロキソニン1錠28回分でお願いします。」

・・・。え??(やっちまったか?)

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 いや、でも患者さんの言い分を考えると、これは1錠10回分以外ありえない。
発熱時の頓服、しかも余っているから10錠でよい、と医師と話がついてる。

 おそらく、薬剤部が医師に確認するときに、その辺のところが伝わらず、
医師が「ただの数値の入力ミス」と勘違いして、薬が余っている、という
情報がすこーんと頭から抜けてしまった結果だ、と思う。

 フライングで渡している、というこっちの事情もあるけれども、(苦笑)、
それにしても余っていると分かっているものをさらに押し付けなくてもいいだろ。

そこで、薬剤部に食い下がってみたが、返答は思いもよらぬものだった。

薬剤部「・・・教授なんです。」

私「は??

薬剤部「ですから、その○○医師は、教授なんです。
     余っているのでしたら、次回おっしゃってください。
     今回は、1錠28回分でお願いします!」

私「・・・・・。」

 何と言うか、非常に切羽詰まった印象を受けた。(苦笑)

.

 相手(病院薬剤部)の立場を想像して、解説してみよう。

 薬局からの疑義照会というのは、面倒な仕事だと思う。
特に、このケースの場合は一目で医師のケアレスミスだとわかる。
でも、ルール上仕方ないから、しょうもないケアレスミスを医師に指摘して、
処方変更をしてもらう必要がある。

 これ、普通の勤務医相手でも嫌な仕事だけど、
偉い先生相手にこんなこと聞くのは、ものすごく気が引ける。やりたくない。
たぶん、薬剤部から先生に連絡を取るのも一苦労なんだろう。
(通常以上に時間がかかっていることからも推測できる。)

 で、偉い先生相手に「しょーもない」としか言いようのないミスを指摘して、
なんとか修正してもらったんだろう。それを、薬局側(私)は、
「その返事も(医師が)おかしいから、もう一回聞いてください」と言ってきてる。

 いや、マジで勘弁してくれ。

 ってなるわな、そりゃ。(汗)

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 高い薬の残薬ならともかく、ロキソニンの値段なんてたかが知れてるし、
今回は余っているといっても、どうせそのうち使うんだから、
次回調節しても全然問題ないだろう。
 頼む、察してくれ!!!

.

 ・・・というような、魂の叫びが聞こえたような気がした。ww

いや、さすがにこれで「教授だったら、何か?」と聞き返すのは・・・
可哀想かな、と。空気を読んであげることにした。

 もっとも、こっちはこっちで、患者さんに説明する手間が増えるんだけど。
それはそれでしょうがないかなぁ・・・。こっちもイレギュラーなことしてる訳だし。
ロキソニンは10錠しか渡してないし、本当なら追加で18錠渡す必要があるけど、
それはもうこっちで預かっておいて、次回お渡しする方向で話をつけた。

 どうだろう?あの状況でもさらに食い下がるべきだったかなぁ?
でもそれは、病院薬剤部にとってはイジメに等しいんじゃないかな、と。
あんまり物分りがよすぎるのもどうかと思うけど、
これくらいは許してあげてもいいんじゃないかなぁ。

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