しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール
水曜日なので、書籍の紹介。
(水曜日は、子供に読む絵本か、自分が詠んだ本か、確定拠出年金の話題、と決めている。)
これも、図書館で借りた。
「しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール」(香山リカ・幻冬舎新書)
たしか、勝間和代を名指しで批判しているとかで、話題になったのを覚えている。
といって、金を出して買ってまで読もうとは思わないけど、図書館にあったので。
感想。
「新書」って、出てすぐに読まないといけないものもあるね。
4年前の本だけれども、割とオンタイムの話題が多い本だったから、
今読むと、すでに古く感じてしまう。(苦笑)
一緒に借りた「詭弁論理学」は、30年以上前の本だったけど、面白く読めたのに。
(ま、内容が内容だからな。w)
.
タイトルに偽りあり、かもね。
ふつうの幸せを手に入れる、というより、ふつうの幸せを発見する、の方が近い。
じっさい、どうやってもふつうの幸せを手に入れられない人に対して、
著者は何も示していないのだから。(その辺は政治の領域だろうが。)
著者は、精神科医、となっているけれども、どちらかというと作家だと思う。
過去に精神科医をやっていて、その経験を活かして文筆業やってる感じ。
はたから見たら十分「ふつうの幸せ」を手に入れているように見えるのに、
本人だけが「幸せ」を実感していない。幸せを実感できないから不幸だと感じる。
そういう人たちが、「幸せ」を実感するために、っていう本かな。
.
どうしようもない人は別として、本書で書かれていることは、
「多くを求めず、妥協して、小さな満足を得ましょう」ってことだろう。
その方が精神的によっぽどらくだから、という理由で。
まぁ、この言葉はたぶん、本当に届けたい人には届かないんじゃないかと。(苦笑)
.
私は、非常に向上心が薄い。不満に目を向けるよりも、妥協して満足することも多い。
たぶん、はたから見たら「ちょっと不幸なんじゃないか?」というような状況でも、
満足できるものを探して、心の平安を計るタイプだ。
何事も中庸、ではないけれども、多くを求めすぎないので、不満が少ない。満足が多い。
そりゃ、私は幸せだと思うけれども・・・
これを、他人に当てはめるのって、結構難しいと思うんだけどな。
向上心に満ち溢れ「勝ち組」を目指すような人間に、そんなこと言ってもなぁ。
著者の言葉は、「勝ち組」を目指してはみたものの勝てない人間に対して、
「ほどほどでいいんじゃない?」と声をかけているようなもんだ。
このアグレッシブに「勝ち組」を目指すタイプとして、「勝間和代」をあげている、と。
別に、勝間和代自体が悪いわけではないけれども、
無理して勝間和代を目指すことはないぞ、という警告かな。
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私のようないい加減な人間には、非常に耳に優しい主張であると言える。w
まぁ全員が全員、向上心がなくなってしまうと社会として問題なんだけれども、
全員が全員、前向きでアグレッシブに生きる必要はないんじゃないかな。
その点は、共感できる主張だ。
ただ、やっぱり無理があるような気がするなぁ。
ある意味、「欲望を捨てろ」と言ってるようなもんだから。
それができるなら、苦労はないよ、と。
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また「それはどうだろう?」と首をひねるような箇所が多かったのも事実。
そこそこ面白かったけど、100%信用していい本ではない、な。
10の法則の中に「すぐに白黒つけない」ってのがあるけれども、
そりゃ、この本自身にも、もちろん当てはまるだろう。w
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