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タダより安いものはない?

 こないだ(↓)の続き。

「ジェネリックでどこまで安くなるか」(2013.2.16)
http://tukutteha-mitamonono.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-55be.html

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 ジェネリックで安くなるといっても、技術料とか、そもそも変更できない(高い)薬もあって、
それほど安くなるわけではないよ、という話。

 そんな中でも、薬によっては6割引きとか、8割引とかになることもありえる。
で、私が経験した中での一番安くなった例は・・ってとこで、「続く」とした。

 ちょっと特殊な条件ではあるんだけれども。
先発から後発(ジェネリック)に変えたことによる割引率の、理論上最高値は、、

100%

である。
 つまり、自己負担金が発生していたのが、無料になってしまう、と。

 まぁ、普通ならありえない話なんだけれども、保険調剤のからくりを使うと、
そんなケースも発生しうる。

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 どういうことか、というと、
以前に書いたことのある「保険調剤で10円の領収書がありえるか?」という問題と、
本質的には同じことだ。

「10円の領収書・再び」(2012.5.24)
http://tukutteha-mitamonono.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-693b.html

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「10円の領収書・再び(解答編)」(2012.6.1)
http://tukutteha-mitamonono.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-08f3.html

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 10円の領収書が発生するケースとして紹介した2つ目。
特定疾患などの公費の適応範囲が決まっている公費を持っている患者さんで、
適応外の薬剤も処方されていて、かつ、適応外部分が安かった場合

 公費を併用していると、調剤基本料や薬歴管理指導料、調剤料などの
いわゆる技術料の部分は、全部公費(税金)で賄われるため、
患者負担金が発生しない。

 なので、純粋に「薬剤料」のみの負担が発生することになる。

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 といっても、タダはなかろ?と思うかも知れないけれども、
これに「薬剤料の計算は、五捨五超入」を組み合わせると、
100%オフになるケースが発生しうる。

 例えば、精神疾患でドグマチール錠50mgを1日1錠、分1で服用していたとする。

(公費21は主保険や累計額によって自己負担発生することもあるけれども、
 この例では、自己負担発生しないとして考えてください。)


 ドグマチール錠50mgは、1錠15.9円。
薬剤料は、1の位を五捨五超入するので、繰り上がって20円=2点になる。

 これに、公費適応外のザイロリック錠100mgを1錠、同じ用法で足す。
(用法が同じなので、調剤料その他の技術料は全部公費負担でOK)

 ザイロリック錠100mgは、25.3円。
薬剤料は、同時に服用する(同じ「剤」の)薬は、合計してから1の位を五捨五超入する。
よって、15.9円+25.3円=41.2円。1の位を五捨五超入すると、40円=4点。

 公費が適応されないのは、この「差」の部分なので、1日あたり2点は自己負担金が発生する。
ようは、ザイロリックの薬剤料にあたる部分だけだ。
30日分だと、60点=600円。3割負担だと、180円なり。

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 ここで、このザイロリックを後発に変える。どこのメーカーでも大差ないけど、
仮に沢井製薬のアロチームに変えると、薬価は6.0円になる。

 薬剤料を計算する時は、ドグマチール50mgの値段に加えて、1の位を五捨五超入。
15.9円(ドグマチール)+6.0円(アロチーム)=21.9円→20円=2点。

 薬を追加しても、ちょうど五捨五超入の範囲内におさまってしまい
薬剤料は変化しない。ってことは・・・アロチームの薬剤料自体も「0」になってしまう。
30日分(つーか、何日分でも)「0円」だ。

 180円→0円。値段は知れてるけれども、まさかの100%オフという結果になる。

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 ジェネリック変更とかでなければ、似たようなケースはいくらでもあると思う。
例えば、ずっとザイロリック錠100mgを1日1錠で服用していて、新たにバイアスピリン錠100mgが
追加になったりしたケース。

 これ、バイアスピリンを足しても、値段は全く変わらない。つまり、バイアスピリンはタダだ。w
ほか、分3でクソ安いカマグとか出ていてもそうなることが多い。

 まぁ、タダで喜ぶ人もいるけれども、「カマグ余っているから削除」した結果
値段が変わらなくて怒る人の方が多いかも知れないが。

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 さて、この100%オフは(処方内容こそ変更しているけど)実際に経験した。
患者さんは、狐につままれたような感じだった。
つーか、こっちもびっくりした。なんかの間違いじゃないか?と。w
でも、計算式を見てみると・・・そういうことか、と納得。
 患者さんは信用できなかったらしく、
「本当に払わなくていいんですね、後から言ってきても払いませんよ!」と
何度も念押しされたけど。w
 まぁ、万一間違えててもせいぜい90円だし。


 保険調剤は複雑怪奇なので、一般の人にはわかりにくいことがおこることがある。
もうちょっと分かりやすくした方がいいと思うんだけど、
薬局の利益になる部分を変化させずに、わかりやすくする方法ってのが
なかなか難しいから、実現しないんだろうな・・・。

 少しくらい利益減っても構わんから、分かりやすく!っていうのは、
多分、薬剤師からは絶対でない意見なんだろう。(苦笑)
患者、というか消費者目線からいえば、その意見は大いにアリだと思うんだが。

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コメント

なるほど(゚◇゚) 公費がらみなど特殊ケースは,そのようなことが起こり得るんですね(^^;)  
確かに、わかりにくい仕組みの制度だったり, 制度の内容が頻繁に変更になったり......患者さんにしてみたら、???なことが多々ありますよね

投稿: すみぱん | 2013-02-22 03:44

 ややこしい、とか取りにくい点数はなくなる方向に
向かっているとは思うんです。
お薬手帳とか、「特別指導加算」とか。
 でも、「調剤料」の基本になる、「剤」の概念は、
いつまで経ってもなくなりませんよねぇ。
かなり前から、「わかりにくい」という声はあるんですけど。

投稿: kitten | 2013-02-22 23:20

剤のわかりにくい点で、以前に
薬剤A 3T、カマ3g 分3 
って処方から、カマが2g 分2に減ったら、剤が2剤になったせいで、逆に値段が上がって、薬が減ったのになんで値段が上がるんだ!って怒られた事がありました。
説明しても分かってもらえなかったなあ。

投稿: ひょうたん | 2013-02-23 00:36

>ひょうたんさん

 コメントありがとうございます。
そのパターンはひどいですよね。
私が患者でも納得しませんよ。

「逆に、お薬が増えたのに安くなるケースもあるんです」
って言ったところで、やっぱり怒られるんだろうなぁ。

投稿: kitten | 2013-02-25 20:36

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