うた恋い。
絵本・・・ではなくて、コミックの紹介。
「超訳百人一首・うた恋い」
(上記リンクはamazon)
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元々は、アニメから入ったけれども、個人的にかなりツボだった。
百人一首の歌人達を、現代風にアレンジして描いている。
(もっとも、アレンジしすぎている部分もあるけれども。w)
百人一首の歌人達の人間関係とかがよくわかって面白かった。
もちろん、作者オリジナルのエピソードなんかもあるだろうけれども、
どこかしらに原典があるような話がほとんどだと思う。
1巻は早々に図書館で借りられたけれども、
2巻と3巻は・・・時間かかった。(予約待ち)
3ヶ月くらいかかって、ようやく読むことができた。(買えよ。)
うん、、アニメとほとんど同じだね。w
アニメオリジナル(といっても、どこかしら原典はあるが)の話はあっても、
マンガにしかない話はほぼなかったと思う。
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2巻は、六歌仙の時代。
といっても、在原業平、二条后(藤原高子)、陽成院あたりは1巻ででているけど。
小野小町と僧正遍昭って、そういう関係でいいんか?(汗)
まぁ小野小町自体が謎に包まれているから、何やってもありだけど。面白い。w
文屋康秀が小野小町を三河に誘った話は、どこかで見たことあるから、
これはちゃんと原典があるんだと思う。
(もっとも、それに業平がくっついてくるのは創作だと思うが。)
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3巻は、清少納言を中心とした話。
いや、清少納言のイメージがまるで変わったわ、これ。
ライバル(と勝手に思っていた)紫式部の方が有名なもんで、
どちらかと言うといいイメージが少ない清少納言だけど。
(紫式部は清少納言の悪口を残している。w)
人間としてつきあいやすいのは、清少納言の方だろうな・・・。
3巻の原典は、「枕草子」の話が多いと思う。
もう一人の主役、藤原行成とのからみがいい。
行成は、1巻で出てきた藤原義孝の息子。
藤原義孝は、中関白、藤原道隆の従兄弟にあたる。
中宮定子は、道隆の娘なので、行成と定子ははとこ、になるのかな。
もっとも、血縁関係のややこしいこの時代、はとこなんて赤の他人も同然だが。w
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実際のところ、中宮定子亡きあと、清少納言がどうして再出仕しなかったか、
本当のところは本人しか知らないんだろうけどさ・・・。
「枕草子が後の世にまで残ってしまうと、その作者である自分が
他の主人に仕えたなんて話は残したくない」ってのは、
なんというか、まとめ方として非常に綺麗だと思う。
実際の話、彰子(定子のライバル)に仕えてもよかったんじゃないか、と思う。
定子の生んだ親王は、中関白家の没落と共に、地位が非常に不安定になる。
彼を守ったのは、マンガでは藤原行成、ってことになってるけど(事実そうだけど)
中宮彰子も、この定子の子のことは非常に気にかけていて、
自分の息子よりも、定子の子のほうを東宮に推した、なんて話も残っている。
(もちろん、道長によって却下されたが。)
清少納言、というか定子にとって、道長は明らかに敵だったろうけど、
(行成も、どちらかというと道長に近いので敵なんだけど)、
道長の娘である彰子は、敵ではなかったんじゃないのかな?
少なくとも、彰子自身は、定子を追い落とそうなんて考えてなかったんじゃないかと。
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百人一首の選者、藤原定家が、中宮定子の歌を「あえて」百人一首から
外した、という説も、面白いと思った。はずしたのは事実だけど、
何を思って外したかはわかんないはずだ。
清少納言の意向を尊重して、っていう理由はお話として面白い。
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そういえば、実方と行成の一件が、ほぼ触れられていなかったな。
どちらも清少納言との交流があるけれども、(どっちも本に登場するけど)
この二人、言い伝えによるとケンカしたことになっている。
そして、実方は陸奥の国に飛ばされて、行成が出世することになる。
実際のところ、この話の真偽もかなり怪しいところはあるみたいだけど。
確か、アニメでも微妙な感じに表現していたなぁ、あれ。
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