福島のコメ作り
コラム・・・の紹介と感想。
震災の年の秋、セシウム濃度の高いコメがいくつか検出されて、
福島のお米はやっぱり危ない、というような報道があったような覚えがある。
作付けした土地のほとんどは基準値未満だったと思うけど、
ごく一部、基準値を超えたコメがあったことが報道されていた。1年半前の話。
正直、今でも覚えている人っているのかな??とも思うが、
あれだけ問題になったのに、去年の秋はそんな報道がほとんどなかった。
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ニュースにならないってことは、悪いニュースがなかったってことだな、結果として。
悪いデータがあれば、ニュースになっていたはずだから。(苦笑)
ジャーナリストの松永和紀さんが、コラムを発表されている。
正直、私もこれを読むまで福島のコメ作りがどうなってるのか、なんて、
1年以上きれいさっぱり忘れていた。
「米の放射性セシウム数値が示す農家の努力、科学者の献身」(FOOCOM.net)
http://www.foocom.net/column/editor/8517/
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是非読んでみてほしいけれども、ポイントをいくつか紹介。
以下、一部引用。
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もっとも重要な情報は「土壌中の放射性セシウム濃度と玄米中の放射性セシウム
濃度の間には相関は見られない」ということだ。「放射性セシウムが大量降下して
土壌中の濃度が高いから、米が高濃度に汚染されている」というわけではないのだ。
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引用終わり。
・・・これには驚愕。元々、福島では原発に近い地域で米の作付けが
制限されているが、その基準は土壌中のセシウム濃度であったはずだ。
即ち、土壌中のセシウム濃度が高いから、コメを作るのをやめておけ、と。
玄米のセシウム濃度は、土壌中セシウム濃度と相関してない。
それなら、作付け制限って何だったの??
もっとも、これは昨年、しっかりと調査してようやく実証されたらしい。
じゃ、玄米中のセシウム濃度は何に関係しているのか、というと、、
1.土壌中のカリウム濃度
肥料としてどの程度カリウムを与えたか、ってことらしい。
カリウムが多いほど、コメに吸収されるセシウムは少なくなる。
2.土壌の粘土鉱物の種類
土壌の中には、セシウムを吸着しやすい鉱物を含むものがあり、
そのような土壌では、土地がセシウムを吸着するために
コメに移行するセシウムは少ない。
3.栽培収穫後の汚染対策
籾から籾殻を取り除き玄米にする「籾すり機」に放射性セシウムが
付いていたために、玄米に移ってしまった、というようなことが起きている。
籾すり機を洗浄したら、玄米の数値も大きく下がったって・・・。
そりゃ確かに、そこがセシウムに汚染されてたら何しても無駄だわな。(苦笑)
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で、昨年の福島産のコメだけれども、
1000万袋検査して、100bq(基準値)を超えたのが71袋(0.0007%!)
25bq未満(これって検出限界?)のものが、99.8%、と。
こんなもん、「完全に安全」と言い切っていいレベルじゃないかと思う。
作付け制限が行われていた土地でも栽培試験が行われていて、
そのほとんどが国の基準をクリアしているそうだ。
これ以上、作付け制限する意味ってあるの?
おそらく、緩和されるだろうな、というか、緩和するべき。
平成23年産に比べて、24年産は圧倒的にセシウム含有量が減っている。
さらに、今回のデータを元に「どうすればセシウムを減らせるか」が
より明らかになった訳なんだから、
今年のコメは、24年よりもさらにセシウム含有量が減ることは明らかだ。
農家の努力、また科学者の献身により、これほどの成果を出せた・・・
ってことは、もっと多くの人が知っておいてもいいと思うんだけど。
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一度、センセーショナルに騒がれた事例って、騒がれたことだけ記憶に残り、
それが改善されたことは全く報道されないので・・・
結果として、イメージが悪いまま残ってしまうってのは、
まぁ、よくあることだよね。残念ながら。
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