対面販売の利点
医薬品のネット販売がどうなるか、まだわからない。
経緯を説明しておくと、2年くらい前の薬事法改正の時に、
医薬品のネット販売に規制がかけられた。
それまでは、医薬品のネット販売には何の規制もない状態だった。
薬事法改正で、薬剤師以外にも登録販売員が、医薬品を販売できるようになった。
ただし、1類医薬品は薬剤師の対面販売のみ。2類以下は、登録販売員でもOK、と。
で、ついでにネット通販は原則として「3類医薬品のみ」とされた。
これに、規制をかけられた側のネット企業が猛反発し、訴訟沙汰になっていた。
結局、国の規制に問題がある、とかで、一旦この話は白紙に戻った。
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で、結局どうするのよ、と。
それが今話し合われているんだろうけど・・・。
まだまだどうなるのかは、よくわかんない。
対面販売だからといって、安全性が担保されているとは言えない、という声もあるのは事実。
まぁ、いい加減な販売をやっている店もあるだろうしなぁ・・・。
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とある商品(医薬品)に関して、お客さんが関心を持ち、その商品に関する情報を手に入れる必要がある。
そういう状況であれば、ネットだろうが、対面だろうが、大差ないんじゃないか、と思う。
私は、対面販売の一番の利点は、むしろ・・・
「販売しないという選択肢を提示することが出来る」
ということじゃないかと。これ、ネットではかなり厳しいんじゃないかなぁと思うんだが。
お客さんとの対話の中で、最初にお客さんが選択しようとしていた薬よりも、
もっと他の薬の方がいいんじゃないか、と別のモノを勧めることもある。
また、その症状なら薬を買うよりも医師の診察を受けるべき、という
受診勧告をすることもある。それで、薬が売れないのはもちろん損だけれども、
お客さんの健康状態を考えると、「販売しない」方がいいことは大いにありうる。
もちろん、最終的にはお客さんの判断にもなるので、どうしてもと言われれば
売ることもあるけれども、その時にも強めの受診勧告をすることはできる。
(今回は販売しますが、病院に行くことを強くお勧めします、みたいに。)
何気ない、通常の医薬品の販売であっても、対面販売であれば、
何かのきっかけで受診勧告によって、大きな病気を発見できることがあるかも知れない。
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もちろん、ネット販売でも情報を求めようと思えば、できるようにはしてあるんだろうけど。
でも、一切のコミュニケーションなしで買うことができるってのは、やっぱり、
安全面で対面販売に劣るのは間違いないだろう。
どうやって、ネット販売での安全面を高めるかが問題になるんだろうけど・・・
「売らない」「医師の受診を強く勧める」という対応が、ネット販売で可能だろうか?
対面でそれができるのは、やっぱり、顔が見えるから。
顔の見えるお客さんの健康を、お店の利益よりも優先できるから、できることだろう。
どうも、私が見てる限りではそういう議論ってほとんどないような気がする・・・。
自分の業界の利益ばっかり主張して、消費者不在になっていないか?
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