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イレッサ訴訟終結

 ニュースより。

 画期的な抗がん剤として発売されたが、副作用での死亡例が多数報告されたイレッサ。
患者の遺族らは、販売会社アストラゼネカ社とイレッサを承認した国を相手に訴訟を起こした。

 つい最近、最高裁は遺族側の上告を退け、原告敗訴で判決が確定した。

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 イレッサの販売が2002年ってことは11年前。私が薬剤師になる前。
発売当初の空気とか、その辺の事情は分からないけれども。
ただ、この訴訟はちょっと無理筋じゃないかなぁ、という印象があった。

 副作用の可能性をちゃんと説明しなかった医師の責任を問うならまだしも、
発売元の会社や、承認した国の責任、って言われてもなぁ。

 実際、イレッサのおかげで余命が伸びた人もいることを考えると、難しい。
・・・けれども、今回は訴訟そのものにはあまり触れない。

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 原告側の弁護団は、、
「最高裁の判断は将来に禍根を残す過ちだ。
 国と製薬会社は改めて検証し、教訓を今後に生かす責務がある」
という声明を発表した。

 最高裁の判断云々はともかく・・・。私は、
すでにイレッサの教訓は現場に活かされている
と思う。

 私は「イレッサ以後」しか知らない薬剤師だけれども。
有効性の高そうな、あるいは副作用の多そうな新しい薬の場合は、
最初から全例調査が義務付けられていたり
よく知らない医師が安易に処方しないように講習を義務付けていたり、
登録した薬局にしか、医薬品を卸さなかったり
そういう薬が増えているように思う。

 イレッサ以前からそういう制度があったのかどうかは知らないけれども、
少なくとも、イレッサがそういう措置を取られなかったのは確かだろう。
(ちゃんとやっていたら、あんなに問題にならなかったはずだ。)

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 また、そんな制度なんかなくったって、
「イレッサ」という前例があるから、医療者は新薬の副作用には敏感になっている。
(敏感すぎて、世の中から葬り去られた薬もあるくらいだ。)

 副作用のない薬なんか、存在しない。
まして、抗がん剤のような薬ならなおさらだ。
薬は、必ずリスクとベネフィットのバランスが問題になる。
 治療しないリスクと、副作用のリスク、どちらが上か、そういう問題だ。

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コメント

kittenさんが おっしゃってるように, イレッサの件があったからこそ 副作用が強くでる可能性が高い薬については,これでもかというくらいに,注意勧告したり,登録制にしたりするようになったんだと思いますよ(^_^;)

投稿: すみぱん | 2013-04-15 14:07

>すみぱんさん

 コメントありがとうございます。
この記事、その辺の新聞記事を読んで書き始めたんですが、
どうも、新聞記事の方がはしょりすぎているみたいです。
 ってのは、原告弁護団の声明を読むと、訴訟には負けたけど、
これをきっかけに医療側も制度が改善された、という成果を
ちゃんと書いているんですね。
 新聞記事だけだと、あたかも原告側が国や企業の対策を
まるで評価していないように見えるんですけどね。
・・・何事も、一次情報まであたらないとダメですね。(苦笑)

投稿: kitten | 2013-04-16 23:30

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