情報の更新が大事
疑義照会関連の記事だけれども・・・
実は、今回も、結果的には疑義照会していない。
なんか、最近、こんなんばっかだな。(苦笑)
まぁ、そうそう、学術的に意味のある疑義照会例なんて転がっていないさ。
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<処方実例>
30代女性。皮膚科。
ファムビル錠250mg 3錠
分3 毎食後 5日分
以上。ちなみに、これは今年の4月の話。
ファムビルは、ヘルペスウイルスの増殖を抑える薬。
実際、患者さんに聞いたところ、口唇ヘルペス、ということだった。
実は、私はあまりファムビルを調剤したことがなかった。2,3回目くらいかな?
久しぶりだったので、念のため、箱を開けて添付文書を確認してみた。
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[効能効果] 帯状疱疹
[用法・用量] 通常、成人にはファムシクロビルとして1回500mgを1日3回経口投与する。
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うーん、やっぱり。ファムビルは、「1日6錠1日3回」の薬だ。
単純疱疹(口唇ヘルペスはこれにあたる)の適応も、なぜか書いていないなぁ・・・。
ここでちょっと悩んだ。疑義照会すべきかどうか。
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いや、添付文書に書いていない以上、保険適応がないってことなんだから、
疑義照会すべきなんだけどね。
悩んだのは、薬理作用を考えると、これ、効かない訳がないから。
同系統の薬には、アシクロビル(先発:ゾビラックス)、パラシクロビル(バルトレックス)が
あり、どちらも、単純疱疹、帯状疱疹、両方の適応をもっている。
で、単純疱疹は、帯状疱疹の4分の1~3分の1の量で用量が設定されている。
単純疱疹も、帯状疱疹も、同じウイルスが原因。
理屈で考えれば、類薬と同じように、帯状疱疹に使うよりも少量で単純疱疹にも
効果があるはずだ。
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しかも、処方医は皮膚科のドクター、ってことは、まぁ専門だわな。
知らずに使う、なんてことはちょっと考えにくい。
何か、添付文書にない根拠があってやってるのかなぁ・・・。
ま、念のため、医師に確認しておこうか。
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と、こんな感じで、疑義照会寸前まで行った。
ただ、おそらく処方が変わることはないだろう、と。
でも、なんとなく気になって、念のためネットで調べてみたところ・・・
ファムビルには、単純疱疹の適応が追加になっていた。
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日付をみると、2013年2月21日付。ぐぁ、そういうことかよ。
ようは、薬局にあった添付文書が古かっただけ、というオチだった。
(といっても、せいぜい2,3ヶ月前に仕入れたものだったんだけどなぁ)
教訓としては、「添付文書はネットで確認すべし」かな。(汗)
この手の適応追加って、メーカーや卸が情報を持ってくることも多いんだけど、
「絶対に」もってきてくれる訳じゃない。ウチは弱小薬局だし。
これ、疑義照会していたら、薬剤師の無知をさらして医師に迷惑かけるだけだったな。
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あまり調剤しない薬を調剤する時は、添付文書の確認は欠かせない。
ただし、箱に入っている添付文書は、情報が古い可能性がある。
なので、最新の情報を確認できるネットの方が望ましい。
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そういえば、昔、リウマトレックスで疑義照会したことがあったなぁ。
「リウマトレックス 3cp分3」(2010.4.4)
http://tukutteha-mitamonono.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/post-0674.html
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リウマトレックス2mgを「3カプセル毎食後」っていう処方で疑義照会かけた例。
当時はともかく、今だと、もう疑義照会しないだろうな、これ。
リウマトレックスも、用法が改訂になっているから。
もともと、リウマトレックスは医師が色々と試すような例が多かったけど、
添付文書が改訂されて、本当に「何でもアリ」に近くなっている。
こういう情報も、きちんと薬剤師の側でもアップデートしておかないと、
不要な疑義照会を行うことになるので、注意が必要だろう。
by 薬剤師ブログタイムズ
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コメント
なるほどですね。。
勉強になります。。
投稿: mym | 2013-06-04 11:20