« 確定拠出年金記録 | トップページ | まごはおねえさん »

すべての一般医薬品のネット販売解禁

 ニュースより。

 安倍総理が、内外情勢調査会で、「成長戦略第3段スピーチ」を行った。
動画と、内容全文が首相官邸のHPにアップされている。

平成25年6月5日 安倍総理「成長戦略第3段スピーチ」
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2013/0605speech.html

 ま、全文読んでもらう方が確実なんだけど、
このところ、このブログでアップしてきた内容が、
「結果」として示されている。

 まずは、医薬品のネット販売について。
「医薬品のネット販売、解禁へ」(2013.6.3)
http://tukutteha-mitamonono.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-0a77.html

.

 安倍総理によると、「規制改革こそ、成長の1丁目1番地」なんだそうな。

以下、安倍総理のスピーチから引用する。

(以下、引用)

本日、規制改革会議から答申をいただきました。委員の皆さんのご尽力には、
心より感謝します。その主な成果を紹介しましょう。
  インターネットによる、一般医薬品の販売を解禁します。
ネットでの取引がこれだけ定着した現代で、対面でもネットでも、とにかく
消費者の安全性と利便性を高める、というアプローチが筋です。
消費者の安全性を確保しつつ、しっかりしたルールの下で、
すべての一般医薬品の販売を解禁いたします。

(引用終わり。強調は引用者による)

「しっかりしたルールの下で」と但し書きはあるけれども、
「すべての」一般医薬品のネット販売を解禁する、と言った意味は大きい。
これは、比較的リスクの高い1類医薬品も含む、と解釈すべきだろう。

 もっとも、現状は事実上「ルールがない」状態なので、
「しっかりしたルールの下で」という条件をつけたってことは、ある意味規制するってことだけど。w

.

 規制改革は、「成長の1丁目1番地」
そう位置づけた後の、規制改革の「最初の」一例として挙げたのが、
「医薬品のネット販売解禁」だ。

 率直な感想を言わせてもらうと・・・。それ、内容としてしょぼくないか?

 現状でもネット販売は無法状態だし、さらに言うなら規制がかけられてから、
判決が出るまで、つまり、本来は規制があった状態ですら、
法の網の目をくぐって1類医薬品を販売している業者は存在したし。(ケンコーコムとか)

 成長戦略として、規制改革は必要なんだろう。
でも、医薬品のネット販売を解禁して、それがどこまで市場として成長する?
 利害関係者しか声をあげないからわかりにくいけど、
実際のところ、ほとんどの人が「関係ない」話だと思うし、
現場の人間ですら、実感として影響がでることはないんじゃないかと思う。

.

 次に健康食品の話題もでた。
これも、私が少し前にふれた話だ。

「規制改革会議、健康食品の表示問題」(2013.5.30)
http://tukutteha-mitamonono.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-7be0.html

.

 安倍総理のスピーチから引用する。
(以下、引用)

健康食品の機能性表示を、解禁いたします。国民が自らの健康を自ら守る。
そのためには、適確な情報が提供されなければならない。当然のことです。
現在は、国から「トクホ」の認定を受けなければ、「強い骨をつくる」と
いった効果を商品に記載できません。お金も、時間も、かかります。
とりわけ中小企業・小規模事業者には、チャンスが事実上閉ざされている
と言ってもよいでしょう。
 アメリカでは、国の認定を受けていないことをしっかりと明記すれば、
商品に機能性表示を行うことができます。
国へは事後に届出をするだけでよいのです。

(引用終わり。強調は引用者)

 あれまぁ、本当にスピーチで言っちゃったよ、こんな内容を。(苦笑)

 健康食品について、的確な情報・・・。
まともにエビデンスのあるものは少ない、とか、健康被害が発生している、とか。w
的確な情報を、というなら、私流に言うと「金の無駄だからやめとけ」なんだが。

 いや、確かにアメリカではそういう状況だよ。
じゃぁ、ヨーロッパはどうなのさ?
日本のトクホクラスのものをもっていっても、ヨーロッパでは認められない。
そんな事例山ほどある。

 本当に効果のある健康食品であれば、ちゃんと試験をして認定を受ければよい。
だって、まともなエビデンスのある健康食品なんか皆無に近い状態なんだから。
 結局、その辺の情報がうまく伝わらないから、
「成分」勝負じゃなくて、「宣伝」勝負になってしまう。
いくら効果があっても、宣伝が下手じゃ勝負にならない。
逆に、魚の骨みたいなつまらないものでも、宣伝さえうまければ大ヒットする。

.

 自分の仕事に近い、二つの事例をあげてみたけれども。

 少なくとも、この二つの「規制緩和」を簡単にまとめると、

「悪徳業者万歳!」ってことじゃないのか?
まともな企業ならば、今までの規制でも十分に勝負できる。
今までの規制だと勝負できない、詐欺まがいの悪徳業者にとって、
天国のような規制緩和が行われる、と思っていいんじゃないだろうか。

 規制緩和すれば、確実に安全性は今までよりも損なわれる。
それによって、市場が成長するのならばよい、というのが改革派の考え方。
でも、成長するのが「ろくでもない悪徳業者」でも構わんのか?

 私は、そんな成長は国のためにならないし、いらない、とさえ思う。

.

 例えば、科学的に何の根拠もない、何の意味もない健康食品を
みんなが有難がって購入して、市場規模が拡大して景気がよくなる。
効果がないと分かるころには、みんなが忘れて、次の無意味な健康食品に走る。

 健康食品に限らず、他の分野でもこういうことは往々にしてある。
無意味なものをありがたがって、消費が増えて、景気がよくなる・・・。
本当に、それでいいのか??

 経済はそれでいいのかも知れないが、
国民の健康に寄与する必要のある専門家としては、
「それは違うだろ」と言わざるを得ない。

 うーん、売れさえすれば、経済が回りさえすれば、何でもいいのかなぁ??

.

 ただ、規制改革に反対すれば、
「既得権益にしがみつく抵抗勢力」にしか見えないんだよねぇ・・・。
実際、他の分野での規制改革も、そんなもんなんじゃないの?

.

 そういえば、昨日のこの安部総理のスピーチを受けて、
日経平均株価は大暴落したそうだ。(苦笑)

 ってことは、経済の目からみても、この「成長戦略」は
「しょぼい」と否定されたってことじゃないのかな。

薬剤師ブログタイムズ ブログランキング参加中!
by 薬剤師ブログタイムズ 

|

« 確定拠出年金記録 | トップページ | まごはおねえさん »

('10~13)仕事(薬局)」カテゴリの記事

ニュース」カテゴリの記事

コメント

この件については、一般の人にいくら説明しても無駄だと思います。つまり、いつでも・安く手に入りさえすればよいと考えている人と、売り上げを少しでも上げたいと考える人たちがおり、ほとんどの人は、病気になれば医師に診て貰えば良いと思っていると思います。薬屋で購入するのは医師に診て貰うまでもない・薬が切れてきたので同じ様な薬が欲しいと思っている人が多くみられます。また、今テレビで宣伝している薬が欲しいと購入される人もおります。
 安倍さんも、薬剤師でなく、病気になればお抱えのような医師に診てもらっており、OTC薬はお付きの者に買ってきて貰っているのではないでしょうか。つまり、医師や薬剤師や製薬メーカーがどれだけ副作用に気を使っているかご存じないのではないでしょうか。それと医薬分業までしている薬の安全性チェックは何なのでしょうか。安倍さんはご存じないと思います。ただ、選挙対策にしか思えません。

投稿: 困ったくん | 2013-06-06 07:00

 コメントありがとうございます。

 例えば、医師に対して「ネット診断で」なんて話は
さすがに出ないのかなぁ?とか考えます。

 ある意味、薬剤師側が対面を望ましい、と思うのは、
医師が電話だけで診断できないのと同じ理由なんですが、
世間はそうは考えていないってことでしょう。

 ネットと対面販売では、明らかにリスクに差が出ますが、
その差をどうやって埋めていくつもりなんでしょうね?

投稿: kitten | 2013-06-07 23:57

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/173091/57532625

この記事へのトラックバック一覧です: すべての一般医薬品のネット販売解禁:

« 確定拠出年金記録 | トップページ | まごはおねえさん »