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富士フイルムの技術(インフルエンザ検査)

インフルエンザのネタ、、と考えて思い浮かんだのが、
富士フイルムのCMだった。

http://and-fujifilm.jp/virus/

 結構、テレビで流れていて気になっていたので。

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 富士フイルムって、フイルム会社だったはずだけど、
医療の方面にも力を入れているらしい。
・・・ま、フィルム使うカメラ人口は激減してるからね。

 もともと、レントゲン(X線)のフィルム作っていたのかな?
そっちのほうから、医療機器の方も幅広くやっているのだろう。

で、テレビCMでは、富士フイルムの技術で、
インフルエンザの早期発見が可能になった、と。

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 富士フイルムのサイトに、インフルエンザのサイトがある。
http://influlab.jp/reception_desk/

 ま、これを読んでもらえばいいんだけど、さっくり解説。

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 インフルエンザの検査方法には色々あるが、よく使われている簡易キットは、
「発症後12時間以内」だと、ウイルス量が少なくて判定できないことがある。

 で、インフルエンザによく使われる、タミフルなどの抗ウイルス薬は、
「発症後48時間以内」でないと、十分な効果を発揮できない。
 というのは、この手の薬は「ウイルスの増殖を抑える」薬であって、
ウイルスを殺す薬ではない。
 ってことは、増殖する前の、できるだけ早い段階で薬を使うのが効果的。
早ければ早いほどよい。

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 でも、検査が早すぎるとそもそもウイルスが検出できない。
かといって、遅くなればなるほど、薬の効果は薄くなっていく、と。
早く検査できればできるほど、早く治療できて、早く治る、ということだ。
 この辺のバランスが難しくて、病院に行くタイミングに悩むことも多いかも。

 基本的には、発症後12時間以降で、できるだけ早く検査する。
発症後48時間を過ぎてしまうと、抗ウイルス薬の効果が期待できない。

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 で、そこを富士フイルムの技術で何とかしましょう、って話。
以下、HPから引用

従来の検査方法では、ウイルスに目印となる金コロイドを結合させ判定を行います。
FUJIFILMは、その目印に銀を吸着させて、さらに大きくする高感度検出技術を開発
しました。直径約50nmの金コロイドのまわりに銀が増え、数十秒で直径約100倍に
膨れあがります。

(引用終わり)

 ようは、銀を使う技術により検出感度を上げたということ。

実際の装置は、どんなものか、というと・・・
http://fujifilm.jp/business/healthcare/chemical/immuno/ag1/index.html

「富士ドライケムIMMUNO AG1」
インフルエンザのほか、A群ベータ溶血連鎖球菌やアデノウイルスキットも使える。

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 いまいち、検査分野の保険関係がどうなっているのかわからないけど、
この富士フイルムの機械で検査しようが、その他の簡易キットで検査しようが、
おそらく保険点数は変わらないんじゃないかと思う。
 保険適応外ってことはないだろうし、特別に保険点数が設定されていることも
なさそうなので。

 この機械でどれくらいお金がかかるか・・・。
メーカー希望小売価格は、本体で38万円らしいけど、
この手の機械って、本体よりは試薬の方で稼ぐのが普通じゃないかな?
 たぶん、他のメーカーよりも、やや割高なんじゃないかと思うが。

 ちなみに、どの病院がこの機械を導入しているかは、
前述の富士のHPから検索することができる。

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 さて、で、どれくらいの感度なのか。
正直、この分野は全然不勉強なんだけれども。
富士の技術データのページによると・・・

http://fujifilm.jp/business/healthcare/chemical/immuno/ag1/techdata.html

 うーん・・・。確かに検出感度は上がっているけれども、
それほど劇的に改善されているようには見えないな、残念ながら。

 例えば、発症後6時間未満であっても、富士のキットであれば感度84.6%。
でも、実は他社のキットでも69.2%は陽性が出ている。
「12時間以内では検出できない」ってのは、ちょっと大げさな話で、
「12時間以内では、検出できないこともある」くらいかな。

 ま、そもそも「発症後」と書いてあるけれども、
「いつ」発症したか、なんてそうそう正確な時刻が分かる訳もないし。

 発症後12時間以内であっても、(富士フイルム以外のキットでも)
とりあえず検査だけはしてもらってもよさそう。
検査方法から考えて、偽陽性(インフルじゃないのにインフルと判定される)は
あまり問題になりそうになくて、偽陰性(インフルだけど、検出できない)
ってことだ。

.

 もちろん、富士フイルムの技術は素晴らしいものだと思うけれども、
CMを見て感じるほどの目覚しい技術、って訳でもなさそう。
大雑把に言えば・・・

 発症後12時間以内の「感度」を従来の70%程度から、80%に改善した。

ってことかな。10%アップといっても、7割から8割ってのは、
それなりに大きな意味を持つのかも知れないけれども。

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 うーん・・・ちょっと難解すぎたかな?(汗)
本来であれば、こっから「いや、インフル検査ってどこまで意味あるの?」とか、
「検査ナシで抗ウイルス薬投与やってもいいんじゃね?」とか、
「そもそも抗ウイルス薬って必要なの?」みたいな話に展開していっても
いいんだけれども・・・本調子ではないので割愛。(苦笑)

 野球でいうと、ボールからギリギリでストライクゾーンに入る球、を
イメージして書いてみたものの、全然変化しないでただのボール球に
なってしまっただけ、だったりして。w

.

(11/25、追記)

 この記事は、「第1回るるー主わがままブログ大会」に参加しています。
http://pharmacymanga.blog.fc2.com/blog-entry-314.html
詳細は上記リンクにて。
 この機会に、色々な薬剤師ブログに触れてもらえれば幸いです。

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コメント

僕の突然のわがままに付き合っていただき
ありがとうございますm(_ _)m

今、集計のページをつくったのでよかったら見に来てください

リンクしていただけると投票率が増えそうです

てかそのままだとバイアスが・・・www

投稿: るるー主 | 2013-11-25 22:48

>るるー主さん

 集計ページ作成お疲れ様です。
早速、リンク貼っておきました。

ブログでは、ほぼ関西弁使わないですね。
ちなみに、私生活でも関西弁は少ないほうです。
生まれも育ちも大阪なのに。

投稿: kitten | 2013-11-25 23:43

こんにちは、初めまして。おねぇ系薬剤師のネーヤと申します。
この度はお疲れ様でした。一緒にブログをアップすることが出来て、大変楽しかったです。
さてと、本日はお詫びとお願いがあって、コメさせて頂きました。
先ずお詫びですが、私のブログでkittenさんの記事を勝手にリンクしてしまいました。本当にゴメンなさい。不都合があれば削除いたしますのでご連絡いただけたらと思います。
次にお願いですが、次回の私のブログでもこの話題で書きたいと思います。勝手にリンクした上、大変厚かましいとは思うのですが、再びkittenさんの事もブログ内で書きたいと思っております。
もちろん、内容は注意して書きますが、何せ私はオフザケ薬剤師なので悪ノリする可能性もございます。それを含めた上で宜しければお許しいただくようお願いいたします。

投稿: ネーヤ | 2013-11-27 15:21

>ネーヤさん

 初めましてですねー。
いえ、ブログはしょっちゅうROMってるんですけどね。w
リンク、全然OKですよ。わざわざありがとうございます。

 もちろん、好き勝手に書いてもらって構いません。

投稿: kitten | 2013-11-27 22:00

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