SM配合散 頭痛時頓服
久しぶりの疑義照会ネタ。
これも、どっちかというとネタなんだが。
患者さんは30代女性。
<処方実例>
SM配合散 1g
頓服 頭痛時 15回分
.
以上
まぁ、パッと見ておかしいのは分かるだろ。
SM配合散は、胃腸薬。なんで頭痛に使うんだ?と。
さらに言うなら、SM配合散って、1包1.3g。
そりゃ、あえて分包することもできなくはないけど。
.
頭痛時に使って、似た名前の薬・・・と考えると
「SG配合顆粒」
の間違いなんだろうなぁ、と察しはついた。
SG配合顆粒は、イソプロピルアンチピリン配合。
「アンチピリン」とついてるけど、これはピリン系の薬。
現役で使われている数少ないピリン系の薬になる。
頭痛薬には色々あるけれども、「これでないとダメ」って人が
多い薬でもある。OTCだと、、、セデスハイ。
.
という訳で、疑義照会。
ところが、これですんなりと「SGに変更」になる・・・のが普通なんだけど、
そうなったんなら、そもそも記事にはしない訳で。w
「患者さんの希望で、頭痛時にSM配合散出しているんですけど・・・」
と言われた。?????
・・・いや、どう考えても頭痛に効果ないと思うんだけど。
.
ここで、患者さんに話を聞いてみる。
以前に使った頭痛薬がよく効いたので、先生にお願いして
処方してもらった、と。
で、SM配合散とSG配合顆粒を両方見せてみたところ、
「こっちです」と言われたのは、もちろんSG配合顆粒。
.
じゃぁ、先生にどうやって伝えたんだろう?
お薬手帳を確認してみたところ・・・
少し前の処方で「SM配合散 頭痛時」と書いてある。
・・・・・。
.
うん、これ、前の薬局のミスだな。w
先生の処方ミスの可能性もあるけれども、
少なくとも、SM配合散と手帳に記録しながら
SG配合顆粒を渡しているのは間違いない訳で。(苦笑)
で、その(間違っている)手帳をみた医師が、
そのまま患者さんの言うとおりに出してしまい、
このような事態が発生した、ということらしい。
.
いや、もちろん記載ミスをやらかしている薬局も悪い・・・けど、、
医師も、患者さんの言いなりで薬出すなよ。(苦笑)
つーか、知らんならちゃんと調べろ。
一回でも処方したことがあれば、SM配合散が何の薬かは知っているはず。
この医師が、SM配合散を知らなかった可能性は高いだろう。
(SG配合顆粒ほどメジャーではないからな)
知らないなら知らないで、ちゃんと調べてから出そうよ。
.
結局、予想される経緯を患者さんと病院に説明して、
無事にSG配合顆粒を出してもらえた。
.
前の薬局が間違っていたわけだが、手帳の記載ミスなだけで、
お薬としては正しいものを渡している。
ひょっとしたら、薬局はミスに気付いている可能性はあると思う。
でも、お薬手帳までは、気が回らなかったのかなぁ?
手帳の記載ミスで、下手すればここまでの問題が発生するってことは、
認識しておくべきだろう。

by 薬剤師ブログタイムズ
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コメント
患者に交付する帳票は結構多く情報量も
何箇所にも出てくるのでたまに訂正漏れ
はでてくるんですよね・・・。
当局でも病院の名前の訂正漏れでいろいろ騒いだ
ことがあります。
それ以来、レセコン入力ミスがあった場合、
帳票は正しいものも含めてすべて再印刷する
としております。
なんか紙代がもったいないような気がするけど
しかたないのかな~と思っております。
投稿: とおりすがり | 2013-11-03 07:58
>とおりすがりさん
帳票物の誤りは、よくあるんですけど、
薬局側が思っている以上に、慎重に対応すべきですね。
思ってもみないトラブルに発展することがあります。
・・・たいてい、痛い目を見て学習していきますけどね。
投稿: kitten | 2013-11-04 22:25