STAP細胞の発見
ニュースより。
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マウスの血液や皮膚などの細胞を弱酸性液に浸して刺激を与えるだけで、
人工多能性幹細胞(iPS細胞)のようにさまざまな細胞になる万能細胞を
作ることに、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の
チームが成功した。
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とりあえず、ニュースで聞いたけど、私の第一印象は、
「ウソだろ?」
である。w
ノーベル賞の山中教授の成果と比べて報道されていたが、
むしろ比較すべきは、大誤報の時の森口氏ではないか?とさえ思った。
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どういうことかというと、それくらい「ありえない」話ということ。
世界中の科学者が、どうにかして万能細胞を作れないかと、
必死になって研究しているのに、条件が、
「酸性の溶液につけるだけ」
はぁ??ふざけんなよ!
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ネイチャーに初投稿した段階で、
「過去何百年の生物細胞学の歴史を愚弄していると酷評」
されたのは、あまりにも当然だ。
いや、それくらいありえない話である。w
.
それでも、証拠を積み重ねてネイチャーに掲載された。
世界中で、大反響を巻き起こしていると思う。
極めてありえない話だが、それが本当だと世界に認められたなら、
これはもう、とんでもない大偉業である。
ノーベル賞間違いなし。歴史上に名を残す大発見となる。
しかもそれを発見したのが、
割烹着で研究している、30歳の若手女性研究員っていうんだから、
もう、どこの空想世界のお話だよ、と言うしかない。
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論文が掲載されたからといって、事実と認められた訳ではない。
この後、世界中でこのSTAP細胞の研究が進められるだろう。
(なんせ、技術が「簡単すぎる」らしいし。)
あちこちで追試が行われることになるし、事象の究明も進むだろう。
私が彼女を認めるのは、その結果を見てからだ!
別の意味で歴史に名を残す、大スキャンダルになる可能性だって、
0じゃないんだから。
.
ものすごいニュースだけど、素直に喜べないのは、
たぶん、私が彼女に嫉妬しているからだろう。ww
いや、過去にほんの少し研究の真似事をしただけの私でもそうなんだから、
本職の研究者からは、ものすごい妬まれると思うぞ・・・。
山中教授だって、大人なコメント出してたけど、内心はどうなのさ?w
.
問題は、これが人間に応用できるかどうか、という点だ。
全く新しい現象だから、どの程度人間に応用できるのかは分からない。
それも、今後の研究次第。あっさりとできるかも知れないし、
人間では無理、という結論になるかも知れない。
それでも、「ほぼ全員があり得ないと思ったことが実証された」のであれば、
たとえ臨床に応用できなかったとしても、とんでもない偉業であることは
間違いない。
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コメント
何かのストレスで細胞が初期化するというのは、ほ乳類以外の生命体では認められている事だから、それがほ乳類で(まだ限局した条件内でしか起こらないけど)起こっても別段不思議ではないと思います。
要はこのアイデアを使って今後世界中で様々な実験がスタートする幕開けを日本のリケジョが起こした事が凄いと思います。
特に周りでサポートしたり彼女らを抜擢した上司の有り様が昔の研究室とは違う気がします。
投稿: あざとい割烹着? | 2014-01-31 08:48
彼女が一人で論文を書いたわけではなく、共同著者がたくさんいて、しかも責任著者にはアドバイザーをしたハーバード大学の教授も名を連ねています。それなのに「過去何百年の生物細胞学の歴史を愚弄している」なんて言われる? 絶対に有りえませんよ。
Nature、Science、どちらもダメだった人を知っていますが、彼らの時の返事は"あなたの投稿は、うちの雑誌のレベルには達していない"と二行程度でした。なにも余計なことは書かれていませんし、相手を叱り付けるようなことも書かれていません。この"酷評にもめげず頑張った"はどう見たって作られたエピソードです。
こういう大袈裟エピソードを話す研究者にどんな人達が多かったかを思い出しています。そして、この研究、研究者たちの評価は、他研究室からの追試の結果を見てからでも遅くはないと思いますよ。
投稿: 同業者 | 2014-01-31 09:00
いやいやレフェリーの中には長い文章をお返事してくる方もいますよ。
はてさて゛愚弄する゛の原文がわかりませんが、ひょっとして゛今までの常識からすると馬鹿馬鹿しいけど凄い、でも証拠が少ないから信じらんない゛みたいな意味かもしれませんよね。愚弄といわれると非難叱咤のイメージですが。
投稿: あざとい割烹着? | 2014-01-31 10:58
長い返事がくることがあり得ないとは言いませんが、問題はそこではありません。元の文章がどうであれ(あざとい割烹着?さんが仰るような形の返事だったかもしれません)、とにもかくにも"愚弄された"と言っているのは間違い無いわけで、それは上に書いた理由もあって"あり得ない"、ここが問題なんです。
まあ、マスコミが作ったコメントかもしれませんし、そもそも私自身は彼女の仕事が捏造だと言い切れるわけでもありません。ただ、嫌な感じがするなあ、と。研究者がこういう(正直、話を盛ってるなと思わせる)大袈裟エピソードを披露すると、T大のタイラーズとか、お隣の国のイエロー教授、あるいは実験に使ったネズミが存在しなかったペテンの人とかが連想されるんですよ。杞憂なら良いんですけど。
投稿: | 2014-01-31 11:25
確かに、ご自身が愚弄と表現しているのは残念ながら間違いないですね。
今までほとんどの研究者から信じてもらえず又馬鹿にされていた為、被害者根性がひどくなっているのか?とも思います。
世界中のみんなに馬鹿にされているけど真実をみせつけてやろう!と仲間内で盛り上がっているため、ネイチャーに対してもわざと卑下した受け取り方をして鼓舞してたとか。
投稿: あざとい割烹着? | 2014-01-31 13:41
コメントありがとうございます。
とんでもない大発見なんですよね、本当なら。
それが、あまりにも出来すぎているので、一抹の不安を感じます。
本文中では「嫉妬」という表現を使いましたが。w
ネイチャーに掲載されたことは、通過点に過ぎません。
コメントを下さった方はもちろんご存知でしょうが、
一流の科学雑誌に掲載されたからといって、
それが正しいと保証された訳ではありません。
多くの科学者による研究、追試の結果、初めて、
「どうやら確からしい」と認められることになります。
作られた、というか「盛られた」エピソードもあるでしょうし、
それこそ、「あざとい」においもするんですけれども、
研究者に対する評価は、その研究内容によって行われるべきで、
その内容が世界で認められたならば、掛け値なしに
賞賛されるべきだと思います。
投稿: kitten | 2014-01-31 14:55