SGLT2阻害薬がぞろぞろ
調剤報酬改定・・・については考えたくないので(苦笑)
新薬の話。
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糖尿病の新しい作用機序の薬として、
「SGLT2阻害薬」という薬が出てくる。
作用機序を簡単に説明すると、糖尿病の薬なんだが、
文字通り「尿から糖を出す!」という薬である。
最初に知ったときには、「おいおい」と思ったもんだ。w
糖尿病ってのは、尿に糖が含まれるという病気なんだけど、
実際に問題になるのは、血糖値だから、問題ない。
で、血糖を下げる薬として、尿中への糖の排泄を促進する薬が出てきた。
それが、「SGLT2阻害薬」という分類の薬である。
従来、使われていた薬よりも低血糖などの副作用はおきにくいと考えられる。
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1番手として出てくるのが、
アステラス製薬の「スーグラ」(成分名:イプラグリフロジン)
これが、おそらく来月には発売されると思う。
さらに続いて、ぞろぞろと出てくる。一応列記する。
アストラゼネカ/小野「フォシーガ」(成分名:ダパグリフロジン)
大正富山/ノバルティス「ルセフィ」(成分名:ルセオグリフロジン)
興和「デベルザ」/サノフィ「アプルウェイ」(成分名:トホグリフロジン)
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多すぎだろ!!
これ、年内どころか、早ければ夏にも全部でてくる。
さらに、2成分ほど申請中の(同系統の)薬があるらしい・・・。
以前に、DPP-4阻害薬(これも新しい作用機序の糖尿病薬)の
発売ペースが早いことを記事に書いた。
「6つ目のDPP-4阻害薬、スイニー錠が発売予定」(2012.10.4)
http://tukutteha-mitamonono.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-9dce.html
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ARB(高血圧の薬)は14年かかって7成分。
DPP4は、4年で7成分。
それに比べて、SGLT2は、1年で6成分とか出そうな勢いだ。(汗)
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申し訳ないが、はっきり書く。こんなん、覚えきれる訳ない。
いや、薬剤師もキツイけど、医師も覚えきれる訳ないと思う。
どれをとっても似たような薬らしいし。
それぞれに特徴がないと、とても覚えきれるもんじゃない。
特徴どころか、名前覚えるだけで一苦労だわ。
DPP4は色々出てきたけれども、
結果としては、一番最初に発売されたジャヌビアが一番シェア取ってる。
だから、各社揃って、承認スピード競争に走ったのかな?
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ちなみに、発売予定のスーグラで聞いた話だけど、
この薬、「体重減少」という副作用(?)があるらしい。
摂取したカロリーを消費せずに尿中に排泄するんだから、
理論的には当たり前の話なんだが・・・
それって、夢の薬でないかい??
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まさかのやせ薬?と思ったが、当然、そんなにうまい話はない。
この副作用は、糖尿病の人にしかおこらないそうだ。
健康な人が服用して、無条件で痩せるってことはなさそう。
(それでも、こっそり服用する人とかいそうな気がする。)
とはいえ、糖尿病の人に限っても体重減少はインパクト大きい。
体重が減るだけで血圧が下がる人もいるだろうし・・・。
この辺、実際に使ってみてどうなるか、見てみたいなぁ。
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