3つの顔を持つ薬
相変わらずきつい状態が続いているけど・・・仕事の話。
今日、日本で初のSGLT2阻害薬、スーグラ錠が発売された。
どれくらい処方がでるか分からないけど、新しい薬、それもアステラスなら、
とりあえず卸から放り込まれる薬局も多いんじゃないだろうか。(苦笑)
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で、今日はそっちの話・・・ではなく、もう一つ、注目の薬がある。
日本新薬から、前立腺肥大の治療薬として薬価収載された、「ザルティア」
成分名は、「タダラフィル」
ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害薬、という分類になる。
実は、この成分が製品化されるのは、実に3回目。
それも、まったく違う分野の薬として出てきている。
2つの顔を持つ薬は、色々思い浮かぶが、3つとなると・・・
ほかになにかあるかな?スルピリドくらいか??
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ホスホジエステラーゼ阻害による、c-AMPやc-GMPの増加による、
平滑筋弛緩作用・・・って、ものすごく効果範囲が広いから、
色んな場所で効果を発揮するんだろう。
サブタイプが色々あって、それで使い分けがある。
日本で初めて発売されたときは、薬価収載されていない。
「シアリス」という、ED治療薬として発売された。
先行の薬品と比べて、効果の持続時間が長いのを売りにしていた。
次にでてきたときは、「アドシルカ」という名前。
シアリスは基本10mgだったけど、アドシルカは20mg。
ただし、こちらは適応が「肺動脈性肺高血圧症」となっている。
発売されて結構たつけど、まだ処方すら見たことないな・・・。
もちろん、同じ成分を使っている以上、同じような作用も起こりうるんだけど。
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で、今回は「ザルティア」という名前で新発売される。
前立腺肥大に伴う排尿障害、と。
用量は、シアリスの半分で5mgが基本。
この分野では、αブロッカーが第一選択薬になる。
ザルティアの位置づけはどのあたりになるんだろうか?
αブロッカーで効果があるなら、そっちの方がいいような気がする。
これだけ「色々なことに作用がある」薬ってことは、
そんだけ副作用(?)も多いってことになりそうだから。
前立腺肥大には、抗アンドロゲン薬も使われるが、
男性ホルモンを抑える薬なので・・・副作用としてEDが現れることがある。
ザルティアと併用したら問題なくなるのかな?
うーん、この辺は専門の医師じゃないとわからんな。
とりあえず、泌尿器科の専門医くらいしか出さないだろうな。
・・・逆に出してきたら、怪しむべきなのかも知れない(汗)
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ちなみに・・・
副作用としての持続勃起は添付文書に明記されているが、
頻度はそれほど多くはないと思う。
勘違いされやすいところはあるが、服用するだけで勃起する訳ではないので。
(「刺激」が必要なのは、健常人と一緒だ)
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広い意味で、ホスホジエステラーゼ阻害作用を持っている薬品に・・・
「カフェイン」があったりする。喘息に使われている「テオフィリン」もそうだな。
あれ、カフェインの利尿作用って、ザルティアと同じってこと?w
(きっと違う。ww)
ザルティアの薬価はそれなりにする(5mg錠が230.6円)けれども、
アドシルカほどではないので、目にする機会があるかも知れない。
色は違うけど、形はシアリスに似ているようだ。
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