「処方ミス」を防げるのは薬剤師だけ
こないだの記事の続き。
「病院も薬局もミスをする」
http://tukutteha-mitamonono.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/post-4fa4.html
.
医薬分業で、薬局が病院のミスを発見して止めることができる、
といっても、薬局でもミスするんだったら意味ないんじゃない?
という指摘。
今思えば、簡単に反論できるんだけど、
解答にたどりつくまでにかなり時間がかかった。
まぁ、私は頭(と口)の回転は早い方じゃないからな。
持ち時間ありでじっくり考えるのは得意だけど、
瞬発力はないに等しいから。(苦笑)
.
で、解答はタイトルに書いたとおり。
医師の「処方ミス」を指摘することができるのは、
薬局、基本的には薬剤師だけだ、ということ。
.
病院の「ミス」と薬局の「ミス」では、「ミス」の種類が異なる。
たとえば、処方せんと違う薬を渡してしまったり、
数が足りないとかいうような、計数ミスは、薬局でも病院でも起こりうる。
このミスの頻度については、実際わからない。
町医者で、無資格者が調剤しているようなところであれば、
そりゃ薬剤師が調剤するよりもミスが多い、、と言いたいけれども、
実際のところわからんわ。
ミスの多い薬剤師ってのもいるしね。
.
薬局の言う防ぐことのできる「病院側のミス」というのは、「処方」のミス。
「薬局のミス」は基本的には「調剤」のミスになる。
処方とは、医師が使う薬を指示、指定すること。
調剤は、医師の処方を見て、薬を調製して患者さんに渡すこと。
医薬分業していなければ、処方ミスを防ぐのは難しい。
いや、アレグラ2錠分3みたいな、誰が考えてもおかしいような例なら、
無資格者であっても、気づくことはできるよ。
実際、ウチで疑義照会する例の半分くらいは、薬剤師以外の事務さんでも
簡単に発見できるレベルだ。
でも、例えば併用禁忌の薬剤であるとか、用法、用量の誤りであるとか。
その辺はさすがに難しいように思う。
医薬分業をすすめたのは、そこをチェックするためだ。
.
少し脇にそれるが、実は大病院で薬剤部が医師と対等に話できる環境に
あるようなところであれば、分業は必須ではない、と思う。
実際、分業していないところもまだまだあるし。
医師の処方内容を、病院の薬剤部がチェック入れて、疑義照会、
と言う流れがしっかりできるのであれば、無理に院外に出さなくても・・・
問題ないとは言わないが、「さほど」問題ないんじゃないかと思う。
.
で、例えば院内調剤であったとしても、薬局と同じような「調剤のミス」
は普通に起こりうる、よね。
つまり、院内調剤の場合、「処方ミス」+「調剤ミス」の二種類が存在する。
院外の場合、仮に「調剤ミス」が院内と同じと仮定しても、
処方する訳じゃないので、新たに処方ミスが発生することはない。
(処方ミスを見抜けない可能性はあるけどね)
よって、院内調剤よりも院外の方が、より安全性が高い、と結論できる。
あぁよかった。(苦笑)
まぁ、どこまで処方ミスを発見できるかは、それこそ薬剤師の腕に
かかっているところがあるんだけれども。
それでも、ノーチェックよりはナンボかマシだろう。
.
かなり昔にも書いたことあるけれども、
院外処方にすると、処方せんは一番近い薬局だけに行く訳じゃない。
ある程度は、地域の薬局に散っていくことになる。
そうすると、医療機関は、たくさんの薬局と付き合う必要がある。
その医療機関オリジナルの変な処方を出すと、
あちこちから疑義照会がかかってくることになる。
これ、院内だったり、一番近い薬局だけだったら対応は楽だけど、
処方せんが散ってしまうと、全ての薬局に説明が必要になる。
つまり、地域の薬局全てに「自分とこの病院がやってる処方」ってのが
丸分かりになり、チェックされることになる。
そうすると、やっぱりあんまり変な処方は出しにくくなるよね。
まぁ、この辺を深く考えずに院外処方にしてしまって
「薬局うざいなー」と感じる開業医の先生もいるんじゃないかと思うが、
「自分の処方がチェックされる」というのが、まさしく「医薬分業」という
ことなんだ。
.
薬局の一番重要な機能は「処方せんのチェック」なんだが、
これって傍から見てると非常にわかりにくい。
問題のない処方の時は、時間かかんないもん。
ほぼ一瞬、一目で済んでしまう。
そりゃ、仕事しているようには見えないわな。
その「一目」で「問題があるかどうか」を判断できるのが薬剤師、
ってことなんだけどね。
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「('14~16)仕事(薬局)」カテゴリの記事
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コメント
処方ミスがどれだけ存在するのかデータがなくてわかりませんが、全国の院外薬局に使う経費がそれに見合うものなのかは疑問です。医療費が有り余っているならやるべきですが、国民皆保険が危ない赤字の状況でそこまでお金かけるべき?必要なの?
処方ミスと言っても色々です。
リスクとベネフィットを天秤にかけて敢えてリスクのある処方をされてることもありましたし、それを承知してると患者が言ってるのに無駄に怖がらせる薬剤師は時間とお金の無駄でしたよ。
どんな薬でも副作用はあるし、患者でも医療関係者の本を買えますしよほどの新薬でなければ正しい情報は手に入ります。自分や家族の事だから真剣です。
だいたい処方ミスする変な医者は限られていて、そういったクリニックは皆敬遠して通院しなくなるし、自然淘汰されてます。
このブログでは、患者を何にもわからない赤ちゃんみたいな扱いで、見くびっておられる気がします。
私は院外処方になってから(院内に比べて)薬局までわざわざ足を運ぶ時間と無駄に増えた自己負担がとっても迷惑です。
あの院外薬局の仕事内容なら調剤料はもっともっと安くするべきです。
そのかわり処方ミスを見つけたら薬局はクリニックからぺナルティもらうと良いと思います。
投稿: 調剤料 | 2014-12-22 11:49
>調剤料さん
全ての処方せんの疑義照会率は、全体の3%弱、だそうです。
そのうち、処方変更になるのは6割から7割、との調査結果が
あります。(日本薬剤師会調べ)
もっとも、それこそ誰でもわかるレベルの記載ミスも
含まれていると思われますので、その辺は差し引いて考える
必要があると思いますが・・・
処方ミスとしては、全体の2%前後というところでしょうか。
これが、多いと考えるか少ない、と考えるかは立場によります。
自分が患者さんの立場であれば、少ないと感じますね。
自分に当たる可能性はめったにありませんから。
逆に、薬局から見ると、「多い」と感じます。
毎日のようにミスが発見される訳ですから。
ちなみに私の今の職場だと、5%くらいありそうです。(苦笑)
これは、近隣の医師の考え方が影響してましてね、
その医師は「薬のことは薬局に任せる」という考えなんです。
だから、併用薬もろくにチェックせずに出しているので
しょっちゅう処方変更のお願いをすることになります。
では、その医師が敬遠されているか、というと
そんなことはないんですよ。ある意味、名医です。
薬のことに神経使わない分、他が優れているんですよ。
「医薬分業」をうまく利用している先生だと思います。
処方ミスを見つけたらペナルティ、方式だと、
この先生のとこ、つぶれます。w
実際、この病院は院内で調剤していた頃よりも、
院外に出した今の方がよっぽど流行っています。
まぁ、ある意味極端な例ですけどね。
>患者でも医療関係者の本を買えますしよほどの新薬でなければ正しい情報は手に入ります。
医療関係者だと、逆にそんなこと言えません。
本に正しい情報が書いているとは限りませんからね。(苦笑)
勉強すればするほど、何が正しいのかわからなくなる世界です。
海外の論文を読みこなす薬剤師もそこそこいますよ。
・・・私は年に一本読むかどうか、ですけど。(汗)
>患者を何にもわからない赤ちゃんみたいな扱いで、見くびっておられる気がします。
みんながあなたのように勉強している患者さんであれば、
確かに薬剤師の必要性は低くなりますね。
でも、現状そうじゃないんです。
お薬手帳を持っていない患者さんに併用薬を尋ねて、
薬の名前がきっちり返ってくる確率は・・・
1割あればいい方です。
自分の服用している薬の名前すらわからない人が大半です。
患者さんに「血圧の薬」と言われても、私は信じません。
後で手帳確認したら血圧の薬じゃなかった、なんてこと
ざらにありますから。(苦笑)
確かに、ひどい薬局があることは事実なんですけど、
自然淘汰されればいいだけの話じゃないでしょうか?
最後に。
私は薬剤師ですが、院内調剤と院外処方を選べるのなら、
院外にしますね。
院内だと、薬が限られていて選択の余地がないんですよ。
自分とこで使っている薬しか出してくれませんからね。
特に、小さなクリニックだと。
その点、処方せんだと原則何でも出せますし、
ジェネリックにするも先発品にするも、患者の自由です。
薬の知識があったとしても、院外処方のメリットは
結構大きいんですよ。
投稿: kitten | 2014-12-24 00:14
薬のことは薬局にまかせて併用薬も考えずに処方する医者?!
もし、そんな医者が存在するのなら、そんな人物はそもそも処方してはいけません。
そんな医者をスタンダードで考えたらダメでしょう。
院外処方の迷惑なところに在庫が無くて再度取りにいかなければならないところがあります。
これはしばしばあります。前回と処方が変わると必ずといっていいほど在庫なしです。
またここに来なくちゃいけないの?と憂鬱です。
院内では在庫が無ければ次の診察日を調整してくれたり近所だから事務員さんが持ってきてくれたりしました。
院外だとたとえ在庫があったとしても20分くらい平気で待たされます。
今まで院内だと5分以内で会計とお薬貰えてたのが、院外だとそれから薬局まで出向く時間プラスお薬の調達と会計に20分以上待たされます。
院外処方は時間もお金も負担が増えて患者迷惑と感じています。
投稿: 調剤料 | 2014-12-25 11:38
ご意見を拝見していて一つ思うところがあるのですが、
院外処方にするか院内処方にするかはそもそも病院が
判断するのであって、薬局が決めるものではありません。
あくまで、その病院の判断です。
大病院であれば一個人の医師の判断ではできるものでは
ありませんが、個人の診療所であればで院外処方にするか
院内処方するかはその開設医の判断になりますよね。
ですので、なぜ、院外処方にしたんだ?という怒りは医師に
ぶつけるべきであって薬局にぶつけてもどうしようもありま
せん。
院内処方の方が良い、と言う患者の声が強く、医師が
院外処方のメリットを感じないのであれば、院内処方
に戻るでしょう。
医薬分業が進んだといえど、分業率が100%になっている
わけではありませんから院外処方にしている、ということは
まず、その病院(医師)が院外処方のメリットを感じている
ということです。
診察を受ける際になぜ院外処方にしたんだ?と聞いてみては
いかがでしょう。
投稿: とおりすがり | 2014-12-25 22:24
私の怒りの矛先は医薬分業を進める厚生労働省かもしれません。
今まで院内処方では調剤や処方にコストがさほどかかっていなかったのに医薬分業になった途端に高すぎる調剤料や処方料を支払うシステムになっていることに対する不満です。
カルテの字が読めて間違わずに数を数えて正確に袋詰めしてくれたらいいだけのお仕事に何故そんなに高いお支払いが必要なのかと思います。
もちろんダブルチェックはお金があればやるに越したことがないけど、健康保険が赤字なのに莫大なお金かけてするべき事じゃないと思いますよ。
開業医も院外処方を選ぶ方が儲けが多くでるよう厚生労働省が誘導しているみたいですから院内処方にしているクリニックを捜していますがなかなかです。
投稿: 調剤料 | 2014-12-25 22:50
>調剤料さん
2つのエントリで平行して議論すると読みにくいので、
こっちにまとめてコメントしますね。ご了承ください。
まず、最初に一番の肝に関してなんですが、
「健康保険が赤字なのに、莫大なお金かけてするべきか?」
ってのが、一番の主張ですよね。
実はここに関しては、薬剤師としても痛いところなんです。
その主張は、十分「アリ」だと思っています。
薬局は、重複処方のチェックやジェネリックの推進などで、
医療費を削減している部分もあるんですが、焼け石に水と
言えなくもありません・・・。
あとは、医薬分業のメリットとデメリットの比較になります。
安全性に関しては、間違いなく分業の方が上です。
調剤料さんは、医師や病院に非常に厳しい一方、
薬局や薬剤師には(逆に)甘い、と感じます。
逆説的ですけどね。
例えば、前エントリのコメントですけど、
>処方ミスする医者はミスする時点で既に名医でないことは明らかですが、いい加減な性格だからいずれボロがでて患者が逃げます。
現実には、そんなことはありません。
ってか、ミスしない医師なんて現実世界では存在しません。
>禁忌の薬を出していたら医療ミスを引き起こして撤退だし、変な処方してたら保険者から必ずペナルティが取られますから経営も厳しく撤退となるでしょう。
そのようなこともほぼありえないです。
よっぽどじゃない限り、そんな事態は発生しません。
そんな理由で撤退した病院、聞いたことないですよ。
実は、保険者から病院へのペナルティ(減点)って、
薬局からもある程度分かります。経営に問題が出るほどの
ペナルティは、よっぽどあくどいことしてない限り、
ありえないです。
医師がミスを頻発するだけで病院がつぶれる、と
言っている一方で、薬剤師には・・・
>処方ミスを見つけられなくてもペナルティ無い
そんな訳ないでしょ。(苦笑)
医師の誤診と同レベルのペナルティありますよ。
そんな「いい加減な服薬指導をする薬局」や
「処方ミスを見つけられない薬局」は、つぶれると
思いませんか?
いや、つぶれない、と思われるなら、
同じ理由で処方ミスを連発する病院もつぶれませんよ。
なぜ薬局にそんなに甘いんですかね?
こっちのエントリで示したとおり、安全性は間違いなく
上がります。平均2%の処方ミスを止められるのは薬剤師だけ
ですから。
事務員が正確に調剤しても、処方そのものが間違っていれば
どうしようもないですよね?
調剤料さんは、医師を過大評価、薬剤師を過少評価しすぎ
ています。
医師の専門分野に関しては、医師の方が薬の知識は上ですが、
専門外の分野では、薬剤師の方が上ですよ。
薬局に処方を相談する医師も珍しくありません。ってか、
変な処方出すくらいなら最初から相談してくれたほうがマシ。
今の医療は高度になりすぎているので、
医師が一人ですべてを抱え込むと成り立たなくなってきてます。
他に任せられる仕事は、任せてもいいんじゃないですか?
私が紹介した「併用薬ノーチェック」の医師はさすがに
極端な例ですが、チェックしても見落とす医師はたくさん
(本当にたくさん)います。平均的なところで言うと
「併用しても大丈夫だと思いますが、念のため薬局でも
確認してもらってください」という医師が多いです。
あとは、安全にかけるコストをどれくらいにするか、
という話です。これは、どんどん高くする傾向にあります。
世の中が、そういう方向に向かっている、ってことです。
いや、それでいいのか?という問題提起は、
最初にいったように「アリ」です。
あとは、再確認ですが、
「カルテの字が読めて間違わずに数を数えて正確に袋詰めしてくれ たらいいだけのお仕事」
薬剤師の仕事はそんな仕事ではありませんので。
ダブルチェックが必要なければ、2%の処方ミスは患者さんが
かぶります。それでいいのなら、仕方ないです。
調剤料さんはそれでいいのだと思いますが・・・、
投稿: kitten | 2014-12-26 01:16
もし負担金5割だったらいい加減な服薬指導の院外処方薬局は潰れるところ出るんじゃないですか?
今、負担金が安いから服薬指導サービスの良し悪しについて誰も問題視しないしレベルの低い薬局が潰れることもないと思います。
私は薬局の調剤料や管理料の代金が仕事の内容と比較して高すぎるのが問題だと感じているのです。
医者の処方ミスについては命に関わる事ですから次元がちがいます。
ミスするクリニックは負担金がたとえ0割でも私は行きません。だから潰れると書いたのです。
質問ですが、禁忌薬の処方ミス等をした場合、保険者から処方した病院に薬剤全額をマイナスするペナルティがあるようですが、処方をうけた薬局も何割かマイナスされるのですか?
投稿: 調剤料 | 2014-12-26 09:37
>調剤料さん
薬局の場所や形態によるところが大きいですね。
例えば、近隣の病院を一つも持たないような薬局、
逆に、大型病院で門前に薬局が複数あるようなところは、
常に競争に晒されているので、あっさりつぶれますね。
クリニックと完全にマンツーマンの薬局だと、
レベルが低くても簡単にはつぶれないんでしょうけど・・・
それって、分業する意味あるのかよ、と思います。
レベル低いとこだと、確かに仕事内容と報酬があっていないと
思われても仕方ないですね。
>ミスするクリニックは負担金がたとえ0割でも私は行きません。だから潰れると書いたのです。
ミスしないクリニックは・・・ないですね。
もちろん、深刻度や頻度は異なるでしょうけど。
どんな名医でも、ミスすることはありえます。
逆に、ミスをする医師であっても、別の患者さんから見れば
「名医」ってことも多々あるんですよね・・・。
さて、質問の件ですが、禁忌を処方したくらいではペナルティは
何もないですね。保険適応の異なった薬を処方した場合、
「減点」といってその分の支払いがなされないことはあります。
この場合、病院から減点されます。薬局では保険病名がわからないので、防ぎようがないことがあるからです。
ただ、この辺は経営上問題になることはありません。
薬剤料の減点といっても、せいぜい数千円程度ですから。
度重なると、指導や監査が入って保険者にお金を
「返還」となりますが、これは病院も薬局も同じです。
ただ、保険者が気にしてみているのは、
「不正請求しているかどうか」であって
不注意によるミスに関してはさほど厳しくありません。
その辺は、患者さん個々との対応になりますね。
最悪の場合、訴訟になるでしょう。そうでなくても
お金で示談、なんて話もありそうです。
この場合も、薬局も病院も責任は免れません。
実際、誤った処方により生じた健康被害は、
処方医と、それを通した薬局の双方に賠償責任があります。
これも実例があったはずです。
投稿: kitten | 2014-12-28 00:35
私が「ミスする医者」と書いたのは薬を処方する時に禁忌薬や副作用について勉強不足かつ調べる手間を怠って間違った処方のまま薬剤師に丸投げする医者という意味です。
決して診断ミスや判断ミスをしない医者という意味ではございません。
そんな事言えば世界中でミスしない医者など1人もいませんよ。
現実に自分の処方をろくにチェックせずに薬剤師さんにお任せする医者を私は見たことありません。
我が家のかかりつけは近くの小さな地味なクリニックですが先生は薬の説明に時間をかけるし丁寧です。
血液データがおかしいと薬だけでなく健康食品の事まで詳しくチェックしてきます。
薬同士だけでなく食べ物とお薬の飲みあわせの表やらプリントも豊富にあり、渡されて次回には覚えてるかクイズされます。
新しい薬を出す時は本棚から薬の本を出してきて該当ページを確認してから(笑)説明があります。
その本は書店で売られているので我が家でも真似して毎年1月に購入しています。素人がみても分かりやすい本で重宝しています。
日本中の医者が薬剤師さんに丸投げ責任感の無い医者だと思わないです。
投稿: 調剤料 | 2014-12-28 10:44
>調剤料さん
コメントありがとうございます。
素晴らしい先生に会われてますね。
また、それで勉強される患者さんも素晴らしいと思います。
そのような関係が築けるのなら、
確かに薬剤師の出番は・・・ないとは言いたくないので、(苦笑)
少なくてすむよなぁ、と思います。
ただ、どれほどの名医であっても、ミスはあるんです。
思い込み、勘違い、書き間違い・・・。この辺は、
どれだけ勉強していても、なかなか防げるものではありません。
薬剤師は、病院のミスをたくさん見ているので、
そういうものだ、ということを経験で知っています。
また、自分達だって決して完璧ではありませんしね。(汗)
自分の出した処方くらい、ちゃんとチェックしてくれ、
っていうような疑義照会が実際に多いんですよ・・・。
お互いの見ている世界が違いすぎたので、
なかなか、話がかみ合わなかったのかなぁ、と思います。
貴重な話をありがとうございました。
もっともっと、精進しなきゃいけませんね。
投稿: kitten | 2014-12-29 22:36
薬剤師の立場からしては調剤料さんのおっしゃることは
受け入れがたいものがありますが、一理ある意見ではあ
りますね。
名前の「調剤料」を見ても薬剤師に言わせれば「ただ取って
いるだけじゃない」といいたいところですが、無資格の医療
事務にやらせている薬局だってある(違法かどうかの議論は
さておきこのような薬局は実際にある)わけですので、「ただ
取っているだけ」の薬局が多いのが実際のところでしょうねえ。
これでは、薬剤師の私ですら、調剤料さんの言うことの方が
正しいと思ってしまいますねw
投稿: とおりすがり | 2015-01-01 02:01
理想論、というか都合よく語りすぎだと思います。
医師は全員が治療から薬から健康食品まですべてを把握するべく努力をしていて、知識も豊富でミスも絶対にしないから処方変更の必要など有り得ない。
患者も医師の言うことを信じるだけでなく、皆が自分の薬の特徴をしっかり調べきってから服用している。
薬剤師は全員が薬を詰めて渡すだけで一切何もしていない。
そういう極端なケースだけを想定して自説を主張するほど都合の良いことはありません。
実際の処方される内容はそんな理想とはほど遠いところにあります。
喘息の方に禁忌な薬を平気で出してきたり(風邪薬とかの明らかにその薬でなくてはだめな必然性のないものも含めて)、散剤の体重計算が10倍ズレてることなんて珍しくはありません。
疑義すりゃ「あ、じゃあ変えて」なんてのは普通のことです。どこの県に転勤しても必ずそういう医師はいます。
大多数の患者は自分の飲んでる薬の名前すら覚えていません。ARB系とかまで把握して禁忌の組み合わせまで調べてる人なんて皆無ですよ。
東日本大震災で避難所を回ったけど、皆さん自分の薬を色ぐらいでしか覚えてなくて大変でした。
理想は第3者のチェックなんぞ不要、でも現実はそうでもない、というのが現状でしょう。
投稿: AAA | 2015-01-05 22:45
薬剤師さんのチェックが必要無いとは書いてませんし思ってません。
お金があればするべきです。
でも毎月保険料たくさん払っても保険が赤字財政ですよね。
調剤料や管理料が仕事内容に比べて高すぎることを実感して問題にしているのです!!
これ1割だから皆気付いてないだけで、十割だったら文句がでますよ。
もっと妥当な料金に値下げしないとダメです。
財政が豊かならミスを撲滅するために、いくらでも大盤振る舞いすればいいけど。
手間のかかる説明とか薬によって調剤料プラスしたり処方ミスを見つけたら医療機関から差し引いて薬局へプラスするなどするべき。
投稿: 調剤料 | 2015-01-07 11:57
調剤料さんのご職業は?
こんなところで噛み付いていてもしょうがないでしょ。
投稿: とおりすがり | 2015-01-07 21:55
もう少し休みたかったのですが、ちょっと雰囲気があれなので。
>1つ上のとおりすがりさん。
職業なんて議論と関係ないでしょう。
あなたのコメントの方が無意味です。
>もう少し上の通りすがりさん
無資格調剤については、色々ありますが、
基本的に、今回の問題とはあまり関係ないと思っています。
調剤補助として使っている薬局はあると思いますが、
薬剤師が処方せんをチェックしない薬局は、さすがにない
(あってもごく少数)と思われるからです。
>AAAさん
私も同じように感じましたが、これはある意味仕方ないです。
調剤料さんは、あくまで「一人の患者さん」に過ぎないので、
自分の周りの環境しか見えません。
これは別に批判している訳ではなくて、事実としてそうだから
仕方のないこと、と捉えてます。そりゃ、調剤料さんの周りの
環境からすれば、薬剤師はろくな仕事してない、となるでしょう。
疑義照会率2,3%にしても、患者さんと薬剤師で
感じ方は全然違いますよ。1ヶ月に1回しか受診しない患者さん
なら、4年に1回あるかないかのペース。しかも、その内容も
必ずしも深刻なものではないですからね。
薬剤師から見ると、逆に「日常茶飯事」になってしまうん
ですけどね。
>調剤料さん
あなたの主張は理解していますし、
そう考えられる背景も分かりました。
辛らつなご意見ですが、一理はあると思います。
ただ、それがほかの人たちに受け入れられるかどうか、
というと、それはそれで難しい問題じゃないかな、と思います。
例えば、私は新薬開発なんてもはや必要ないんじゃないか?
とまで考えています。コスパ考えると、割りにあわないんですよ。無駄に医療費が高くなるだけで。
医療が進歩しているから医療費が高くなっているんです。
進歩をやめれば、医療費の高騰は抑えられるでしょう。
薬剤師叩いて医療費下げるより、よほど大きな削減です。
高度な医薬品の輸入は、日本の貿易赤字の一因、とまで
言われていますしね・・・。
でも、この意見はおそらく支持されることはないでしょう。
私は自説に(それなりの)自信を持っていますけど、
それが支持されるかどうかは全く別ですね。
たぶん、製薬業界にはそっちにしか分からない事情が
あるんでしょう。それこそ「現場を知らないヤツが適当な
こと言ってんじゃない!」って思われるかも知れません。
同じように、調剤料さんには、わからない、理解できない事情が、山ほどあるってことを考えていただければ幸いです。
これをいちいちここで説明するのは、ものすごく膨大な時間と
手間がかかりますので、これ以上やるつもりはありません。
「薬剤師は報酬に見合う仕事をしているように見えない!」
という患者さんからの意見は、貴重なものですし、
私たち、薬剤師の側も理解してもらえるよう精進すべきです。
しかし、それにかわるシステムを考えるには、
医師や薬剤師を相手に議論するには、
調剤料さんは医療や保険に関して、まだまだ勉強不足です。
いや、ただの患者さんなんだから当たり前ですけどね。
投稿: kitten | 2015-01-07 23:03
さすがKittenさん。気持ちわかってもらえてすっきりしました。
毎月処方箋薬局を利用する一個人の意見ですが、あの値段設定に現場の薬剤師さんは仕事内容に比べて報酬高すぎると疑問を持たないのかなと思って問題提議しました。
薬や病気の事に関心があるのでこれからもKittenさんのブログ楽しみにしています。
どうぞお気を悪くしないで下さい。
投稿: 調剤料 | 2015-01-08 01:24
薬剤師の立場からもうひとつ言わせていただくならば、
>あの値段設定に現場の薬剤師さんは仕事内容に比べて
>報酬高すぎると疑問を持たないのかな
この点ですが、おそらく疑問をもたないでしょう。
薬局に行かれるんなら分かると思うんですが、薬局って
いっぱいコンピュータが並んでますよね。
基本、報酬の計算はコンピュータで計算しますので、
薬剤師であっても報酬計算の内訳を詳しく理解でき
ている人は非常に少ないです。
昔は手で計算していたから理解できていて当たり前
だったらしいですけどね。
ここは医師も同じじゃないかな?
報酬がいくら?なんて意識している薬剤師って
皆無と思ってもらってほぼ間違いないと思います。
投稿: とおりすがり | 2015-01-10 00:05
>ひとつ上のとおりすがりさん
これは、立場によりますね。
経営者(たとえば個人薬局)であれば、診療報酬は
「がっつり」意識しているはずです。
勤務しているだけの薬剤師は、気にしてないでしょうが。
これは病院も同じことですね。
投稿: kitten | 2015-01-12 14:38
言われてみればごもっともな話ですね。
確かに、経営者(個人薬局でなくともチェーン店でも薬局長
レベルの人間)であれば、診療報酬は「がっつり」意識して
いるでしょうね。
ただ、意識していると言ってもあくまで損益の観点からで
あって、その報酬を頂くにあたって十分な仕事をしているか
と言う観点からではないと思います。
例えば、薬剤服用歴管理料は410円になりますが、410円も
らうに値する仕事をしていると自信をもっていえる薬剤師
ってどれだけいてるんでしょうか?ってことですよね。(そもそも
410円もらっていると知らない薬剤師もいますけどね)
まあ、実際に聞いたら皆「してます」とは答えるんでしょう
けど、それが患者さんから見てどうなのか?
調剤料さんと薬剤師の話がかみ合わないのもこの辺が原因
でしょう。もっとも私は410円じゃあ少なすぎる、と言いた
いですがね。
厚労省が410円と決めているから、では患者さんは納得する
はずがない。410円分の価値があると思ってもらわないと
だめです。具体的にどうするの?と言われても困りますが、
kittenさんの言うとおり「私たち、薬剤師の側も理解して
もらえるよう精進すべきです。」しかないですね。
投稿: ひとつ上のとおりすがり | 2015-01-13 00:50
少し思ったのですが、薬局は多くの病院から処方箋を受け付けるので、同じような効用でも薬品在庫数は多く必要で、実際多く持っているはずです。
院内処方は、1つの病院のみ相手にするので同じような効用なら医師も配慮して薬品数は少なくても済むはずです。
つまり違う薬を渡してしまうという事象は同じでも、発生する可能性は院外の方が高くなると思います。
もちろん医師に対するチェック部分は無視してでのことですけど。
投稿: てぃーす | 2015-02-05 23:20
>てぃーすさん
コメントありがとうございます。
ほとんど一つの医療機関からしか処方せんを受けない、
いわゆる「門前薬局」だと、院内と大差ないと思いますが、
私の職場のようにたくさんの医療機関から処方が来る薬局だと、
おっしゃるとおり過誤が多くなります。
「採用薬品の枠にとらわれず、色々な薬を使える」という
院外のメリットの裏返しですね。(苦笑)
色々な薬があるがゆえにミスが増える、と。
投稿: kitten | 2015-02-07 16:23