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山中選手へのお詫びと、応援

 昨日紹介した、薬剤師国家試験の問題だが、
マサさんが、実際にあった事例を元にした問題だ、とコメントをくれた。

調べてみると色々でてきたが、薬剤師であるアポネットR研究会さんの
記事がまとまっていてわかりやすいと思うので、リンクしておく。

「ラグビー元日本代表候補が市販塗り薬で2年間の資格停止処分に」
http://www.watarase.ne.jp/aponet/blog/110810.html

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 さて、昨日の記事についてお詫び。
「そんな実務ある訳ないだろ」とネタにして笑い飛ばしましたが、
これは、ほぼ実際にあった事例であり、非常に不適切でした。
 山中選手は、おそらく店頭で男性ホルモン含有の軟膏
(ミクロゲン・パスタ)を購入したと思われます。
実際に被害者がいる以上、笑い飛ばしていいネタではなかったと思います。
実際に、「そんな実務」が発生していて、かつ、薬剤師が
適正に対処していれば防げたかも知れなかった訳ですから。

 少なくとも、笑っていい話ではありませんでしたので、お詫びいたします。

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 実際にドーピングに対する資料を調べてみても、
男性ホルモン含有軟膏は、使用しないこと、と書かれてあった。

 おそらく、私がドーピング検査をなめてたところがあったんだろう。
本当にごく微量の男性ホルモンでも「検出」できてしまうんだ。
まぁ、実際にそうでなければドーピングを防ぐことができないので、
当たり前といえば当たり前。

 薬物由来の男性ホルモン(メチルテストステロン)は、自然のものと
違うので、相当な感度で発見されてしまう、ようだ。
また内服や注射だと、ほぼ100%ドーピング目的、と言われかねないほど、
「危険」な成分であることも、重要。

 その辺を勘案すれば、外用薬であっても、売ってはならないのは当然、と。

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 日本においては、ドーピングはそれほど問題にはなっていない・・・と思う。
が、逆に「うっかりドーピング」、ドーピング目的ではないけれども、
結果としてドーピング検査で陽性反応が出てしまい、選手が処罰を受ける、
という事態は多発している。

 そう考えると、薬剤師の果たす割合は小さくない。

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 実際にあった事例、最近の話であるので、ミクロゲンパスタは
薬剤師による対面販売で販売されたと思われる。
ミクロゲンパスタは微妙な薬ではあるけれども、
きちんと「ドーピングにひっかかる可能性がありますよ」と
情報提供できていれば、山中選手は助かった可能性が高い。

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 さて、そう考えると今回の国家試験の問題は、
「面白い問題」というよりは「良い問題」と言えると思う。
今回、試験を受けた人たちは、
「男性ホルモン含有軟膏はドーピングに引っかかる可能性がある」ことは
頭の片隅にインプットされただろう。

 また、これから国家試験を受ける人は、過去問で勉強するのが普通。
ってことは、今後5年から10年は、この問題が受験生の目に触れることになる。
インパクトのある問題だから、覚えやすくもあるだろう。

 二度と、同じ悲劇を繰り返してはならない。

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 山中選手は2年間の出場停止期間が空けてから、
神戸製鋼に復帰。昨年秋には、日本代表に選ばれている。
11月、マオリ・オールブラックス戦で代表デビューを果たしている。

スポーツナビで、山中選手に関するコラムがあったので、
リンクしておく。

「空白の2年」を経て成長した山中亮平代表復帰
「僕だけの経験をプラスに」

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/sports/rugby/all/2014/columndtl/201409260001-spnavi

 ・・・さすがに、ラグビーには詳しくないんだけど・・・
薬剤師みんなで、山中選手を応援してあげてもいいんじゃないかな?
特に、今年、あの問題を解いて合格した人たちは。w

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コメント

バレーボール女子日本代表の大野果奈とか、柔道女子日本代表の緒方亜香里と田知本遥などが今まさに話題ですね。

ただ、非常に高いレベル(日本代表とか)のアスリートであればドーピングに関わる知識はある程度あって当たり前ですし、こうならないようにメディカルチームを組んでるはず。

よっぽどメジャーなアスリートだと薬局に薬買いに来たらわかるんでしょうが、誰だかわからないのが普通じゃないかな。

この件も、残念ですが、本人のアスリートしての自己管理が
なってない、ということになるのではないでしょうか。

まあ、将来のメディカルチームの卵もいるでしょうから試験の問題としてはこういうのがあってもよいでしょうね。

投稿: とおりすがり | 2015-03-11 22:10

 基本は自己責任なんですけどね・・・。
実際、対面販売が義務付けられていない薬でもドーピングに
引っかかる薬は色々ある訳だし。
 ただ、時期的にちょうどネット販売が許可されていない時代の
1類医薬品なので、ほぼ確実に対面販売のはずでして、
それなら薬剤師が止めるチャンスはあったんじゃないかと思うと
残念でならないんです。
 ドーピングの相談は、時々(年1回くらい)はあるでしょうか。
とりあえずJADA(日本アンチドーピング機構)のサイトで
検索すれば、何とかなるって覚えてます。

投稿: kitten | 2015-03-12 22:44

上から目線うざ

投稿: あ | 2015-03-25 20:07

>あさん

 それは申し訳ございません。よろしければ、もう少し具体的に、
「ここが、こういう風に上から目線だ!」と指摘していただけると
ありがたいです。
 改善できるのなら改善したいんですけどね・・・。

投稿: kitten | 2015-03-25 22:58

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