第3の道ってないか?
Yahooニュースより。
医薬分業「院内薬局」規制をめぐる議論 患者の利便性vs「分業」効果
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150405-00000549-san-hlth
.
昨年から問題になっているんだけれども、
医薬分業の規制緩和についての記事。
現行の規制では、病院と薬局は、物理的に構造上別であるべき、
というものだったんだけれども、これが徐々に緩和されつつある。
経済的に独立していればいいんじゃない?という議論。
病院のすぐ前に開業している薬局を「門前薬局」というが、
それに対して、病院の敷地内に作ってしまえ、というのが「門内薬局」
それでもいいんじゃない、という声があがってきたところで、
さらに一歩進んで出てきたのが病院の中に調剤薬局を作ってしまえ、
という「院内薬局」。
病院の中に、コンビニとか、喫茶店とかあるところもあるじゃないか。
あれと同じように、薬局作ってしまえばいいんじゃね?と。
それに対して、賛成派の規制改革会議委員と
反対派の日本薬剤師会にインタビューしている記事なんだけど、、
ぶっちゃけ、記事そのものはどうでもよい。(苦笑)
.
面白いのは、コメント欄で、相当な数のコメント数がついているが、
これがまぁ、「医薬分業」に対する不満であふれている。
薬剤師としては、コメントを読むと気持ちが落ち込んできたり、
また反論したくなったり、とネガティブな感情であふれるんだけど、
それでも、これ、薬剤師は読んでおいた方がよいと思うよ。
「自分達は、世間からこう思われているんだ」ってのがよくわかるから。
.
「体調悪いのに病院に行って、そっからまた離れた薬局に行くのは面倒」
「医薬分業になったら、支払い総額が高くなっている」
「薬局で質問受けるけど、なんで?医師に言ってくれよ」
「プライバシーが保たれていない」
「近くの薬局でないと、結局薬がないことがある」
「かかりつけ薬局、っていっても、結局近くの薬局でみんなもらう」
などなど。
.
これは、実際に薬局で仕事している薬剤師としては、
大いに反論したいところだろうね。実際、薬剤師と思われる人の
コメントも散見される。(苦笑)
患者さん、というか、国民の側の認識不足、認識違いによるところが大きい。
薬局薬剤師から見れば、「こんなにがんばって仕事してるのに・・・」と
どうしても思ってしまう。実際、大多数の薬剤師が頑張ってるのにね。
その、認識の差が激しすぎる。
.
でも、これは、薬剤師側の問題、だと思う。
自分達の仕事ぶりを、国民に訴えてこなかったツケだ。
現場の一薬剤師でできることはほとんどないんだけれども、
それでも地道にやっていくしかないだろうよ。
.
ただ、本当にそろそろ医薬分業は見直さなくてはいけない、とも思う。
やっぱり、制度としておかしなところはあるんじゃないかと・・・。
門前薬局行くくらいなら、門内の方がよくないか?
門内がいいんなら、病院内薬局でもいいじゃない?
いや、それくらいなら、処方せん出す必要すらないでしょう??
そう思われてもおかしくないんじゃないかな。
私から見ると、病院の門前薬局が、規制緩和に反対するのは、
いや、そりゃ既得権益にしがみついてるだけでしょ、って思う。
(ウチは面分業の割合が多いから。)
.
薬局といっても、門前薬局とそうでない薬局はまた違うし、
病院といっても、病院(それも大型)と、診療所では、全然話が違ってくる。
それをいっしょにして話すから、話が通じないんじゃないかな?
.
もう一つ、現場の薬剤師不足等を考えると、それこそ大病院は
院内に戻して、薬剤師を集約させて、効率を上げた方がいいんじゃないか?
同じような薬局を門前に並べて、全体として効率が悪くなっているし、
効率悪い分、お金を無駄にしてる気がするな、やっぱり。
といっても、20年以上前の医薬分業前に戻すことは、もはや不可能に近い。
欧米では医薬分業が一般的といっても、日本と欧米では異なるところも
多いんだし。日本独自のシステムがあってもいいんじゃないだろうか?
かつての「院内調剤」でもなく、現在の「門前薬局」でもない、
第3の道は・・・ないかなぁ??
これも果てしなく遠い道のりになりそうだけど、
今の制度設計で歪みがあるのは確かだから、それを何とかしないと
いけないんじゃないのかな??
| 固定リンク
「('14~16)仕事(薬局)」カテゴリの記事
- 2016年の記録とカテゴリ変更(2016.12.31)
- カルボシステインが出荷調整?(2016.11.14)
- 抗がん剤、オプジーボが大幅値下げ?(2016.11.12)
- 武田テバの失策(2016.11.05)
- エチゾラム、ゾピクロンの投与上限適用は11月から(2016.10.14)
コメント