電王戦FINALは、人類が団体戦勝利
先日、少し書いた将棋電王戦FINAL.
コンピュータ側が2勝を返して、2-2のタイで最終戦に回ってきた。
最終的には人間側が勝ったんだけど、
なんだか、非常に後味の悪い形になった。
コンピュータ側の大将、「awake」は事前のイベントで、
アマチュアに「ハメ手」で負けていた。
わざと自陣に隙を作り、コンピュータに角を打たせる。
そうしておいて、その角を捕獲することができる、という手段である。
ただし、「awake」は相当に強いので、アマチュア相手であれば、
角を奪われても勝ってしまったりするが、
さすがにプロ相手に角を奪われると、awakeに勝ち目はないだろう、と。
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とはいえ、必ずその局面に誘導できる訳ではない。
ってか、誘導できる可能性の方が低いんじゃないかと思う。
しかも、誘導できたとして、それで必ずはまってくれるか、というと
そうとも限らない。
そういう条件だったんだが・・・
プロ側大将、阿久津八段はその「ハメ手」に誘導。
「awake」は、見事にはまってしまった。
相手はアマチュアではなくプロ。それも、阿久津八段。
勝ち目がない、と悟ったawakeの開発者は、投了した。
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持ち時間はお互い4時間の将棋。
普通なら決着がつくのは夜のはずだったんだが・・・
まさかの午前中決着という結果となった。
おぃおぃ、そんなんありかよ、と。
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当然、awakeの開発者にも非難は集まった。
それに、あえてハメ手を選んだ阿久津八段にも、批判はあるだろう。
阿久津八段が、あえてその手順を選んだのは、
やっぱり、団体戦だから、じゃないのかな?
例えば3勝1敗や、1勝3敗のような形で回ってきていたら?
消化試合であれば、ハメ手は回避したんじゃないかな。やっぱり。
団体戦。しかも、FINAL。最終戦。
絶対に負けられないのであれば、一番勝ちやすい形を選ぶ。
それは仕方ないだろう。
もしawakeがはまってくれなくても、それですぐ不利になる、
という訳ではなかったみたいだし。(それも一局)
人間相手のハメ手の場合、正確に対処されると
逆に仕掛けた側が不利になるんだけどね。
今回の手は、コンピュータのクセをついたハメ手で、
かつ、かわされてもそれほど痛くない。ほぼノーリスクだった訳で。
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コンピュータソフトを徹底的に研究すると、どうしてもそういった「穴」が
発見されてしまうんだろう。今回は序盤早々のハメ手にかかったけど、
プロ側は、他にも用意していた可能性はある。
今回、人間側の3-2で終わったけれども……
もう一回、同じメンバーで同じソフトと戦ったとしても、
結果は同じになるとは限らないだろう。
一発勝負だと、勝つことも負けることもある。当たり前。
第3局、第4局も、人間がノーチャンスだった訳ではなさそうだし。
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ただ、「団体戦」という形では、今回でFINALでいいと思う。
なんか、しらけちゃったな、というのが正直なところ。
現時点で、若手の上位棋士とほぼ互角というのは分かったし。
ぶっちゃけ、名人とやっても勝つチャンスは十分ありそう。
そうなると、負けられないプロは穴を探しに行くので、
結局、公開デバッグみたいになってしまう。w
今までの感じだと、人間が勝つときは完勝に近くて、
コンピュータが勝つときは接戦から逆転、ってパターンが多いかな。
コンピュータの、一番強いところは、「メンタル」じゃないだろうか。w
人間みたいに動揺しない。人間みたいに疲れない。
終盤まで接戦に持ち込まれると、どうしても人間が勝ちにくいのは、
メンタル面の問題じゃないのかな。
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