機能性表示食品は、劣化トクホ?
今日で4月も終わり。
この4月から新たに始まった制度に、食品表示の制度がある。
新たに「機能性表示食品」が認められた。
これは、安倍政権が規制緩和の一環として進めてきたものだろう。
基本的に、薬効を謳うことができるのは医薬品だけ。
食品(サプリメント含む)だと、薬効をうたうことはできない。
で、特定保健用食品(トクホ)は、(一応)国が審査することで、
「こういう表示をしてもいいですよ」という許可をもらえる仕組みだった。
例えば、「からだに脂肪がつきにくい」とか。
正直、国の審査もかなりザルな気がするんだけど……。
それでもしないよりはマシだろう。
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今回の機能性表示食品は、国に届け出るだけ。
国は、形式のみを審査するだけで、中身を精査することはない。
もちろん、その分、トクホよりも表現が緩やか……になるんだろうけど、
消費者がその違いを読み取れるかどうかは激しく不安だ。
例えば
「この食品には、オリゴ糖が含まれます。
オリゴ糖は、お腹の調子を整えることが報告されています」とか。
これくらいの表示になるのかな?
ちなみに、トクホの一例だとこんな感じ。
「腸内のビフィズス菌を適正に増やし、お腹の調子を両校に保つ飲料です」
……これ、誰か違い分かるか?ww
せいぜい、「トクホ」のマークがつくから、トクホだとわかる程度だろうか。
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機能性表示食品の表示は、基本的に事業者責任だ。
国はその表示を全く保証していない。間違いがあったら、事業者の責任。
適当な事業者が、適当にやる可能性は否定できない。
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で、本題。松永和紀さんの記事。
「安全性が確認できない」トクホ”却下”の製品が、機能性表示食品に
http://www.foocom.net/column/editor/12585/
上記リンクを踏んでもらうのが手っ取り早いんだけど、
3行でむりやりまとめるならば、
安全性に問題がある、としてトクホの申請を却下された製品が、
機能性表示食品として申請されている。
消費者庁は中身を吟味しないので、受理された。
とまぁ、そういうことだ。
トクホでダメなら、機能性表示食品でいいんじゃね、ってことだな。
で、あとは消費者の判断に任される、と。
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なんでこんな制度を作ったのかねぇ・・・?
悪徳企業万歳にしかならないと思うんだけど。
こっから先はあくまで私の個人的な印象なんだけどね。
そもそも、健康食品って、医薬品になり損ねたものが多い。
本当に効果があるなら、医薬品になっているはずだから。
健康食品の時点で、怪しいものが多い、という。(苦笑)
で、その中からさらにトクホにすら受からないってね。
トクホはちゃんと国が審査しているとはいっても、
ヨーロッパなんかと比べると、審査ははるかにザルい。
同じ、FOOCOMさんの過去記事をリンクしておこう。
「EFSAの食品の健康影響評価は厳しすぎるのか?」
http://www.foocom.net/fs/uneyama/2537/
これは、畝山先生の記事だなぁ。
日本では当たり前のようにトクホで認められている
オリゴ糖やビフィズス菌を増やすような食品が、
EFSAではのきなみ却下されている。という内容。
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で、そんな日本のトクホからももれた食品が、
機能性表示食品で通ってしまうわけだ。
やれやれ。(苦笑)
効果がないか、というとそうとも言い切れないんだけどね。
少なくともプラセボ効果はあるだろうし。
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