肝炎治療費について
先日から話題にしている、新しいC型肝炎治療薬、
インターフェロンフリー(インターフェロン療法不要)の内服薬、
ソバルディは、来週、ついに発売される。
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で、国からの補助(肝炎公費)が出るかどうかなんだけれども、
報道を見る限りでは、問題なく公費が適応になるようだ。
とてつもなく高額なんだけどね。一人当たり薬価で500万円以上だから。
中医協の資料によると、ピークで1.9万人に投与されて、
予想販売金額が987億円と書いている。ケタ違いだなぁ……。
肝炎公費って、申請してから認定が下りるまで時間がかかる。
もちろん、申請時までさかのぼってお金を補助してくれるんだけど。
一回目(ひょっとしたら二回目)は、公費なしで、一部お金を負担してもらうことが
必要かも知れない。いや、確実に後で返ってくるんだけど。
28日分処方が出るとして、薬価だけで173万400円。
ここから、調剤料とか技術料がのってくるんだけど、
薬価がこれだけ大きいと、もはや誤差範囲でしかないだろう。(苦笑)
で、仮に、これが3割負担だとすれば、自己負担金は50万円を超える。
1割負担でも17万円超。後で返ってくるにしてもとんでもない額だ。
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ただし、70歳以上の方だと、自動的に「高額療養費制度」が適応されるので、
その人の年収にもよるけれども、一部負担金はもっと少なくてすむ。
どれだけ高くても9万円程度かな?
70歳未満だと、高額療養費制度は「自動的には」適応されない。
できれば、前もって限度額認定証の手続きをしておいた方がいいんだけれど。
その人の収入にもよるけれども、少なくとも窓口で50万円、なんてことは
ないだろう。
どうやら、高額療養費制度は、肝炎公費よりも優先されるようだ。
例えば、高額療養費制度を使って、自己負担上限9万円になったとする。
肝炎公費では、上限2万円になっているとすると……
支払う50万円の内訳は、2万円が自分のお金。7万円が肝炎公費からのお金。
残り、41万円を高額療養費制度が出すことになるのかな。
.まぁ、患者さんにとっては、「自分以外の誰かがお金を出してくれる」
ことにかわりはないんだが。
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簡潔にポイントだけ。ソバルディの発売日に70歳未満の患者さんが
肝炎公費の申請中(まだ公費番号わからない)の状態でソバルディを28錠
調剤してもらう場合、一旦は、50万円以上払う必要がある、と。
そういうことだ。(苦笑)
現金で払われても困るが、クレジットカードで・・・いけるか?
50万円以上ともなると、カードの限度額を心配する必要があるかも。
これ、薬局から返金ってこともできるんだけど、これだけ高額になってくると
やめておいた方がよいと思う。患者さんから、保健所に請求手続きをしてもらおう。
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もちろん、ほかに医療費を補助してくれる公費をもっていれば、
そっちからお金が出るので(おそらくは)無料で大丈夫だろう。
もちろん、生活保護の患者さんも問題ない・・・んだろうなぁ。(苦笑)
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しかしこれ、医療費高騰にモロに響いてくるんだけど……。
これはもう、仕方ないと諦めるしかないね。
特に肝炎に関しては。
というのは、肝炎というのは国内最大の感染症であると同時に、
肝硬変、肝臓がん、と悪化するおそれもある。
さらに、薬害肝炎事件などもあり、肝炎の蔓延には、(ある程度ではあるが)
予防できなかった国にも、責任がないとは言えない。
この辺は、肝炎対策基本法の前文に書かれている。
以下、一部引用する。
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B型肝炎及びC型肝炎に係るウイルスへの感染については、
国の責めに帰すべき事由によりもたらされ、又はその原因が
解明されていなかったことによりもたらされたものがある。
特定の血液凝固因子製剤にC型肝炎ウイルスが混入すること
によって不特定多数の者に感染被害を出した薬害肝炎事件では、
感染被害者の方々に甚大な被害が生じ、その被害の拡大を防止
し得なかったことについて国が責任を認め、
集団予防接種の際の注射器の連続使用によってB型肝炎ウイルス
の感染被害を出した予防接種禍事件では、最終の司法判断において
国の責任が確定している。
.
引用終わり(改行位置変更、強調は引用者による)
肝炎対策基本法は、平成22年に施行されている。
そのきっかけとなったのは、薬害肝炎訴訟だろう。
「薬害肝炎」(wikipedia)
.
私は当時からブログやってるので、いくつか記事を書いている。
「薬害肝炎問題、追記」(2008.1.8)
http://tukutteha-mitamonono.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_b3d4.html
この記事は、肝炎対策基本法が成立する前の記事だ。
肝炎患者のうち、「ごく一部」の人にだけ高額の金銭補償があったことに
疑問を呈している記事だな。
当時の記事を、こっちにも引用しておく。
以下、過去記事からの引用。
.
理想の形は、C型肝炎の治療費を全額無料にすることだろうが、
今の政府に、そんな金が出せるとは思えない。
超おおざっぱに計算して、一人の治療費を100万円として、100万人に補償すると、
必要な金額は1兆円になる。20年くらいかかるとしても、1年で500億円。
おおざっぱな計算だけど、桁数はそんなもんだと思う。
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当時、肝炎治療がもっと高額になることなんて、想像もできなかったなぁ。(苦笑)
全額無料とはいかなかったけれども、500万円かかるところが、3万~6万で
すむんなら、それはもうほぼ「全額無料」といってもいいんじゃないか?(汗)
当時の薬害肝炎の患者さんは、全員一律に救済されることがなかったが、
今に至っては、非常に優れた薬による医療を、国の手厚い補償によって受ける
ことができるようになった訳だ。
原告団は納得していないかも知れないが、現時点から見てみるに、
これはもう、まぎれもない勝利ではないだろうか。
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