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門内薬局はOK.院内薬局はNG

 ニュースより。

 政府の規制改革会議が、病院の中に調剤薬局(院内薬局)を作れるように
規制緩和を目指している、という話があった。
私も記事を書いたけれども、

「院内薬局とかかりつけ薬局」(2015.5.11)
http://tukutteha-mitamonono.cocolog-nifty.com/blog/2015/05/post-ffa4.html

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結局、厚生労働省は認めなかったらしい。
そのかわり、構造面での規制緩和は実現するよう。
今までは、病院と薬局の間には、病院から直接薬局に行けないように、
フェンスを設置したりとか、一回公道に出なきゃいけなかったりしたんだけど、
その規制は緩和される。

 いわゆる、「門前薬局」は、「門内薬局」になることができるようだ。

産経の記事があったのでリンクしておく。

「病院と薬局の敷地内併設容認へ」
http://www.sankei.com/life/news/150610/lif1506100009-n1.html

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 以下、一部引用

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厚生労働省は9日、病院の敷地内に薬局を併設することを認める方針
を固めた。これまで同省は「医薬分業」の一環として、病院と薬局を
同じ建物や敷地内に併設することを認めない参入規制を省令で定めて
いたが、患者の利便性を考慮して、薬局の経営の独立性確保を前提に、
敷地内に併設する「門内薬局」を認める方針に転じた。

(中略)

ただ、病院の建物内に薬局を併設するのは「母屋と店子(たなこ)
の関係になり、薬局の独立性が保てるか疑問」と難色を示しており、
敷地内の併設にとどめる見通しだ。

同省は医療費を抑制するため、複数の病院の処方箋を受け付け、薬の
重複投与を防いだり、薬の飲み合わせを確認したりする服薬指導や
24時間対応などに取り組む患者本位の「かかりつけ薬局」の普及を
促している。

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 引用終わり。

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 厚生労働省は、「かかりつけ薬局」を推進したい。
そのためには、門前薬局が邪魔だ。みんなが門前薬局でもらえば、
かかりつけ薬局制度が根付かないから。

 なので、門前薬局に対する嫌がらせ(?)として、
構造上、明らかに分離していること、という規制があり、
結果としてフェンスで区切ってあったり、一回公道に出なきゃいけなかったり、
という、状況になっていた訳。

 でも、規制改革会議の顔を立てて、そっちの規制は緩くしますよ、と。
ただ、院内薬局は、やっぱり論外。そんなことしたら、「かかりつけ薬局」
なんて成り立たなくなってしまう。

 で、この規制緩和と同時に、「かかりつけ薬局の強化を!」と頑張って
旗振りをしている、ってとこかな。

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 ただねぇ。門内薬局の調剤報酬を低く設定して、かかりつけ薬局の
調剤報酬を積み増すってのはねぇ。それで成功していないでしょう?

こないだのTVタックルでも言っていたけど、その結果として、
「門前(内)薬局の方が、安くなる」「かかりつけ薬局は、高い」
という状況を生み出すんだよ。

 結果として、患者さんはかかりつけ薬局を選ばない、という
悪循環に陥るんだけど……。この矛盾、昔っから全然解決してないよね。
そこの制度設計をしっかりしてもらわないと。
なかなか、「かかりつけ薬局」が育たないんだけど。

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 もっとも、10年前に比べると、だいぶ状況は良くなっていると思う。
ウチの薬局は、面で処方箋を受けている方だと思うけれども、
1ヶ月あたりの受付医療機関数は右肩上がりだ。
10年前は50もなかったと思うが、今は100を軽くこえている。
「かかりつけ薬局」を選ぶ人も、少しずつ増えてきているんじゃないかな。

……その分、在庫管理は大変なんだが。(涙)

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