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「グリナ」を評価してみたけれど。

機能性表示食品として申請が出ている、味の素さんの「グリナ」を評価する。

http://www.caa.go.jp/foods/pdf/A42-kinou.pdf

 先に結論を書いておく。

現時点で、私の能力では評価不能です。

 いや、それなら書くなよ、という話になるんだが。
せっかく1時間以上も調べたのを全部ボツもするのもどうかと。(苦笑)
やってみたけど、無理だった、という記録にも、
まぁ意味はあるだろう。

.

 なんで「グリナ」に目をつけたかと言うと、
機能性に関与しているとされる成分が「グリシン
これは、非常に一般的なアミノ酸である。
しかも、必須アミノ酸ではなく、体内で(他のアミノ酸から)作ることもできる。
ってか、普通にタンパク質を取れば、まず間違いなく摂取できる。

 ようは、特別に摂取しようと意識することなく、
日常生活していれば、大量に摂取しているはずの物質なのね。
極論すれば、ブドウ糖のようなもんだ。w

.

 そんなありふれた物質の機能性表示が、すごい。

「本品には”グリシン”が含まれており、すみやかに深睡眠をもたらし
 睡眠の質の向上(熟眠感の改善、睡眠リズムの改善)や、起床時の
 爽快感のあるよい目覚め
日中の眠気の改善疲労感の軽減
 作業効率の向上に役立つ機能があります。」

 これだけの機能性を謳えるってのは、すごすぎだろ。
一番単純な構造のアミノ酸なんだけどな。
そのギャップが激しすぎて、「ほんまかいな?」と思った訳だ。

 しかし、メーカーは味の素さんである。
メーカー名だけで信用する訳ではないけれども……
一般にはほとんど知られていないだろうけど、味の素さんって、
医薬品部門もあるのね。やっぱりアミノ酸製剤が多いけど。

 私の個人的イメージでは、食品でも医薬品でも
アミノ酸に関するリーディングカンパニー」である。
そんなブランドをもつ味の素が、そうそう変な商品を出せるか?と。

.

 で、この商品は、研究レビューではなくて、
自前の論文、2本を添付してきている。
この論文で評価しろよ、ってことだな。
ここで、英語の壁にぶち当たった。(苦笑)
結局、英語がマトモに読めないので苦しんでいる訳なんだけれど。

 グリシンは、ありきたりすぎて公的な情報も少ない。
ググってみたところ、味の素さんのページがヒットした。
これなら日本語だから、まぁ読めるだろ。

「いきいき健康研究所」(味の素サイト内)
http://report.ajinomoto-kenko.com/suimin/glycine.html

ここの学術情報のところに、味の素さんの研究、見解が書かれている。
これを参考にしながら、論文を読み解いていくことに。

.

 まず、一本目。グリシンが睡眠の質を改善している、という論文なんだが。。
試験は、randomized single-blinded crossover trial。
ダブルブラインドではないけれども、ランダム化はしている、と。
対照は、クロスオーバーで取っている、と。
 同じ人が、グリシンorプラセボを寝る前に(別の日に)摂取して、
その後の様子を比較する、という方法。

 ぱーーっと図を見る限りでは、有意差をもって改善されているところが多い。
睡眠に関する満足感とか、睡眠の深さや、翌日の眠気など。

 主観的なデータ(質問表の回答による)なので、それってどうなの?
というところもあるんだけどね。
質問が全て論文に書かれている訳でもないし・・・。
(グラフになってるのは、Q11,Q13,Q14。他の質問は何だったの?)
出てくるデータが全て有意差があるってすごいよね。

 逆に考えると、有意差出なかったデータを見せてないだけなんじゃないの?
という疑いが浮かんでしまうんだが。(苦笑)

.

 二本目の論文は、主に、日中の作業効率を考察したもの、かな。
そりゃ、「グリシンで睡眠の質が改善する」のであれば、
その分眠気が少なくなるだろうから、作業効率は改善する、と
考えるのは不思議ではない。

 これもざーっと見た感じだけど、かなりいいデータが取れている。
理想的といってもいいくらい。

.

 これはもう、グリシンの効果を認めざるを得ないのでは?
と思うんだけれども、私が考える一番の問題はね、

 被験者が少なすぎること、だ。

えーっと、私が読み違えていたら誰か指摘して欲しいんだけど。
一つ目の論文って、「Eleve healthy volunteers」の試験だよね。
被験者、たった11人ってことかい??

二つ目にしても、数字が読めるのは「Ten healthy male volunteers」
なんだけど、これって、10人しか試験してないってことよね。

 たったこれだけの人数の試験で、これだけの機能性を訴えていいの?
この辺の「相場」感が、私にはわからない。
だから、「現時点で私には評価できない」という結論になった。

 脳波まで取るのは人数が多いと難しいんだけどさ、
アンケートとるくらいなら、もうちょっと人数増やしてやれないかなぁ。

.

 作用機序的には、まぁ、絶対ない、と言い切れることはないかな
抑制系のアミノ酸だし、分子量も小さいし、血液脳関門を突破しても
おかしくはなさそうだし。

 とはいえ、普通に体内に大量に存在する物質、というところがねぇ。
外から3g足しただけで、そこまで効果あるのかな?という気もする。
 この辺、血中濃度とか見ても無駄だろうし。(苦笑)

 動物実験も色々やってて、それなりに結果は出ているんだけど、
ヒトに当てはめられるような量ではないので、何とも。

.

 その辺まで含めて、「評価不能」としておく。
これ、単に私の能力不足で評価できないだけであって
味の素さんが悪いわけではないので、そこんとこよろしく。

.

 じゃぁ、この商品は効果があるの?という点に触れておく。
こっから先は、私の個人的な意見なんだけどね。

 おそらく、かなりの効果が期待できると思う。

 今回の論文では、どちらも「プラセボと、グリシンを比較」
しているからデータはないんだけど、この分野(睡眠)だとね、
たぶん、プラセボだけで相当に効果があると思うよ。

「プラセボ=偽薬」の説明としてよく使われるのが、
「睡眠薬」としての使われ方だからね。
ただの乳糖を「睡眠薬」と称して処方すれば、かなり効果が出る。
つまり、プラセボ効果の高い領域、と言える。

 この「グリナ」の効果は、
プラセボによる効果+グリシンの効果、になるんだけど、

このプラセボ部分の効果がかなり高いことが予想できるだけに、
たとえ、グリシンの効果が怪しかったとしても、効果は高いだろう
ただ、この辺の言い回しは非常に難しいところである。w

 余計なこと言わない方が、プラセボ効果がありそうだからなぁ。(苦笑)

無料サンプルとかあれば、実際に服用してみたいところである。
科学的評価は、私の能力では難しかったけれども、
製品としては、十分に「アリ」という結論にしておく。

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コメント

はじめまして。
グリナについて一言。
大々的に広告を出しているので、試しにとグリナを取り寄せ服用致しました。
他の口コミサイトでも多くの方が述べられているように、私にとってもこの商品の評価はゼロ、いや、マイナス評価です。
全く効果が見られないどころか、翌朝には胃がもたれるような違和感が・・。
何を以って自信満々に広告で謳っているのか不思議でなりません。
多くの方々が効果を得られていない時点で、これは詐欺に近いとも思えます。
追記しておきますが、人によっては強い味の為、服用時に咽ったり吐いたりで嫌な思いをするかもしれません。
とにかく無駄な買い物は辞めておきましょう。

投稿: 試検者 | 2016-10-15 07:54

>試験者さん

 コメントありがとうございます。
やっぱり、効果ありませんか。そういう人も多いと思います。
自信満々に広告で謳ってるのは、そうすることによって
「効果がある」と思い込ませるプラセボ効果を狙って、
だと思います。
 味もあんまりよくないんですね。
「味の素」だからもう少しマシなのかと思ってましたが。

 効かない人は早々にやめた方がいいですね。

投稿: kitten | 2016-10-17 23:41

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