処方箋は正確に
仕事上のネタ。
処方箋に書かれる医薬品は、名称、剤形、規格等を、
しっかり書いてもらわないと、調剤する薬局が困ることがある。
とはいえ、処方を書く側の医師は、「自分の知っている薬」しか知らないので
(当たり前だw)その書き方で特定できる、と思ってるんだろうなぁ。
まぁ、ほぼ問題なく特定できるけど、実は・・・ってのもあったりする。
状況によっては疑義照会やむなしだけど、患者さんに確認して、しないこともあるかな。
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実例1)
マイザー軟膏 5本 1日数回 患部に塗布
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ま、これはさすがにあまり見ないかな?
昔、手書きの先生が書いてきたことがあるんだけど。
マイザー軟膏は、5g、10g、30g、100g、500gと包装が5種類もある。
常識で考えて、100と500は「本」では数えない。
30gは・・・これ使う先生を見たことがないってくらいマイナー。w
ただ、5gと10gはどちらも結構出るから、これでは特定できない。
5gチューブ5本か、10gチューブ5本か・・・。
と主って疑義照会かけてみたら、「5g」の間違いだったりするんだが。w
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実例2)
白色ワセリン 1瓶 適時
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いや、こんな適当な処方箋あり?って思うけど、
実際にあるんだから困る。
白色ワセリンの厄介なところは、メーカーがたくさんあって、
メーカーによっても包装単位が違うところである。
ただまぁ、医療者の常識として考えると、これは「500g」なんだろうな。
メーカーによっては「100g」みたいな包装をもってるところもあるけど、
まぁ少数派だろう。
もう一個上の包装もあって、こちらは「15kg」
さすがに、これはないだろう。ww
この例はもう、疑義照会していない。
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実例3)
ラキソベロン液0.75% 1本 便秘時 1回15滴
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内服用滴剤というかわった剤形なんだけれども、
比較的よく使われる便秘薬でもある。
さて、これも実は問題がある。知らん薬剤師の方が多いだろうけど、
ラキソベロン液って、よく使われる10mlのほか、100mlの瓶があるのだ。
処方箋で出るのは圧倒的に10mlだろうけど。
このときは、まったく知らない病院からの処方箋だったので、
疑義照会した。危うく先生につながれそうになって焦った。w
さすがに、これを医師に聞くのは怖いわ。ww
なんとか薬剤部につないでもらって、10mlと確認して終了。
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実例4)
ケンエーG浣腸液50%30ml 1箱 医師の指示通り
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これが一番厄介だった。
ケンエーG浣腸は、30mlのみ「Sタイプ」と「Lタイプ」の二つが存在する。
しかも、Sタイプは1箱5個入り、Lタイプは20個入りとなっていて、
1箱の個数が違う。(苦笑)
もっとも、1箱の個数が同じだったとしても、
LタイプとSタイプは、大きさや使い勝手がかなり違うので、
患者さんなり病院なりに確認する必要はあるんだけどね。
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基本的には、処方箋は薬価単位にあわせて書いてくれる方が間違いにくい。
軟膏なら「g」だし、液剤なら「ml」だろう。目薬は、「個」と「g」が混在するけど。
ただ、逆に薬価単位で書くとややこしいものも、ごくまれにあったりするんだが。
もうちょっとすっきり分かりやすくしてくれるといいのにね。
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コメント
白色ワセリン15kgとかあるんですね!?
知らんかったー(゚m゚*)
病院とか大量買いで使うのでしょうか
うちのところでは、100gチューブよく使います。調剤するのは楽チンでいいです。軟膏の調剤料は容器代や手間を考えると割りに合わないですからね。
使い勝手はどうなんでしょうね。人それぞれでしょうけど、衛生的にはチューブの方がいいですね。
薬剤師新人の時、イソジンガーグル1本ってきたら250mLもあるから疑義しろと、教わったことを思いだします。
投稿: なんちゃってヤクザイシ | 2015-11-14 01:46
>なんちゃってヤクザイシさん
コメントありがとうございます。
私も、15kgの実物は見たことないですが、
病院とかで予製作るときに使うのかも知れません。
あるいは、薬局製剤とか。
イソジンガーグル250mlですか。
これも実物みたことないですね。w
投稿: kitten | 2015-11-14 21:42