NHK杯、羽生が圧倒的スコア322.4点で優勝
スポーツより。
フィギュア、グランプリシリーズ最終戦NHK杯。
男子は、羽生が圧倒的な演技を見せて、ショート、フリーとも歴代最高点を記録。
合計スコアももちろん歴代最高の322.4点で、圧勝した。
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テレビに釘付けで見ていたけれども、この演技をどう評するべきか?
もはや言葉がないんだけれども。
「2015年11月28日」
この日付が、記憶されてもおかしくないくらいの演技だった。
ソチオリンピックの金メダリストが、さらに頂点を極めた演技を見せた。
もう、伝説というか、神話というか……
「神が降臨した」と言うのが一番近いかも知れない。
しばらくの間は、NHKのサイトから動画を見ることが可能なので、
見逃した人は、ぜひとも見ておいて欲しい。
違法アップロードとかじゃなく、公式で認められてるからね。
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ショートプログラムは、カナダの時よりもさらに難易度をあげて4回転2回。
4T-3Tのコンビネーションは、意外にも初挑戦だったらしい。
強さの源は、4Sの安定感だろう。4Sがショートプログラムでも使えるほど安定してる。
結果としてショートプログラムで100点を超えた。
フリーでも全てのジャンプをできばえでも大きな加点が付くレベルで跳びきった。
悪いけど、羽生のフリーでノーミス演技って、あんまり記憶にない。
ソチの時もそうだったし、だいたい、少しくらいミスがあっても問題にならない
くらいの技術点の高さが武器だったから。
ある意味「ある程度の失敗は織り込み済み」のプログラムだった訳だ。
それを完璧に演じるとどうなるか?こうなった。
技術点100点オーバー、どころか、118点。これもすごいんだけれども、
もっとすごいのが演技構成点。97.2点。
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今のルールでは、演技構成点って「100点満点」だ。
100点満点の97.2点。もう、この上ない、っていう点だ。こんな点みたことない。
もはや「神」としか言いようがないわ。w
この演技を上回れる人間は存在しえない。
羽生本人がインタビューで「絶対王者」と言っていたが……
すでに神の領域ではないのか、と。
惜しむらくは、神の降臨がNHK杯でよかったのかどうか、という。w
オリンピック、できれば世界選手権にとっておいて欲しかったな。
いくら羽生でも、そうそうこれを上回る演技ができるとは思えないんだが、
これを簡単に繰り返せるのは、もはや人ではないだろう。
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さて、2位に入ったのは中国の新星、金博洋。
(この漢字で、「ボーヤン・ジン」と発音されていた。)
この選手は4回転の鬼のような存在で、羽生も跳んでいない4回転ルッツを
余裕で跳ぶことができる。ジャンプだけなら、羽生にひけを取らないかも、と。
あくまで凡人の発想にすぎないが、
羽生がプログラムの難度をあげてきたのは、金博洋の存在が
影響していたとしても不思議ではないと思う。
オリンピックの金メダリストが、本気で叩き潰しに言った、とも言える。
結果、50点以上の差をつけて完勝した訳だが。
フリーでは技術点、演技構成点ともに20点以上差をつけた。
憧れというよりは、もはや畏怖すべき存在になってないか?(苦笑)
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さて、グランプリファイナル争い。
NHK杯には、1戦目で2位に入った羽生、金、コフトゥンの
3人が出場していて、この3人は上位(4位以上)に入れば
ファイナル出場、という感じになっていた。
結果、コフトゥンがフリーで大幅に乱れて10位となりファイナルを逃した。
最後の椅子をつかんだのは、村上大介。
日本からは、羽生、宇野、村上の3人が出場することになった。
村上って、1戦目3位、2戦目3位なんだよね。
この成績でファイナルの6人に残れるとは。
それが、ここ最近の男子の傾向なのかな。
みんな、難度の非常に高いプログラムを組んできているから、
安定感に欠ける。結果として、その日「調子の良かった選手」が勝つ。
実力的には下と見られている選手でも勝ってしまうこともあれば、
実力者が崩れることも多い。ようは「荒れる」
神様だって、たまには人間に戻ることもあるさね。
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ファイナルメンバーは恐ろしい面子だ。
羽生、チャン、フェルナンデスの「3強」に、
ジュニアから上がってきた金、宇野の若手が挑む。
村上は・・・まぁ、がんばれ。w
ただ、日本男子はファイナルよりも、全日本の方が大事かも。
今シーズン最終戦の世界選手権、出場枠は「2」しかない。
羽生は確実だろうから、実質残りは「1」だ。
宇野と村上が争うんだろうなぁ。無良や小塚は厳しいだろう。
そうすると、グランプリファイナルは、前哨戦かもね。
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さて、女子。
グランプリシリーズ連勝中だった浅田がトリプルアクセルに失敗して3位。
かわって優勝したのが宮原知子。
彼女の強さは、とにかくその安定感にあると思う。
なんというか、彼女の失敗をみた記憶がほとんどない。
NHK杯では素晴らしい演技を2本そろえて、
合計200点を超える得点で優勝。ファイナル進出を決めた。
そろそろ世代交代?いやいや、そんなことはないだろう。
浅田真央のすごいところは、トリプルアクセル(3A)を失敗しても3位にいるところ。
これ、2本とも決まっていれば優勝だったと思うよ。
今回は宮原が勝ったけれども、浅田が勝つ可能性の方が高かったと思う。
復帰してまだ間もないのに、これだけの演技をするんだからすごい。
今回、ショートでは3F-3Loのコンビネーションを回転不足なしで決めたし、
フリーのルッツのエッジも「e」(大幅な減点となるエラー)ではなくて、
「!」(出来栄え点のマイナス。注意)で止まっていたし。
練習では3Aも決まってるし。
最初の3A、3F-3Loが両方とも決まればそうそう負けることはないよ。
あとは、確率の問題だけで。
現時点では「安定感」の宮原に対する「一発のある」浅田って感じだけど、
浅田真央に安定感が出てきたら、宮原の出番はなくなるよ。(苦笑)
二人ともグランプリファイナルに出てくる。
去年ファイナルまで進んだ本郷は、ロシア大会で結果が残せずに
ぎりぎりでファイナルに届かなかった。でも、全日本には合わせてくるだろう。
正念場なのは、村上佳菜子かな。
シニアデビュー以来、ずっと代表に選ばれ続けてきたが、
今年こそ本気でヤバイね。
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