加工肉のがんリスク
少し前に、国際がん研究組織(IARC)が、加工肉の発がん性について、
「人に対して発がん性がある」Group1に分類した、と、ニュースで話題になった。
これを受けて、ハムやソーセージの加工肉業界が反発している、と。(苦笑)
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この手のニュースって時々でるんだけど、少し難しいかもね。
ポテトチップスなんかによく含まれるアクリルアミドは、確かGroup2Aで
「人に対して発がん性がおそらくある」だったかな。
誤解されがちなのは、IARCの分類は、危険性の大きさを示すものではない、
というところだろう。あくまで、確実性だけの問題である。
といっても、わかりにくい……。
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仮に、犯罪者にたとえてみようか。
IARCの評価は、「Aは確実に犯罪者である」と言っているようなもの。
犯罪の中身を問うている訳ではない。
これで、Aが連続強盗殺人犯だとすれば、そりゃヤバイわ。
でも、例えば道に落ちてた10円を警察に届けず横領したとかは?
誰も見ていないところで、こそっと信号無視したとかは?
こういうケースでも、「Aは確実に犯罪者」であることに変わりはないけど、
Aの危険性は、犯罪の種類によって全然違うでしょ?
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では、加工肉の危険性はどんなもんか?
毎日50g食べると大腸がんになるリスクが18%増えるらしい。
冷静に考えてみよう。
毎日50gって、かなりの量だと思うぞ。
海外ならともかく、日本人でそれだけ食べる人ってなかなかいないでしょ。
2013年の国民健康・栄養調査によると、日本人の加工肉の摂取量は、
1日あたり平均13gだそうな。
日本人平均より4倍くらい食べていて、ようやく問題になるかも知れない量、
ということだ。
ちなみに、加工肉の発がん性に関して、日本人でも調査されたことがあるが、
この研究では一般的な日本人に対して、加工肉は、がんリスクとはならない、
という研究結果になっているそうだ。
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また、こんなことも言われている。
全世界のがん死亡のうち、喫煙を原因とするのは年間100万人。
アルコールは60万人、大気汚染は20万人。
加工肉では、3.4万人。
全世界と言われると、ぴんとこないかも知れないけれども、
だいたい「タバコの3%くらいの発がん性」という評価だとどうだろう?
喫煙も加工肉の「人に対して発ガン性がある」Group1だけど、
危険性の大きさは、かなり違いがある、ということだ。
もう一つ、気をつけて欲しいところは、
アルコールはタバコの60%くらいの危険性があるというところだ。
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参考サイトとして、国立がん研究センターの情報をあげておく。
「赤肉・加工肉のがんリスクについて」
http://www.ncc.go.jp/jp/information/20151029.html
がんに関しては色々な情報が飛び交うけれども、
公的機関の情報が、いちばん確実と思われる。
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研究者から見れば、加工肉にがんリスクがあるのなんて「当たり前」で、
いまさら何を騒いでいるんだ?という感じなのかもね。w
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