平成28年診療報酬改定の枝葉
先日、厚生労働省より診療報酬改定の中医協からの答申が公開されている。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000111936.html
個人的には、日医工さんのまとめてくれるページが見やすいので、
そっちを愛用している。一応、医療従事者限定だけど、
別に会員登録とか必要ないし。
http://www.nichiiko.co.jp/medicine/medicine_m_mps2.html
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全体としては、前回よりもさらに「チェーン薬局つぶし」の様相が濃い。
逆に、個人で地域密着でやっているような薬局であれば、プラス改定に
なるところもあるだろう。
特に、大型門前薬局のチェーン薬局を大幅に減算しているな。
そういうところで削って、かかりつけ薬剤師業務に力を入れられる薬局を
評価しよう、っていう方向だろう。
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詳細は、日医工さんのページや、もっとわかりやすく解説してくれる
ブログやウェブサイトもあるだろうから、
ここでは、(比較的)どうでもよい、細かいところだけ書いておく。
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まず、大事なのはお薬手帳。
今年4月からは、
薬局にはお薬手帳を持って行かないと、お薬代が高くなる。
今までとは、全く逆になるので注意が必要!
これ、患者さんには通知しておかないとね。
これで万が一、お薬手帳を勧めない薬局があったとしたら、
徹底的に糾弾してやりたいから。
ただ、一部の薬局では値段変わらないところもある。
とりあえず、持っていて損することはない、と覚えておこう。
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あとは、湿布薬の70枚制限なんだけどね。
「医師が疾患の特性等により必要性があると判断し、やむを得ず
70枚を超えて投薬する場合には、その理由を処方箋およびレセプト
に記載すること」
という注意書きが入った。
あと、湿布の処方時には処方箋に1日分の用量又は何日分に相当するか
を記載する、というルールができている。
今まで通り、大量処方もできるけれども、医師側が面倒くさくなる。
本当に必要な人には処方するだろうけれども……。
そうでもないのにもらっておくような人には、医師が断る可能性はある。
(というか、断る口実を作ってくれた、ともいえるかも。)
1処方あたり、という話なんだけれども、これは合算なのかな?
例えば、モーラステープ20mg70枚、モーラステープL40mg70枚、
で合わせて140枚だったら、理由記載の必要があるんだろうか??
この辺、ちょっと分からないから、また通知が来ると思う。
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あとは、医科の後発品に関する話を少し。
一般名処方が一気に急増する原因となった「一般名処方加算」だけれども、
今までは、「1品目でも一般名処方された医薬品が含まれていれば」算定できた。
ただ、これすると、特定の品目のみ一般名処方にして、
あとは基本変更不可にする、という医師も多かったんだろう。
そこで、「全ての医薬品が一般名処方されている場合」に、
「一般名処方加算2」が新設された。
旧来のものが2点。「2」の方が3点。
たった1点の差ではあるけれども、これで一般名処方が進んでくれると
薬局としてはありがたいかな。
業務としては、ちょっと面倒くさくなるかも知れないが。(苦笑)
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あとは、病院のほうの「後発医薬品使用体制加算」
現行では、「全医薬品の採用品目数のうち後発医薬品の割合」が
30%以上で35点、とかになっていた。
こうするとどうなるか?っていうと、
「めったに使わない薬」とか、「どうでもいい薬」を後発品採用して、
この加算を取ってくる病院が出てくる。
調剤薬局でも、ある程度病院の採用薬は分かるから、
この傾向は読めてたんだよね。
本当に、どうでもいい消毒薬とかで変な後発品採用してるのが。
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今回の改訂からは、薬局と同じく薬価単位による使用量ベースに
変更される。ま、薬局から見れば当然の話なんだけど。
でも、そうすると今度は、(かつての薬局もそうだったように)
「薬価単位の使用量の多い薬剤」を狙い撃ちで後発品にするんだろうな。
それでも、現行よりはマシだろうから、それでいいと思う。
病院の採用薬が変わってくる可能性があるってことは、
薬局としてもおさえておいた方がいいだろう。
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あとは、やっぱりかかりつけ薬剤師だなぁ……。
認定薬剤師なんて、何の役にも立たないし、
研修なんか受けなくたって自分で勉強できると思ってたツケが回ってきた。(苦笑)
かかりつけ薬剤師指導加算を取るかどうかは別として、
認定薬剤師とらなきゃいけないんだろうなぁ。
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