パセリ伝説
書籍の紹介。
子供向け、青い鳥文庫の本。
「パセリ伝説」(倉橋燿子)
http://www.paseri-densetsu.com/top.html
上記リンクはamazon・・・ではなくて、公式HP。
amazonでない理由は、シリーズもので全部で12巻+αもあるから。w
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小学校3年生の娘が、食いつくように読み漁っていった。
シリーズものを全部読んだってのは、
藤野恵美さんの「お嬢様探偵ありす」シリーズもそうなんだけど、
食いつきは、パセリの方がよかったな。
3巻ずつくらい、市の図書館で借りていたんだけれども、
途中で、自分の学校の図書館で読み続ける、ということをしたくらい。
日本の北海道の日常から始まるんだけれども、
最終的には地球を飛び出しての壮大なファンタジーになる。
むしろ、日常どこいったよ?っという感じの。(苦笑)
でも、最後まで読むと、ああ、序盤の北海道の日常は
必要だったんだなぁ、と思った。
特に、終盤の「引き」は子ども相手にはえぐいわ。
「え、そこで次巻に続く、ってひどくね?」って思った。ww
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以下、ネタバレも書きたいので、少し改行します。
ネタバレが嫌いな人は、立ち去ってくだされ。
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行数稼ぎのどうでもいい雑談
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倉橋さんのほかの作品は、どうなんだろうなぁ?
魔女のヒアリも、第一作を読んだんだけど、
娘の食いつきは今ひとつだったんだよね。
今から思えば、かなりパセリと近い感じなんだけど、
何が違ったんだろうか??
.
あとは、、
パセリって、明確に「恋」をテーマにしてるんだよね。
もちろん、関係ないところでファンタジーな話は進んでいくんだけれども。
小学校3年生の今の娘にとって、
「恋」ってどういう感覚でとらえているんだろうか??
父親としては、ちょっと気になる。www
.
でも、直接的な表現はそんなにないから、
どこまで理解できているかは謎。
行間をよめば、パセリが誰を好いているか、
誰に嫉妬して苦しんでいるかは、
わかるんだけど、、
また、他の人たちの好意や嫉妬も。
3年生でどこまで理解できているのか、謎。
.
でも、自分の小学生時代のことを思いおこすと、
小学校3年生にもなると、
子ども達のなかでも、「誰か好きな子おるん?」
みたいな話は、大真面目ではないにせよ、
あったような気がする。
ただ、おおっぴらに話さないだけで。
おかあさん、と答えるのが逃げの定番。w
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とはいえ、男の子と女の子ではまた違うだろう。
女の子は、産まれたときからすでに「女」である、
と、昔、友達から聞いた事がある。
名言だと思う。w
幼稚園の時点でもすでに、
かっこいい男の子をめぐって女の戦いが繰り広げられる
なんてことは時々耳にするし。w
ただ、うちの娘の場合はどうなんだろう?
そんな話、聞いたこともないや。
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もともと、幼馴染でずっと男の子とも一緒に遊んでいるし、
割と、身近に男の子の友達がいたように思う。
小学校の中では知らんけど。w
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ただ、うちの娘は、いまだに私と手をつないで歩く。
まぁ、小学校3年生なんだから当たり前だと思うけれども、
世のお父さんのなかには、すでに3年生の時点で
手をつないでもらえない人もいると聞く。(苦笑)
私と一緒に(二人で)遊びに行くこともあるし。
まだまだ、親子関係に問題はない。
私からみるかぎり、恋愛を意識しているようにはみえないな。
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と、どうでもいいはなしはこれくらいで。
<ネタバレ解禁します>
.
私がこの、パセリ伝説で一番衝撃を受けたのは、
「ミント」が死んでしまったことだ。
他の読者もそうじゃないだろうか?
それよりも前に、
生き別れになって(しかも敵方に捕らえられていた)母親も
主人公、パセリの目の前で死んでしまうんだけれども、
これは、話の展開上、やむをえない、と思えた。
「お母さん」はあくまで助ける対象だったから。
いわば、パセリの「仲間」ではないんだよね。
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でも、ミントはパセリの仲間だ。
風の国の王女様で、小生意気で庶民を馬鹿にしたような少女だけど、
感情が非常にわかりやすく、憎めない愛すべきキャラだった。
本来、戦いに参加するような年齢ではないんだけれども、
特殊能力(異様に鼻が利く)で、活躍するシーンもあった。
作者は、クライマックス直前で、このミントを殺すという暴挙にでる。
主人公一行は死なない、という不文律をぶち破った訳だ。
そりゃ、あれだけの争い、戦いの中で、主人公の仲間が誰も死なない
ってのは、不自然だけどさ、物語ってそういうもんでしょ?
パーティの仲間は死なないっていう。
これ、子供向けの話なんだからさ。(汗)
ここに、作者の本気を感じた。
そして、なぜ、ミントを殺したか、ってのは、、
私の解釈だと、ラストの展開のため。
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もう、思い切りやばいネタバレなんだけど、
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この話ね、最終巻の最終決戦でね、
パセリ(主人公)が死ぬ。
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これもう、本当に「マジか!!」とか言いようがないわ。
大人向けのエンターテイメントでも、主人公が死ぬなんてめったに無いよ。
漫画ではドラゴンボールみたいな例外はあるけど、
あれは、復活する手段(神龍)が明確になってるからね。
どうせ復活できるんでしょって読者も分かってた。
パセリ伝説は、パセリが死んだ時点では死んだ人間を
生き返らせる方法なんてどこにもない。
ただ、魂として存在していて、世界を見ることはできるけど、
干渉することはできない、基本的にはそういう話だったから。
そんな話の中で、主人公殺すなんて。
さらに書くと、主人公の想い人も行方不明になる。
かなり絶望的な状況で。まぁ、こっちは明確に死が描写されて
いない以上、生きているんだろうとは予想するけどさ。
それでも、「ミントを殺した」という前科のある作者だからね。
読者も本気で心配するだろうよ。
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まぁ、さすがにそれでは話が収まらないので、
最終巻ではどうにかしてパセリを蘇生させたんだけどさ。
でも、「これは本当に死んでしまうかも」と
かなり読者を驚かせたはずだ。
だって、この作者は、主要キャラのミントをあっさり殺した作者だから。
ひょっとしたら、主人公殺しだってやるのかも知れない。
そう思わせて、はらはらさせるために、ミントを殺す必要があったんだろう。
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この作品、12巻で完結だけど、外伝が残っている。
ただ、「外伝」とは言っても、実質は「13巻」といっていい内容だ。
12巻のラストは最終決戦時に小学6年生だったパセリが、
中学生になって、また北海道に転校してくる。
(そして、再び、運命の彼に出会う)
.
で、「外伝」の内容はというと、
この「最終決戦後から、12巻のラストシーンまで」の内容。
なぜ、中学生になってまたパセリが転校して入ってくるのか、
どうして彼は生きていたのか、を描く内容になるんだけど……。
.
この作者、今度こそ本気でパセリ(主人公)を殺す。
マジで。
.
最終決戦後にパセリが生き返ったのは、あくまで一時的な措置で、
パセリはやるべき仕事が終われば、今度こそ死ぬことになる、という設定。
もちろん、魂としてその辺にはいるんだろうけど。
外伝の中でパセリの死は前半で描かれる。
で、そっから先(ラスト直前まで)パセリの出るシーンはない。
マジに主人公殺しちゃったよ。
もちろん、12巻のラストでパセリが生きている訳だから、
そこにつなげるためにはもう一度どっかで復活させなきゃ
いけないってのは(今度は)読者も分かってるけどさ。w
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最後までネタバレしてしまうと、
パセリは「記憶を失って生まれ変わる」という(ベタな)方法で復活する。
なぜそうなるのかは、きちんと外伝で描かれる、と。
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なので、外伝、まで続けて読んだ方がいいね。
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念のため。
パセリ伝説の魅力は、「主人公さえ殺す」っていうところではないから。w
ただ単に、私がそこに一番びっくりしたっていうだけで。
いやはや、児童書と思ってなめてかかるといけないね。(苦笑)
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コメント
パセリ伝説の公式サイトにはメールフォームのページがありますが、お便りはもう送ってみましたか?
実は倉橋燿子先生はツイッターでも活動をしているようです(ちなみにユーザー名はYokoKurahashi)。公式サイトにはブログのページもありますよ。
URLは私のメールにでも書こうと思います(メールアドレス自体はここには書きませんでしたが、コメント管理ページで確認は出来ます)。
投稿: サイナイ | 2016-03-30 20:17
>サイナイさん
アラフォーのおっさんが作者にメール送るのは
さすがに恥ずかしいです。(苦笑)
娘は……どうでしょうね?公式HPみる感じだと、
私も娘も、「対象年齢外」な雰囲気があります。w
小学校高学年から、中学生くらいが対象かなぁ、と。
投稿: kitten | 2016-03-31 23:25