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活性酸素に関して

 健康情報。

 一応、2016年3月現在の話、ということにしておく。
もっとも、結論もあいまいで、調査しきれている訳ではないんだれども。

.

 活性酸素は老化を促進する。血管にダメージを与える。
ゆえに、活性酸素を消去する、抗酸化物質が有用である。

 で、色々な抗酸化物質が、健康食品として販売されているんだけれども。
これって、一体どこまで本当なのか?

 私の現時点での考えは、

「抗酸化物質が、活性酸素を除去するため健康に有用」というのは、
いまだ仮説に過ぎず、証明されたものではない。

.

 いや、テレビで水素水が取り上げられたりしたから、
水素水を直接ターゲットにして叩いてもいいんだけれども、w
それは、(例によって)むむさんがもうやってくれたもんで。(苦笑)

 健康食品業界では、もう当たり前のように言われているよね。
身体に悪い活性酸素を除去するから、効果がある、という話。
これ、まだ科学的に証明されてないから

 一流のメーカーが、当たり前のように語っていても、ね。

.

 実は、10年くらい前から、定期的にこのテーマは調査しているんだけれども、
新商品はワラワラ出てくる割に、しっかりとした論文は出てこない。

 少なくとも、機能性表示食品や、トクホの分野でね、

「抗酸化物質」とか、「活性酸素を除去する」とか、
その手の表示は、未だに存在しない。

 トクホはともかく、機能性表示食品みたいなザル制度ですら、
「活性酸素」をキーワードにした商品はないんだ。

 もし、すでに論文があって、証明されているんだとすれば、
どっかの企業が機能性表示食品に申請していてもおかしくないよね。
それすらない、ってことはどういうことかな?

 私は、そんな論文が存在していないから、
商品に表示することができない
、と考えている。

.

 ただし、念のため。
「絶対にありえない」という訳ではない。
今後、研究が進めば、そういう事実が発見される可能性はある。

 ただ、私はその可能性はかなり低いとは考えている。

.

 こっから先は、何の根拠もない私のたわ言。

まず、「活性酸素が老化の原因である」という説。
こっからして、本当かどうかわかっとらんぞ。(苦笑)

 仮に老化の原因であったとしても、活性酸素だけが老化の原因とは限らん。
他の色々な要素が組み合わさって、老化が進んでいるんじゃないのかな?

 つまり、活性酸素だけを抑えたところで、老化を防ぐことはできない、と。

.

 次に、抗酸化物質が、どの程度活性酸素を除去するのかがわからん。
体内に存在する活性酸素の状況もわかっていないけど、
細胞の老化と関係するなら、かなりの量の活性酸素があるんじゃないかな?

 それに対して、抗酸化物質の量はどうなのかな?
例えば水素水だけど、あれって量が少なすぎじゃないかな??

.

 活性酸素にしても、抗酸化物質にしても、
基本的には試験管内の実験でのみ確認できている話で、
ヒトの身体の中でどうなっているかは、分からない。

 例えばね、「血中活性酸素濃度」みたいなもんが測定できるならいいよ?
当然、そんな測定方法は存在しない。
体内の活性酸素の量を測定できないんだから、
「○○という物質は、活性酸素を除去します!」と言ったところで、
絶対にウソにはならない。試験管内では除去できるだろうし、
体内で測定方法がないんだから。w

.

 こないだ、紹介した畝山先生の本にもあった。
「ORAC」っていう、抗酸化能力の指標があったんだけれども、
この表が、2012年にアメリカ農務省(USDA)のサイトから
削除された、という話。

 この「ORAC」が一人歩きして、健康食品の宣伝に使われてきたからだ。
「この食品は、ORACがこれだけあるから、健康によい」みたいにね。

日本語で読めるサイトで、面白いのがあった。
「抗酸化物質を含む食品でアンチエイジング」
http://www.anteaoxidant.com/

.

 このサイトには、USDAが取り下げたという、ORACの一覧表が残されている。
しかも、取り下げられた、という事実も、その理由もちゃんと書いている。

>ORAC値は健康食品やサプリメント業者などによって製品の宣伝に
>誤用されており、 数値が実際に健康に影響する確たる証拠はないと
>現在USDAのサイトからは削除されています。

 わかってんなら、こんな表のせるんじゃないよ。ww
まぁ、ここは健康食品やサプリメントを勧めるサイトじゃないからいいけどさ。
健康上、大して意味はない、と取り下げられた表を、
わざわざ参考にして取り上げる必要ないだろう。

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 という訳で、現時点での結論。

・活性酸素が老化の原因だとしても、どの程度寄与しているのか不明。

・抗酸化物質を含む健康食品やサプリメントが、
 体内でどの程度、活性酸素を除去しているのかも疑問。

・機能性表示食品ですら、活性酸素除去を謳っている商品はない。

.

 よって、活性酸素に関する仮説は、未だ仮説に過ぎず、
積極的に抗酸化サプリメント等を摂取する必要性は薄いと思われる。

 もちろん、今後この「仮説」が立証される可能性は0ではないが、
私の知るところ、この10年ほどで研究が進んでいる様子はない。
というかむしろ、抗酸化物質が健康によいという証拠がない、という
ことが、わかりつつある、という方がまだ近い。

.

 現時点で、抗酸化サプリを摂取する必要性は薄い、かな。
特に害がなければ、それほど目くじらを立てる必要はないかも知れないが、
例えば、抗酸化物質でもあるβカロテンは、過剰摂取によって
(条件つきながら)逆に死亡率が高くなることもある、って話もあった。

 色々な野菜や果物を摂取することは、間違いなく身体によいと思うけれども、
サプリメントや健康食品に関しては、逆に危険、という可能性もあるので、
科学的に証明されてない現段階では避けるほうが無難かな。
無駄に高いお金を使うことは無いだろう。

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 あと、蛇足ながら、「時間」について。

 例えばね、私が薬剤師になった頃、10年以上前の話なんだが、
某メーカーの学術担当者がね、
「葉酸のサプリメントは、動脈硬化の原因になるホモシステインを
 減少させる」と説明したことがあった。

 正直、これは当時でも怪しいと思っていたけれども。(苦笑)

 現時点では、明確に否定されている説なのね、これ。
葉酸は、確かにホモシステインを減少させるんだけれども、
心疾患等を減らす訳ではない、という研究結果が(後に)発表されている。
ホモシステインの減少は、「原因」ではなくて、「結果」であった、というのが
今の主流だ。

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 でも、当時私と一緒にメーカーの話を聞いた人間で、
その後もちゃんと情報を追っかけられる人間がどれだけいるかな??
メーカーさんは、自分の説が間違っていたからと言って、
「どうもすんません、あの時の説は誤りでした」なんて言ってこないからね。

 ひょっとしたら、未だに葉酸は動脈硬化によい、とか言ってるかも……。

.

 研究が進むにつれて、状況は変わっていく、ということ。
これは、医薬品や治療法ですらそう。

以前、行われていた方法は実は間違っていて、
今はこっちの方がよい、なんて話はいくらでもある。

情報のアップデートを怠っていると、とんでもない間違いを
人におしつけることになるかも知れない。

.

 だから、私は今回の記事では、
「現時点で」とか、「2016年3月現在」と、ただし書きをしている。
時代によって、結論は変わってくる可能性があるからだ。

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コメント

http://cmec.jp/article/567

投稿: | 2016-03-26 11:51

上記のリンク先は、
「葉酸とACE阻害薬(エナラプリル)との併用で、
 ACE阻害薬(エナラプリル)単独よりも脳卒中が少なくなる」
という2015年の研究です。
 葉酸単独だと結果が出なくても、併用すれば効果があるのか、
又は葉酸単独でも条件によっては何らかの効果があるのか、
というところでしょうか。
 10年(以上)前に聞いたホモシステイン云々の仮説は反証
されましたが、こっちはまだまだ研究途上ですね。
最新の情報が大事、という話です。

 ・・・ということを仰りたいのだと思います。(苦笑)

投稿: kitten | 2016-03-28 14:25

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