湿布には部位を
久々に疑義照会の話。
今年の4月から、湿布薬に関する規制がかかっている。
原則として、1処方で合計70枚を超える湿布薬は出せなくなった。
ただし、「原則として」ね。
どうしても処方が必要であれば、医師が理由を書いてくれれば
70枚を超えて出しても問題はない。
.
でも、いまのところ、70枚を超える処方箋はほとんど見かけない。
なんだ、結構みんな守ってるんだ。
医師が理由を書くのが面倒くさいのかな?
とはいえ、治療上必要だったら、理由書いてくれてもいいんだけど。
ここまであまり見ないっていうことは、
「治療上の理由無く湿布を出していた」
って言われてもしょうがないよね。(苦笑)
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さて、湿布薬には、どこに使うか、部位を書かなくちゃいけない。
といっても、今までも部位を書いていた地域はあると思う。
この辺のルールは、都道府県によっても違うからね。
ちゃんと部位を書かないとダメ、という地域もあった。
ただ、私の働いている地域では、その辺、かなりザルだった。
ひどい処方箋になると、
.
処方実例)
モーラステープ20mg 35枚
適時貼付
.
こんなのがザラ。
場所どころか、用法すら「適時」ですませてしまう。
全国的にはどうなんだろう?
ちゃんと、部位と用法を記載してるところの方が多かったのかな?
さすがに、4月からはそういうのは少なくなったけど、
でも、時々、部位を書いていない処方箋があって、
こっちも一応確認することにしている。
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私「○○さんの処方なんですが、湿布薬の部位が書いていないんですが、
どの場所に使われるのでしょうか?確認お願いします。」
事務さん「先生に確認してみます。」
ちなみに、この先生、整形外科の先生ではない。
専門は内科だったはず。
まぁ、部位くらいすぐわかるだろう、と思っていると、
電話は、医師にかわった。
医師「○○さんやけど、どこが痛いって言ってる?
湿布どこに使うか、患者さんに聞いてみてくれへんかなぁ?」
.
絶句。
.
どこが痛いかも確認しないで湿布薬出すんじゃねー!!
こんなことする医師が多いから、70枚縛りみたいなルールが
追加されたんだなぁ、としみじみ思った。
この疑義照会は結局、
私「それでは、患者さん本人に確認して、その部位ということで
こちらで処方箋に記載しておきますね。」
とやって終わった。先生相手に怒ってもしょうがないしね。
(あきれたけど)
今まで、どれだけの無駄な湿布が処方、調剤されたかと思うと……。
大した薬価ではないけどさぁ、そこは意識の問題でしょう。
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70枚縛りが始まって、医療用の湿布は売上が落ちたかも知れないなぁ。
久光のモーラスは、国内医薬品売上トップ10に入っている、
唯一の外用薬だったんだけれども……。売上は下がると思う。
その分、OTCの売上が上がる可能性はあるんだけれども、
保険なしで買うと、結構な値段するからなぁ。
処方箋でもらうのに慣れていると、値段が高すぎて引くと思う。
負担割合にもよるけど、市販だと処方せんと比べて、
5倍から10倍以上の自己負担金になるだろうからね。
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コメント
無駄な湿布。
無駄な薬剤師。
投稿: 通りすがり | 2016-09-18 11:15