お薬手帳を過信しないこと
今年の改正で、基本的にはお薬手帳をもっていく方が、
お薬代は安くなる。(少なくとも、高くなることはない)
結果として、お薬手帳をもってきてくれる人はかなり増えた。
そりゃそうだよね。
今まで手帳をもってこなかった人って、
面倒くさいから、という人も多いけど、
「お金がかかるから」という人もいたと思う。
もってこない方がお金かかると知れば、持って来る人も多い。
お金かかってもいいからもちたくない、という人もいるけどね。
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時々あるのが、お薬手帳を持ってきてくれた、と思ったら、
中に何も記載していなかった。(つまり、新品のお薬手帳)というパターン。
これ、お薬手帳で安くなる仕組みから考えると、
むしろ、「手帳なし」と同じ点数でいいと思う。
実際、併用薬も何もわからないんだから。
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ただ、ウチの薬局では入力する事務さんが手帳の中身まで
確認しないので、一旦、手帳アリの点数で計算してしまう。
全部確認したところで手帳なしの点数に変えるのは、面倒くさいから、
そのままで通してしまうことも多い。
ルール的にはどうなんだろうね?
前のルールだと、手帳を新たに発行した場合は、
(条件つきだが)「手帳あり」の点数を取ってもよかった。
じゃぁ、今のルールでも、新品の手帳を渡した場合は、
「手帳あり」の点数でもいいのかな?
新たに作った場合は、「手帳なし」でよさそうだけど、
持ってきてくれた手帳に何の情報もなかった場合はどうだろうか。w
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さて、手帳をもってきてくれる人が増えると、
併用薬が把握しやすいので、業務が楽になった。
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ただ、あえて薬剤師に注意しておく。
お薬手帳を過信することは厳禁である。
手帳に記載されていない併用薬があるケースは、レアじゃない。
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一番アレなのは、病院によって手帳を分けているパターン。
同じ一冊の手帳じゃないと意味がないんだけど、
この辺、最初にちゃんと説明しておかないと、
薬局の数だけ手帳を作ってしまう人もいるかも。
薬代はそれでも安くなるからね。(苦笑)
そうやって、何回か「手帳に記載されていない併用薬」を発見したので、
今週はかなり気合を入れて聞いてみた。
すなわち、お薬手帳を確認した上で、
「このほかに服用している薬はありますか?」と
(出来る限り)全員に聞いてみた。
結果……、うん、結構いた。(泣)
もちろん、これは地域差もあるだろうけどね。
大阪は、まだまだ院内調剤で出す病院もあって、
そういうところでお薬手帳に対応していないところもある。
大きい病院だと、手帳に書いてくれるとこも増えてきたけど、
まだまだ、油断は禁物である。
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あとは、「同じ内容のものはいらない」と
同じ内容のシールは貼っていない人もそれなりにいた。
それやられると、「今現在ナニを服用しているか」が
薬剤師からみて分からないんだよね。
「この、1年前の薬は今でも服用しているのかな?」と思って聞いてみると、
案の定服用していた、とか。
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今までよりも手帳をもってきてくれるようになって、
併用薬の確認が楽になった、と思っている薬剤師さん?
そこで手を抜いちゃいけないよ??
手帳で確認した上で、さらに、
「他に何か服用されていませんか?」って確認しないと、
併用薬を確認した、とは言えないからね。
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そのうち、お薬手帳もなくなって、全部電子データになるかなぁ?
診療情報データとか、全部オンラインで見えるようになれば、
一番確実だよね。
いずれ、処方箋が紙ですらなくなる時代が来る頃には、
紙のお薬手帳なんてなくなってるだろうね。
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