お薬手帳に関するあれこれ
仕事の話。
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今年4月から、お薬手帳は原則として、持ってきてもらう方が安くなる。
原則というからには例外もある訳だけれども、
少なくとも手帳を持っていって高くなることはないので、
持っていただく方がありがたい。
お薬手帳をもってきてもらえれば、薬歴管理指導料は38点。
お持ちでない場合は、50点。
12点の差がある。3割負担で30ー40円ほど変わってくる。
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さて、こっからは薬局側からみた話。
ほとんどの人にとっては「そんなのどっちでもいいよ」
という話なんだけど、細かいところが気になる性格なんで、
問題提起をしてみたい。
ケース1)
患者さんが、白紙(新品)のお薬手帳を持ってきた場合は、
38点になるのか、50点になるのか?
なぜお薬手帳をもってきた方が安くなるのかというと、
もちろん、患者さんにお薬手帳をもってきてもらいたい、という意味が一番。
持ってきてもらえれば、併用薬の確認もできるし、
前に何を服用していたかも確認できるので、
服薬指導自体が楽になるから、という側面もある。
でも、何も記録されていないお薬手帳を見せられてもねぇ……。
何も確認できない以上、手帳なしの50点でいいんじゃないの?
という意見もあると思う。
ただ、何も書かれていない手帳ってね、
「この人が何も薬を服用していない」という情報が確認できる。
という考え方も、一応成り立つよね。
そうすると、38点でもいいんじゃないかな?
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いやいや、白紙のお薬手帳もってきても、併用薬がたくさんあることあるし。w
よくあるのが、前のがいっぱいになったから、新しいのだけ持ってきた、とか。
そうすると、何も書かれていない手帳には、何の情報もないから、無意味。
よって、50点が正しい?
でも、そもそも併用薬がすべてお薬手帳に書かれているのか、というと
そういう訳でもない。もれがあるケースは結構あるわけで。(苦笑)
よくあるのが、薬局ごとに手帳を分けているケース。
これも、情報としては無意味に近いけど、38点算定するよね。
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さて、どっちが正しいのか?
ウチでは、基本的に38点を算定している。
もっとも、明確な根拠がある訳ではなくて、
単に業務の都合上、レセコン入力する事務さんは
手帳の中身を確認していないので、「手帳アリ」とだけ認識して
38点で算定してくれる。
それを50点に修正して領収書出しなおすのが面倒くさい。(苦笑)
勤務薬剤師として、会社の損失は自分の懐が痛むわけでないので、
それほど気にしない、と。
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ケース2)
新患さんで、複数の医療機関の処方箋を持ってこられた場合。
これは、手帳持参の場合と、そうでない場合とあるが、
どちらにしても同じ問題が発生する。
38点を算定せずに50点を算定する(例外)の一つは、
新患さんあるいは、過去半年以内に薬局に来られていない患者さん。
この場合は、手帳を持ってこられていても50点になる。
2回目以降は38点になるんだけどね。
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2枚(以上)を同時に受け付けた場合はどうなる??
これ、2枚とも50点取っていいのか?
それとも、1枚目は50点、2枚目は38点にするのが正しいのか?
手帳を持参されてなかったとしても、「1回目」で手帳を新規作成すれば、
「2回目」は来局半年以内で手帳持参の条件をクリアすることになる。
薬局としては、手帳から何の情報も得ていないんだけどね。w
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どうでもいい、細かい話になるんだけれども、
私は、1枚目のみ50点、2枚目(以降)は38点で処理している。
理由としては、ばらばらに持ってこられた場合にどう処理するかを
考えると、そりゃ50点、38点になる、と考えられるから。
1回目の投薬が終わった後、薬局を出てから、すぐに戻ってもう一枚
処方箋とお薬手帳を出せば、これはどうみても38点じゃないかな?w
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同時に出された場合、どっちを50点にするかは、薬局の判断かな。
片方が0割負担だったら、そっちの方を高くしてやる。
まぁ、そんなことはめったにないだろうが。(苦笑)
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ようは、薬局から見て何の情報も得られない手帳で
50点を算定していいのか?っていう問題なんだけど。
疑義解釈資料には、いまのところ見当たらないようだ。
やっぱり、どうでもいい話なのかも知れない。
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