自分を信じろ
疑義照会実例。
<処方>
Rp1)ランソプラゾールOD錠30mg 2錠
分2 朝夕食後 7日分
Rp2)クラリスロマイシン錠200mg 2錠
分2 朝夕食後 7日分
Rp3)メトロニダゾール錠250mg 2錠
分2 朝夕食後 7日分
.
とある病院からの処方箋。あんまり付き合いはない。
けど、これはさすがに疑義照会だよねぇ。
.
理由?こんな処方見たことないから。w
ピロリ菌の除菌療法だろうな、と予想はつくんだけれども、
この組み合わせは初めて見た。
.
薬歴を確認してみると、少し前にピロリ除菌処方が出ている。
その時は、Rp3)の部分がメトロニダゾールじゃなくて、
アモキシシリンカプセル250mg 6カプセル
これは、普通の一次除菌の処方である。
.
おそらく、一回目で失敗しての二次除菌なんだろう。
.
でも、この組み合わせは見たことないぞ。
普通、一次の組み合わせから、クラリスロマイシンの代わりに
メトロニダゾールを入れて、アモキシシリンはそのままなんだけど。
つまり、ランソプラゾール、メトロニダゾール、アモキシシリンの3剤
なので、疑義照会となった。
.
私「えー、ピロリ二次除菌でのこの処方は見たことないので、
おそらくクラリスロマイシンの代わりにアモキシシリンでは
ないかと思うのですが。」
ところが、この相手がまず医療事務さん。
「医師がカルテにそう書いてます。」
.
いや、だから、それが間違えてるなじゃないか、って指摘だってば。
強めにそう言うと、今度は看護師さん。
「ピロリ菌の二次除菌療法ですよ」
いや、それは知ってるよ。
(さすがにそれを知らん薬剤師はいない、と思いたい。w)
早く医師に確認を取らんか。
.
この処方が間違っている、という確信はあるんだけど、
こうも否定されると「自分が間違ってるんじゃないか」という
不安感に襲われる。
相手が素直に医師に確認をとらないから、余計にそう思う。
ごり押しで医師に通してもらって、私の方が間違っていたら、
と思うとねぇ。(汗)
.
ピロリ除菌療法はかなり確立されてきてはいるけれども、
ひょっとしたら、私の知らない新しい治療法がある、
という可能性もなくはないので。
(まぁ、あるとしてもこの組み合わせはないだろうと思うが。)
.
どうも、この時点で病院に担当の医師がいなかったようだった。
で、連絡を取りたくないから向こうも強硬に出ていた、と。
結局、何とか連絡を取ってもらったところ、あっさりと処方変更。
クラリスロマイシン→アモキシシリンで、通常の二次除菌、と。
.
でも、冷静になって考えてみると
別に(自分が)間違っていても構わないんだよね。
医師にしかられるかも知れないけれども、
間違った処方で出すよりはよっぽどマシだし。
こっちの誤りをきちんと指摘してもらえれば、勉強になるし。
わからないことがあれば、恐れずに疑義照会しよう。
自分を信じて。w
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