毎年薬価改定?
Yahooニュースより。
<薬価>全て毎年改定 政府調整、市場価格下落を反映
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161201-00000002-mai-bus_all
以下、一部引用
.
政府は30日、原則すべての薬を対象に薬価改定を毎年実施する方向で
最終調整に入った。市場の実勢価格の下落を時間を置かずに反映し、
高騰する医療費抑制と国民負担の軽減につなげたい考え。早ければ
12月7日に開催予定の経済財政諮問会議での方針決定を目指す。
.
引用終わり。
これは、こないだのオプジーボ騒動の飛び火……。
高い薬がなかなか値下げできないのを、
少しでも何とかしようという思惑だと思うが。
現場の正直な意見を言うならば、作業量が増えて面倒くさいだけで、
医療費削減の効果はさほど出ないんじゃないかと。
.
医薬品の実勢価格は、徐々に下がっていく訳ではない。
どのタイミングで下がるか、というと、薬価改定のタイミングで下がるのだ。
売価が変われば納入価も変わる。当たり前。w
それを毎年やれば、2倍のスピードで値段が下がるか、というと、
いくらなんでもそんな馬鹿なことはないんじゃないかな。
.
なので、すべての薬についてこれをやるなんてのは、
バカげているとしか言いようがない。
現実的な線としては、「市場拡大再算定」制度だけを毎年実施すること。
「市場拡大再算定」制度ってのは、ようは予想外に売れすぎた薬とか、
売上が高すぎて企業が利益が大きすぎる、と判断された医薬品の
薬価を通常よりも大幅に下げる制度だ。
今年の薬価改定では、C肝の薬であるハーボニー、ソバルディなどが
この制度を適用されて、薬価が大幅に下がったし、
オプジーボの値下げも基本的には同じ制度だ。
時期がイレギュラーなだけで。
ソバルディ、ハーボニーは発売後1年経たずに薬価改定があったから、
発売後1年未満で薬価の調整がなされた。
でも、オプジーボは絶妙のタイミングで適応が拡大されたため、
市場拡大再算定制度を潜り抜けた。それは不公平だろう。
こんなことがまかり通ってしまうと、画期的な新薬であればあるほど、
薬価改定直後に発売しようとするバカげた圧力になりかねない。
.
現場の薬局としては、少し面倒くさいな、くらいだけど、
医薬品卸やメーカーにとっては、厳しいんじゃないだろうか。
医療費削減額よりも、それにかかる手間暇を考えると。(苦笑)
まぁ、予算が決まる前のニュースでもあるし、
そのまま本決まりなるかどうかは、はなはだ怪しいと思っている。
製薬企業の様子をうかがうための観測気球みたいなもんかな。
.
| 固定リンク
「ニュース」カテゴリの記事
- 安倍元総理死去(2022.07.08)
- コロナとウクライナと(2022.04.26)
- ウクライナ開戦後一ヶ月(2022.03.24)
- ロシアがウクライナに侵攻(2022.02.27)
- 第100代内閣総理大臣、岸田文雄(2021.10.09)
コメント
こんなことが、議論されてしまうのは,やはり 薬剤師議員が不在に等しいからなんですかね~
投稿: すみぱん | 2016-12-06 14:05
>すみぱんさん
製薬業界から、多額の政治献金が、みたいな話もありますが、
まだまだ政治力(カネ)が足りないのかも知れません。(苦笑)
本当に医療費削減につながるのなら、どんどんやってもらって
構わないんですけど、これってただ面倒が増えるだけにしか
思えないんですよね。
投稿: kitten | 2016-12-06 18:27