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「女子的生活」

 書籍の紹介。

女子的生活」(坂木司)

 上記リンクはamazon。

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 今年(といってもまだ三カ月足らずだが)一番衝撃的だった本。

 (少しだけ)ネタバレも書くつもりなので、
嫌な人は、ここから先を読まないで欲しい。

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 もともとは、アンソロジー集で読んでいた。
この部屋で、君と。」(リンクはamazon)

 (自分にとって)新しい作家さんを発見するのには、
アンソロジー集を読むとよい。

「この部屋で、君と」は、同じ屋根の下で暮らす二人をテーマにしている。
執筆陣が豪華で、面白い話が多かった。

 越谷オサムさんとか、読んだことなかったけど、なかなか強烈な話だった。
短編のオープニングが女の子の渾身のジャンプングニーパッドとか。w

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 で、この「女子的生活」も第一話は、アンソロジー集で読んだ。
(もちろん、本当の初出は雑誌に掲載されたものだけど。)
ものすごく引き込まれる話だった。

 調べてみると、続きも書かれて単行本になっていたので、
図書館で予約して借りた。(結構時間かかった)

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 そろそろ、ネタバレ解禁

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 まぁ、一話目の半分もせずに出てくる話だし、
この話の肝でもあるので、この設定を話さずにこの本は語れない。

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 主人公の「ミキ」が、普通の、ノーマルな性別ではない。

 本人曰く「一番近いのはトランスジェンダー
これ、つまり一般的なトランスジェンダーですらない、ということだ。

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 LGBT、とひとくくりにして言われることもある。
L=レズビアン、G=ゲイ、B=バイセクシャル、T=トランスジェンダー。

 トランスジェンダーも定義が難しいんだけど、
日本語で言うと、性同一性障害、になるのかな。

 ようは、体と心の性別が違う人。
身体は男性なのに、心が女性とか、その逆とか。
いわゆる、「オネエ」もトランスジェンダーにあたるかな。
(キャラや仕事のためにやってる人もいそうだから微妙だけど。)

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 主人公のミキは、体は男性。心は女性。
だから、トランスジェンダーではあるんだけれども、
さらに、「レズビアン」でもある。

「わかりやすく言うと、私は女の子になって女の子とカップルになりたいの。」

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 文章だけの小説だから、成り立つ部分はあると思う。
映像にしたら、さすがに無理があるんじゃないかと。(苦笑)
文章だけで読むと、ミキはとても女子力の高い女子であるからして。

 女の子が大好きで、女の子になりたくて、
実家から離れて女の子ライフを満喫している。それがミキ。

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 どこまでリアルだかわかんないんだけれども、
この設定が、割と周囲に受け入れられている。

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 成り行きでミキと同居人になってしまった男性の後藤は、
色々と衝突はあるけれどもそのたび「学習」して、
ミキと「友達」になる。

 (最後には、「俺の大切な友達だ!」と叫ぶ。)

 また、職場の同僚も、ミキをほぼ「女友達」として扱っている。
同僚のかおりのことを、ミキは、友達として最高に好き。と書いているし、
実際に二人の関係は、女友達(というか戦友に近い)。

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 もちろん、偏見もあるんだけれども、ミキは強い。
あくまで自分の道を貫いていく。そこがかっこいいんだけど。。

 ちょっと、女子が怖くなってしまう本でもある。w

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 合コンや、それに近いようなシーンが結構でてくるんだけど、
その辺の女子の戦いぶりが、怖い。
単純な男子には全く理解できんわ。(苦笑)

 ミキは、合コンには「女子」として参加することが多い。
(中には、男性だとばれて参加するパターンもあるが)

 それでいて、ターゲットは女の子なので……。

 参加者の中で一番かわいい女の子を、
(見た目)女子のミキがお持ち帰りに成功する、なんてシーンもある。w
いや、それは男性陣(つーか他の女性陣も)ドン引きでしょ。(汗)

 見た目女子のミキは、むしろ男子よりも簡単に女子と仲良くなれる。
もちろん、真剣な交際に発展させるのは非常に難しいだろうが。(苦笑)

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 性別、ジェンダーなんて人それぞれ。
本当に、これくらいノーマルからかけ離れた人もいるのかも。
ひと昔前なら、「変態」で片づけられたかも知れないけど、
今日なら、十分、物語として成立するようになってきたのかも。

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 ただ、気になるのは、「友達」と「恋愛」の差。

 ミキから見れば、男子の後藤も、女子のカオリも友達。
ってか、それだけ好きなカオリが恋愛対象にならないのはなぜなんだろう?
と考えてしまった。友情が成立しているしなぁ。

 これは、男女の間にも友情が成立するか?という問題になるのか?

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 ミキの身体的特徴(トランスジェンダー)を取っ払った方がわかりやすいか。
ようは、レズビアンの女性にとって、親友って恋愛対象じゃないのか?
ゲイの男性にとって、男性は全て恋愛対象なのか?

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 うーん、わからん。w

 やっぱり、男女の友情は成立するのか、ってのと同じ問題になるのかな?

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 坂木さんの他の本もいくつか読んだ。
「和菓子のアン」が面白かったんだけれども、
この作品にも「乙女」な男子の同僚(立花さん)が出てくる。w

 ただ、立花さんは乙女系で女子っぽいけど、女子になりたい訳ではないし、
黙ってればイケメンということだから、ミキとはだいぶ違うなぁ。

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 ちなみに、作者の坂木さん、性別は非公開である。

 

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