「レッドスワンサーガ」を応援する
この日本に、サッカー好きな人はどれくらいいるだろうか?
ミステリ好きな人はどれくらいいるだろうか?
サッカー好き、ミステリー好きな人にぜひおすすめしたいのが、
綾崎隼さんの「レッドスワンサーガ」シリーズだ。
「レッドスワンの絶命」(リンク先はamazon)
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私は、図書館でソフトカバー版を全部借りて読んでから、
メディアワークス文庫で文庫化したときにすべて購入している。
気に入った本は、文庫で買うのが私のスタイルだ。
現在、4巻目の「レッドスワンの飛翔」まで発売されている。
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綾崎隼さんは、私が最もよく読んでいる作家さんの一人で、
出ている作品はほとんど読みつくしている。
作風としては、「恋愛ミステリー」が一番多い。
恋愛ミステリーって不思議なジャンルだけど、そうとしか言いようがない。
しかも、紹介しようとするとネタバレになるので、簡単に紹介もできない。
でも、どろどろした話じゃなくて、すごく透明感の高い印象がある。
ああ、この話は綾崎さんの話だなぁ、とわかるくらい。
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レッドスワンシリーズは、綾崎さんの作品の中でも異色。
ガチガチのサッカー小説である。
コミックならともかく、小説の世界でガチにサッカーを描いた作品、私は他に知らない。
赤羽高校サッカー部(通称レッドスワン)の物語。
古豪だったけれども、インターハイの県大会予選で屈辱的な敗北を喫し監督は病気で倒れ、
学校側からも、「全国大会に出場できなければ廃部」という厳しすぎる条件をつけられる。
そんななかで監督についたのが舞原世怜奈、25歳の美しすぎる女性監督。
そんな彼女の夢は、「日本代表の監督」である。壮大すぎる。w
そのために注目度の高い高校サッカーの監督に就く。
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物語の主人公は高槻優雅。レフティにして万能の天才プレイヤー、1年生にして絶対的エースだったが、
膝を故障して、復帰のめどすら立っていない。(復帰には、実際1年以上かかる)
優雅が、世怜奈先生とともに赤羽高校サッカー部を指揮して、蘇らせる。
そういう物語である。
どこが、「ガチ」なのかというと、ポジションやシステムを明確にしているところ。
それぞれのポジションに、個性的なキャラクターを配置している。
また、試合のシーンの前には、スタメンのポジションとシステムが図示される。w
サッカー漫画でありがちな、必殺技なんかも登場しない。
あくまで、ルールの範囲内、現実の範囲内で、知性で敵を倒していく。
(舞原家はお金持ちなので、お金だけはチートのように使えるが)
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まず、各プレイヤーの資質を見極めて、最も有能な選手をサイドバックに固定する。
サイドバックは、現代サッカーで最もプレイ回数の多い大事なポジションであるから。
次に、守備。ボランチ、センターバック、ゴールキーパーにチームの主役級の三人を配置する。
リーグ戦ではなくトーナメント戦を考えると、守備を固めるのが絶対的に必要だから。
なんて、地味な戦い方をするんだろうか。w
こういうところが、私が「ガチだ」と評するところである。
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そして、ある意味このシリーズはミステリーでもある。
世怜奈監督の考え、優雅の戦術が、ミステリーでいう「謎」にあたる。
もちろん、きちんと伏線は張った上で、試合のシーンでそれを解決していく。
(特に、2巻の準決勝はしびれた)
もちろん、高校生なので恋愛要素もある。綾崎さんだから。w
でも、メインはあくまでサッカーだ。
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で、このレッドスワンシリーズなんだけど、
4巻が出たところで、「打ち切り」の危機を迎えている。こんなに面白いのに。
図書館派の私が、シリーズ全部新刊でそろえるなんて、このシリーズだけだよ。w
作者の頭の中には6巻までの構想がしっかり出来上がっているので、必要なのは編集のゴーサインだけだ。
なんとか、盛り上げて打ち切りを阻止しなければならない。
というわけで、紹介記事を書いてみることにした。
まぁ、それこそ打ち切ったブログにこんなの書いたところで、誰の目にも止まらないだろうけど、
私にできることは少しでもやっておこうかな、と思って。
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ほかに綾崎さんの本で買って持っているのは、
「命の後に咲いた花」
これも、恋愛ミステリーの傑作。わかっていても泣ける本である。
ただ、綾崎さんのトリックは特殊だから、映像化はできないんだよね、どんなにすごい話でも。(苦笑)
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コメント
本日、作者の綾崎さんのツイートにて、
レッドスワン、続編が出ることが決定しました。
何とか打ち切り回避できたみたいです。
続きが読めることに感謝。
投稿: kitten | 2019-11-25 22:48