東京都のコロナのPCR検査の数字がおかしい。
少し前から、陽性率が異常に高いなと思っていたが、
今日の数字は度肝を抜かれた。
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4/10 検査人数 362人 陽性者数 188人
陽性率 51.9%
4/11 検査人数 511人 陽性者数 197人
陽性率 38.5%
4/12 検査人数 57人 陽性者数 166人
陽性率 291.2%
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なんじゃこりゃ!
めちゃくちゃやんか。
57人しか検査してなくて、166人陽性って。
おそらく、検査数と陽性者数は、元になる数が違うんだと思う。
私の想像だけど、「検査人数」は、その日に検査を依頼した数。
陽性者数は、その日に陽性が確認された人。
で、検査日から陽性発覚までタイムラグがあるんだろう。
つまり、12日の166人の検査日は、11日の511人の中にいる。
(もしくは、もっと前の検査日かも知れない。)
分母と分子の日付が違ったら、陽性率なんて意味ないね。
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でも、問題なのはタイムラグだけじゃない。
東京都の検査人数なんだけど、(注)として、
「医療機関が保険適応で行った検査は含まれていない」
と書いてある。
陽性者数には、その注がない。
この陽性者数は全世界に発表される感染者数なので、
ここに計算ミスがあるとは思えない。
つまり、陽性者数には、保険適応の検査も含まれていると思われる。
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実際、調べてくれた人がいた。
https://togetter.com/li/1492358
私は政府の出している数字は基本的に信用するから、
陽性者に「保険適応分」が含まれているのは当たり前だと思っていたが、
そう思わない人もいた。
まぁ、今までの政権みてれば、信じられないのも無理ないが。
で、ちゃんと確認してくれたらしい。
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「保険適応分」ってのは、簡単に言うと、
医療機関が保健所を通さずに、健康保険で検査したもの。
これも、二通りに読めるなぁ。
「医療機関が」保険適応でやった検査なのか、
医療機関が依頼して「保険適応で」やった検査なのか。
後者だと民間の検査機関に頼んだ分が入ってくる。
これは、厚生労働省のホームページに(数日遅れで)データが出てくる。
ただし、都道府県別ではなくて全国の総計。
例えば、4/10だと、
国立感染症研究所 344件
検疫所 650件
衛生研究所・保健所 4182件
民間検査会社 1581件
(うち、保険適応分)(1058件)
大学 551件
(うち、保険適応分)(151件)
医療機関 320件
(うち、保険適応分)(233件)
合計 7567件
(保険適応分) (1445件)
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「医療機関が」保険適応で検査した分なら、全国で233件だけど、
「保険適応で」検査した分なら、1445件になる。
このうち、東京でどの程度行われたか分からない。
ただ、今、一番感染者の多い東京が一番検査数多いだろう。
東京の衛生研究所、保健所のPCR検査キャパは200件程度なので、
4/10の東京、検査362件のうち、162件は保健所、衛生研究所以外。
東京には大学も多いし、国立感染症研究所も使ってるかも。
そう考えると、民間の保険適応分が入ってる気がしない。
民間の保険適応、全国で1058件でしょ?
そのうち東京で100件以下とは考えにくいんだけど。
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東京に関しては、陽性率を計算する意味がない。
分母が、「行政検査の検査数」、分子が「全陽性者数」なので。
分母を全検査数にしなくちゃ、正しい数字が出てこない。
仮に、「保険適応」で検査した分の半分くらい、700件が東京だとすると、
4/10の東京の検査数は、362+700=1062件、陽性者数が188人だから、
陽性率は17.7%、となる。
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元の陽性率51.9%だと、すでに東京は終わってると言って過言ではない。
あれだけ検査拒否しまくってて50%超だったら、感染者山ほどおるわ。
常識的なレベルだと、高くて20%くらいじゃないかな?
そうなると、民間の保険適応分は、東京の検査数に入ってない可能性が高い。
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また、最初に書いたように、タイムラグもある。
検査数は、検体採取日で。陽性者は陽性確認された日。
分母と分子で、全然違う人になってる。
<結論>
東京において、その日の「感染者数」÷「検査人数」の数字は、感染率ではない。
ほとんど参考にならない数字である。
東京都は、その日の保険適応分の検査数を公表すべきだし、
陽性者数は、その検体の採取日も公表すべきである。
そうでないと、真の陽性率を計算できない。
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ノーベル賞取ってる山中教授が、一般向けにコロナの情報出してくれてる。
https://www.covid19-yamanaka.com/cont3/16.html
それは大変ありがたいんだけど、、、
以下、一部引用
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4月12日は57人が検査され、166人の陽性者が同定されています。
前日の検査結果がこの日に反映されたと推測しますが、東京都の検査の
陽性率は非常に高くなっています。検査数を増やさなければ、
爆発的感染(オーバーシュート)があっても見逃します。
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引用終わり。
山中先生、保険適応分の検査数が漏れてるの気付いてないんじゃないかな?
(まぁ、結論は変わらない。このままじゃオーバーシュート見逃す。)
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さて、山中教授は「今すぐ検査体制を拡充しないと!」という意識みたいだ。
私の認識は違う。
「もう、今から検査体制を拡充しても間に合わない。」
実はこれ、2月くらいから思ってた。
日本のPCR検査体制はあまりにも貧弱だった。
みんなが頑張って拡充して、当初の10倍以上の体制になってる。
(正直、そこまで頑張れるとは思ってなかった。)
それでも全然足りてない。
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実は、非公式な情報なんだけど、ちょっと怖い情報がある。
東京都の検査、検査結果が出るまでにかなり時間がかかっているらしい。
普通は1,2日なんだけど、どうも、3日とか長ければ1週間?なんて話もある。
これが本当なら、東京の検査体制は限界を超えている、ということだ。
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たとえば、どう頑張っても民間含めて1日1000件しか検査できない、としよう。
陽性率を20%とすると、最大でも
「1日200人しか陽性者が出ない」
それ以上は検査できないので分からない。
もちろん、陽性率は徐々に上がっていくだろうけど。
この限界が200人か300人かはわからないけれども、
東京に1000人陽性出せる検査キャパはないと思われる。
どこかで、限界がくる。
数字の見た目は、「感染の拡大が落ち着いている」ように見える。
でも、実際はオーバーシュートしてるんだ。
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おそらく、まだそこまでは、いっていないと思う。
もし、検査数の限界を超えると、重症者数や死者数で見えてくるだろう。
また、「コロナ検査待ち」の重症者がわらわら出てくる。
まだ、重症者も死者も少ないから、そこまではいってない。
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ただ、近い将来(下手したら数日で)東京の検査体制はパンクする。
そうなるとどうなるか?
より重症な人を優先させるために、
今まで以上に検査を絞るしかない。
軽症者は、ほぼ検査できなくなるだろう。
東京都は、「検査できないコロナ疑い患者」の扱いを早急に周知すべきだと思う。
当然、この中からも重症者は出てくるし、感染対策は必要だ。
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今まで通りPCR検査に頼るのならば、とれる手は一つしかないと思う。
「中国にPCR検査を外注する」
中国は、一通りコロナを抑えたので検査余力があるはずだ。
また、同じ意味で韓国を頼ることができるかも知れない。
サンプル送るのに1日かかったとしても、日本で1週間待つより早いだろう。
………たぶん、今の安部政権では無理だと思う。(苦笑)
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なので、私の予想はこう。
PCR検査によらない検査、治療体制を確立する。
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幸い、日本は胸部CT検査の設備が腐るほどある。
もう、コロナ確定するのは一部にとどめて、
あくまで、「肺炎」だけをターゲットにして治療していくんだ。
というか、肺炎をすべてコロナに準ずる扱いにする。
実際、オーバーシュート起こせば、「肺炎はたいていコロナ」状態になる。
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今日発表された東京の感染者数は、161人。
先週末に200人に迫っていたから、少し減ったように見えなくはない。
小池知事の注意喚起が功を奏している、ことを祈る。
検査能力が限界を超えていて、正しい数字が出てきていない、
ということなら、東京はデッドゾーン一歩手前だ。
緊急事態宣言から1週間。
緊急事態宣言の効果が見えてくるまで、あと1週間かかる。
頼むから持ちこたえて欲しい。。
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