8割おじさん
非常事態宣言が出て、初めての週末。
日曜日は幸い(?)にも荒天で、人出は少なかったんじゃないかな。
私も、外出の予定を一つキャンセルしている。
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土曜日のNHKスペシャルは新型コロナウイルスのクラスター対策班を
追いかけたもので、押谷教授や西浦教授が密着されていた。
(これは、全国民が見るべき内容だったと思う。
わかりやすい方法で無料配信してくれないかな。)
専門家会議の尾身先生も、毎日のようにテレビに出続けている。
本当に頭が下がる思いだ。この人たちバケモンか?
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「人との接触を8割減らしてください」
これが、西浦教授の訴えだ。
これを1ヶ月続けられれば、新型コロナウイルスは抑え込める。
NHKスペシャルでもそのあたりの話はあった。
で、一旦落ち着いたらまたクラスター対策に戻れる。
もう少し制限を緩めた形で、感染制御できるだろうと。
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ところが、この8割は厳しすぎるんじゃないか、と。
西浦教授は、8割は絶対守るべき数字で、折れてはいけない、と考えている。
でも、緊急事態宣言で安部さんの言った言葉は、
「7割から8割削減」となっていた。
私は事前に西浦さんの8割削減論を知っていたので、
なんで表現が後退しているのか、不思議に思った。
案の定、政治の圧力があったらしい。
この辺の話を、BuzzFeedの岩永さんが記事にまとめている。
(岩永さんの記事は、非常に良いものが多いと思う。この人もすごい人だ)
「このままでは8割削減できない」「8割おじさん」こと西浦博教授が
コロナ拡大阻止でこの数字にこだわる理由
以下、一部引用
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8割という数字を出した時に、明確に「8割はできるわけない」とおっしゃった
政治家がいました。政治家の立場上、国の経済を止めるわけにはいきませんし、
接触の削減で割を食う業界を支えないといけないという責任を負っているから
だと理解しています。
一方、我々科学者がこういう数字を提示しないといけないのは、自分たちが
認識している流行のリスクは、いますぐ止めなくてはいけないという危機的
なものだからです。社会活動を制限することで受ける損失をはるかに超える
という思いがあります。
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引用終わり
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政治家と科学者の駆け引きがあったようだ。
私も、医療従事者としての立場なら何が何でも8割削減を支持する。
でも、経済を考えるとそう簡単ではないようだ。
それでも、8割削減で1ヶ月で終わらせる方が
全体を通しての経済のダメージも少なくて済むと思う。
7割削減だと3ヶ月はかかるし、それより低いともっと長期化する。
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西浦教授は、「8割削減」と言って終わりにはしないと思う。
「どうすれば、8割削減できるのか」を真剣に考えてくれる。
どのように国民にアピールする必要があるか。
どうすれば、行動変容してくれるのか。
本当は、政治側で補償してくれるのが一番確実なのだが、
政治家(というか財務省?)が動いてくれそうにない。
なら、その条件でどうすればよいか?
非常に厳しい前提条件を突き付けられながら、頑張っている。
もし、これでコロナを抑え込むことができたら、
MVPは8割おじさんの西浦教授だ。救国の英雄になるな。
科学者がここまで前面に立って危機に立ち向かった例を、
私は他に知らない。
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さて、この西浦教授。
頭がだいぶ寂しいので、分かりにくいかも知れないが、
教授としては異例に若いと思う。
調べてみたら1977年生まれ。私と同年代だ。(しかも大阪出身)
40代前半で、とんでもないプレッシャーと戦っているのか。
この人のデータ解析で、死者数が1万人単位で変わってくる。
まだまだ負けられない戦いは続くが、頑張って欲しい。
感染者数がうなぎのぼりに増えてきているけれども、
幸いにしてまだ重症者は少ない。
というのも、感染の中心が比較的若い人だからだ。
ここで食い止められれば、医療崩壊を防げるかも知れない。
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さて、私からの提言。できるかどうかは置いておいて。
この「人との接触率」を、可視化できないだろうか??
それも、できるだけわかりやすい形が望ましい。
それを全国のニュースで発表する。
「本日の東京は50%、神奈川は55%、大阪は60%」のように。
そうすれば、競争意識が沸くし、やりがいも出てくる。
「今日の大阪は8割減を達成しました!ありがとうございます!」
と吉村知事が叫べば、かなり効果は高いと思う。
(最近読んだ本に、そういう話があった。)
できるとすれば、アプリを使った方法になるだろうか。
厳密に「8割減」というのは定義しにくいかもしれないが、
何らかの目安となる数字が欲しいな。
私にはできないので、誰かにやって欲しい。
みんな、英雄を目指そうよ。
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