PCR検査体制拡大へ
PCR検査体制を拡大すべく、色々と試みが始まろうとしている。
医師会によるPCR検査センターの立ち上げや、
各地でドライブスルー検査が始まっている。
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ところが、検査体制の拡大の報道があると、
「今までは検査絞っていたのだろう?」
「やはり、検査を絞るやり方は間違っていたんだ!」
と主張する人がいるようだ。
もっとも、ただ政権を批判するために騒ぐ人もいるので、
何とも言えないんだけれども。
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まず、検査体制の拡大について。
今までだって、検査体制は拡大し続けている。
検査は絞っていたが、検査体制を絞ろうとしたことはない。
クルーズ船の頃って、検査数は1日数百件だった。
クルーズ船の数千人を全員検査するのも、渋っていたくらいだ。
今は、1日1万件を超えてきている。20倍以上に拡大している。
今までも、頑張って増やしてきている。
安部さんは、今月末までに1日2万件にすると言っている。
可能かどうかは分からないが、やる気はある。
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「検査数を絞る」ことと「検査体制を拡大」することは両立する。
というか、車の両輪である。
PCR検査は、現状、需要>>>供給となっており、
バランスが崩れている。
需要を減らして、供給を増やすことが必要だ。
「需要を減らす」=軽症者は検査しない。
「供給を増やす」=検査体制の拡大。
こう書けば、わかりやすいかな?
これ、どっちも必要でしょ??
国は、一貫してこの方針だ。全然ぶれてないよ。
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あと、検査体制の拡大といっても、大まかに分けて二通りある。
1.検体採取の効率化
2.RT-PCR検査体制の拡大
最近ニュースになってるのは、1.の方だ。
検体採取をどれだけ効率的にやっても、
PCR検査がキャパオーバーしてたらあまり意味がない。
今まで、ドライブスルー検査があまり行われなかったのは、
たくさん検体採取したところで、PCR検査の方で詰まるから
意味がなかったんじゃないのかな?
逆に言うと、検体採取の効率化が言われるようになった、
ってことは、PCR検査のキャパが上がってきたのかも知れない。
新しい検査キットができたとか、いろいろ報道されているし。
検査技師を増やすのは簡単じゃないけれども、
検査法の改良で、状況はどんどんよくなっていくはずだ。
そのうち、PCR検査よりも使いやすい検査が出てくるだろう。
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そうなれば、臨床検査技師はたくさん必要ない?
いや、そんなことはない。今後も絶対に必要。
コロナの「次の」パンデミックに備えるためだ。
日本の検査体制が韓国や中国に大きく後れを取っていたのは、
SARSやMERSの体験がなかったことが大きく影響している。
先進国のようにスムーズに検査ができるためには、
何年も前から検査体制を整えておく必要があった。
今から検査体制を拡充しても、今回は間に合わないかもしれんが、
次のパンデミックの時には役に立つだろう。
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もっとも、その頃にはもっとよい検査が開発されているかも。
いつまでもPCRだけじゃバカにされる時代がくるかもね。
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