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2020年5月

緊急事態宣言解除


 新型コロナウイルスの感染拡大に対する緊急事態宣言が、今日、解除された。

当初、5/6までの予定だったが、まだ感染者が多かったため解除できなかった。
それでも、地域に分けて少しずつ解除していき、
今日、最後にのこった北海道と首都圏を解除した。

 1ヶ月で終了とはならなかったが、
まずは、欧米のような惨事にならなかったことは、喜ばしい。

 感染拡大の一番の正念場を乗り越えた。
ようやく、一息つける、と思っていいのかな?

.

 ただ、今後どうなるのかは全く分からない。

 感染者が完全に0になった訳ではないので、
まだ、集団感染が発生する可能性はある。

 また、国外から第2波が持ち込まれる可能性も大いにある。

 みんな、GWで頑張って自粛した。
その前から感染者数が落ち着いていたので、
ここまでの展開は、実は「想定通り」だ。

 分からないのはここから。
連休明けから少しずつ自粛が緩んできている。
徐々に休業要請が解除されていることで、
感染が拡大しているかも知れない。

 また、クラスター対策の日々に戻るのかな。
社会的距離を取って、三密を避ける。
そして、新しい生活様式に移行する。

.

 気になるのは、行政の対応。
もちろん、第2波に対する備えはしているんだろうけど……。
みんな、「このまま終息する」という前提で動いているように見える。

 「そうであって欲しい」という願望が強いから、
そうなるに違いない、という思い込みが強くなって、
プランBを用意しない。

 なんか、日本がよく嵌る失敗パターンなんだが。(苦笑)

 今が一番安全で、この後また荒れ狂う可能性もあるんだから、
学校なんか準備期間おかずに、今のうちに授業進めておく方がよいと
思うんだけどなぁ。
 2週間準備期間をおいて、さあ本格的に再開するぞ、って時に、
また緊急事態が始まったら目も当てられないんだが。

 

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アビガンは現時点で騒ぐ必要なし。

 安倍さんの肝いりで5月中の承認を目指している
抗ウイルス薬のアビガンだが、
「現時点で有効性が判断できない」というニュースが入ってきた。

アビガン「有効性判断には時期尚早」(NHKニュース)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200519/k10012436781000.html


以下、一部引用

.

新型コロナウイルスの治療薬の候補として期待されている「アビガン」について、
国内で行われている臨床研究ではこれまでのところ、有効性については判断できず、
さらに臨床研究を進めて検証する必要があることが分かりました。

(中略)

半分に当たる患者40人余りについての中間段階での解析の結果、
「有効性の判断には時期尚早のため、臨床研究を継続すること」
とする意見が出されたということです。

.

 引用終わり。

はっきり言って、通常なら大したニュースではない
今のところ有効性が判断できないだけ。
今後とも研究の継続が必要、と。

 ただ、早期承認を目指すにはちょっと厳しくなったかも知れない。
くらいの話だ。

.

 これを、共同通信が
「治療薬アビガン、有効性示せず」として報道したとたん、
あちこちで議論になっている。(苦笑)
確かに、この見出しには悪意を感じなくもないけどね。

.

 思うに、著名人の「アビガンで治った」みたいな体験談が多かったこと。
あと、安倍さんが「アビガンの月内承認を目指す」といったことが問題かな。

 やれ、厚労省のしわざだ、とか、アメリカの陰謀だ、みたいな話が
わんさかでてきている。なんでそんなに陰謀好きなのかな?

.

 もともと、「効けばもうけもん」くらいの薬だよ?
理論上効くはずの薬でも、試験したら効かなかったなんて話は腐るほどあるし、
今回の話でいえば、まだ実験途中で、研究自体は続くんだから。

 一喜一憂せずに、落ち着いて待っていたらよい。

.

 アメリカのトランプ大統領が、ヒドロキシクロロキンを服用してる、
なんてニュースもあった。馬鹿げてる。w

 何なら、安倍さんもアビガン服用してみるかい?w

.

 政治家が何をしようが、科学は変わらない。
政治が科学を改変しようなんてこと、あってはならない。
そんなことしたら、歴史的に悪名を残すよ。

 政府、というか、安倍さんに求めたいのは、
科学的データに基づいて、判断してね」ということ。

.

 例えば、日本が拙速に承認したとしよう。
それで、全世界にアビガンを供給したとしよう。
欧米はともかく、途上国なんかだと、
「日本が承認したから」という理由で使う国があってもおかしくない。

 ちょうど、日本が「アメリカが承認したから」という理由で
レムデジビルを承認したように。

 そうやって全世界で使われた後で、
「やっぱりアビガンに効果がなかった」と判明した場合、
安倍さんは大恥をかくことになるんだけど、それは大丈夫なのか?

.

 というか、早期承認を目指す、と言っていた薬がこけるだけでも、
そこそこ恥ずかしい事態だと思う。

 アビガンにそんなに効果がない可能性は結構高いから、
安倍さんが明言するのはかなりリスクを伴うんだけど、
その辺、考慮されていない気がする。

 安倍さん(周囲の人間含む)は、やっぱり無能だな。

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自粛解除と緩み


 しばらく時間があいた。

 政府は、14日、緊急事態宣言を一部解除した。
北海道、首都圏、関西圏などは緊急事態継続中だが、
こちらも早めに解除される可能性がある。

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 ただし、大阪は出口戦略である大阪モデルを発動。
緊急事態宣言は残っているが、自粛要請を一部解除した。
まだまだ油断は禁物だが、小休止、といったところか。

 実際、ここ数日は新規感染者数が全国で100人を下回ってきている。
本当は、5月頭の段階でこの数字にもっていきたかった。
そうすれば、5/7から緊急事態宣言解除できたんだが。

 やはり、8割減は無理だった、ということだろう。
ただ、7割減なら2ヶ月以上はかかる見通しだったので、
結果からみると7割5分減だったのかな、と思う。

.

 みんな、よく頑張ったと思うよ。

少しずつ、日常が戻ってきつつあるけれども、
以前も書いたように、もうコロナ前の世界には戻れない。

 以前と比べて「6割減」を続けなければ、
また、感染は拡大に向かう。

.

 正直、今が一番感染者が少なくなっていると思う。
で、緊急事態宣言の解除を受けて、緩みだすとまた上がってくる。
一番最悪のパターンで、来月にはまた警戒状態に入るかも。

 第一波を潜り抜けたときは、3月末の3連休で爆発した。
同じ失敗を繰り返してはならない。
あの時に比べて、「夜の街」を封鎖しているのでまだマシかな。

.

 PCR検査も、唾液でいいかも知れないという話がある。
抗原検査、抗体検査もそろいつつあるし、
治療薬の研究も進みつつある。

 少なくとも、先月に比べればかなり状況は改善された。
緊急事態宣言の1ヶ月半の猶予期間で、
こちら側にも武器となる装備が揃いつつある。

 第二波は必ず来ると言われているけれども、
「必ず」かどうかは分からないと思っている。
そりゃ、スペイン風邪の時は第二波、第三波がきたよ。
でも、あれは100年前の話でしょ。

 当時と比べて、治療法も検査能力も段違いだ。
そのまま抑え込める可能性も少しはあると思うんだけどな。
全人類の英知を結集すれば。

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 わからないのはアフリカの状況。
まだ感染が拡大していないのか、検査体制が弱くて引っかからないのか。

 集団免疫戦略を取っているブラジルが一気に拡大しつつある。
インドもかなりのペースで増えてるし。この辺が危険。

 ロヒンギャの難民キャンプで発生したという情報もある。
これが本気でヤバい。誰も助けられないのに三密を避けられない。

 日本が落ち着いても、世界はひどいことになっているね。

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東京都が陽性率を発表

 今日、東京都がようやく、正式に陽性率を発表した。

今までは、保険適応分の検査人数が分からなかったため、
東京都は陽性率を発表していなかった。

 ところが、保険適応分の検査人数を除いた数字で、
全陽性者を割った陽性率を計算する人がいて、
混乱のもとになっていた。
(山中教授とか、一部のマスコミとか)

.

 さすがに、マスコミも正しい陽性率でないのは分かってきたので、
ちゃんとした数字を出せ!と言っていた。
それが、今日になってようやく出てきた。

「陽性率の公表について」
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/smph/hodo/saishin/corona319.html

.

で、グラフが発表されたんだけど、

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/hodo/saishin/corona319.files/graph.pdf

.

これによると、陽性率は4月中旬がピークで31.6%
今は徐々に減ってきていて、5/7のデータで7.5%となっている。

ただね、このグラフ。データに欠損がある。

.

 陽性者の数が明らかに少ない。
グラフを見ると陽性者が100人を超えたのはわずか4日しかない。
そんな訳ないやろ。どういうこと?

 よーくよく、説明を読んでみた。

以下、引用

.

4月9日までは東京都健康安全研究センター、
4月10日から5月6日までは東京都健康安全研究センター及び
PCRセンター(地域外来・検査センター)、
5月7日以降は東京都健康安全研究センター・PCRセンター
(地域外来・検査センター)及び医療機関での保険適用検査の実績
により算出

.

引用終わり。

 相変わらず不親切な書き方だ。書き直すと、

4/9までは、東京都健康安全研究センターのみのデータ。
4/10から5/6までは、健康安全研究センターとPCRセンター(地域外来・検査センター)のデータ。

5/7からは、それに加えて「医療機関での保険適用検査」の実績。

.

 えっと、5/6までは保険適用を実績に加えていない、って認識でよい??

 というか、そうしないとこのグラフの数字を説明できない。

.

 ここからは推測。

おそらく、5/6以前は、保険適用検査の検査数が分からないままなんだ。
でも、ここが分からないと永遠に陽性率は出せない。
それはまずい。

 大阪の吉村知事は、独自の出口戦略に「陽性率7%未満」を使ってる。
東京都が同じようにしようにも、真の陽性率が計算できない。

 なので、「今後は陽性率計算できるようにしなさい!」という号令が出たのが、
おそらく5/7.なので、5/7からの陽性率は真だと思う。

.

 じゃ、それ以前の陽性率は何ね?

 今までは保険適応分の検査人数が分からなかったのに、
陽性者の人数は全て分かっていた。
それで、陽性者数を保険適応分が入っていない検査人数で割って、
無理やり陽性率を(東京都以外が)計算していた。

 分母だけ少ないんだから、陽性率は真より高くなる。

.

 でも、過去の検査人数は分からない。
なので東京都は、陽性者数から「保険適応の検査で陽性」例を引いたんだ。

行政検査だけの陽性率になるので、正確ではないけれども、
まぁ、大雑把な傾向はつかめる。

.

 と、陽性者率のグラフの検査件数と陽性者数が少ないのは、
おそらくこういう理由があったから。

 わかりやすく書いてくれ!

小さい字でこまごまとわかりにくく書くんじゃないよ。
いらん手間かかったわ。(怒)

 過去の正確な数字は、もう分からない。
今後、正しい数字出していくからヨロシク。

 ってことなんだと思う。

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 さて、おまけ。
私は4/14の記事で、東京都のPCR検査の陽性率がおかしいと書いている。

http://tukutteha-mitamonono.cocolog-nifty.com/blog/2020/04/post-35d374.html

.

 この中で、大雑把に計算して陽性率は17.7%。
高くても20%程度ではないか?と推測した。

 はは、そんなもんじゃなかったわ。30%超えてました。(汗)

あの頃の東京は、マジで危なかったんだなぁ。
あのまま爆発してたら、ニューヨークみたいになってたのかも。

.

 っと、最後にまだ謎が一つ。

この陽性率のグラフの最終日、5/7なんだけど、陽性者60人以上に見える。
東京都発表の5/7の感染者数って23人しかいないんやけど。

 どゆこと??

おそらく、検査数自体を陽性判明日に合わせていると認識してたんだけど、
それにしても陽性者数が増えるのはわからん。

誰か説明してー。

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レムデシビル承認


 もともとエボラ出血熱の治療薬として開発されていた「レムデシビル」が、
日本でCOVID-19の薬として承認された。

 通常の過程をすっ飛ばしての特例承認。
対象は、人工呼吸器をつけるような重症のCOVID-19患者さん。

.

 正直、この薬がどこまで効果あるのかが分からない。
アメリカは効果があるから承認するんだろうけど、
中国で行われた試験では、あまり効果がなかったようなデータもある。

 全く効果がないとは思えないけど、
どの程度の効果があるのかは、うーん。

.

 ギリアドの薬ってことはお高いんでしょう?
かつて、ギリアドのC型肝炎の薬ハーボニーは1錠8万円もして、
患者さん1人あたりで600万円以上もかかった。
(国の公費がつくので、自己負担金がせいぜい10万円未満)

 日本国内では数字が見当たらない。
ってか、これ薬価つくのか?それすら分からない。
アメリカではいくらするんだろう?

google先生に聞いてみたところ、アメリカの記事が引っかかった。

https://www.thejakartapost.com/news/2020/05/05/gilead-could-make-a-profit-from-covid-19-drug-analysts-say.html

以下、一部引用する。

Gilead Sciences could make a profit on its new treatment for Covid-19
if it costs around $4,500 per patient

.

引用終わり。

患者さん一人当たり、約4500$。日本円で50万円弱か。

そりゃ、重症者にしか使えないね。(汗)

もちろん、COVID-19の治療は公費適用なので、患者さんの自己負担はない。
全部、国がかぶってくれる。逆に言うと国の負担になるんだよね、これ。
 たぶん、アビガンの方が圧倒的に安いと思うし、
重症時に使うならアクテムラの方がまだ1桁安いと思う。
どっちも、まだ日本での適応ないけど。

.

 これだけの値段だと、効いてくれないと困るな。でも
基本的に医薬品の値段って、効果に比例していないからね。(苦笑)

 あくまでアメリカでの値段だから、もう少し安くなるかも知れないけど。

.

 安部さんが、アビガンも月内の承認を目指すと言っていた。
これも、通常ではありえないほどの超スピード承認。
アビガンは基本インフルの薬だから、そこまで高くならないと思う。
高くても一人で数万円くらいじゃないかな。

 どちらにしても、問題は副作用よりもどれほど効果があるか。
アビガンはすでに3000例近くに使っているらしいけど、
プラセボと比較したデータが少ないので何とも言えない。

 アビガン服用して治った人よりも、
服用せずに治った人の方が多いから。(苦笑) 

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コロナ前には戻れない

 連休中の動き。

 5/4に安部さんは、緊急事態宣言の解除を5月末まで延期すると発表した。
ただし、地域によってはそれよりも早い解除もありえる、と。

 もともと、国の緊急事態宣言自体にあまり効力はなくて、
それぞれの知事が休業要請などを自治体ごとに決められる。

 だから、緊急事態宣言の下でも、休業要請を解除することは可能だし、
少しずつ日常を戻していくこともできるだろう。

.

 一つ、個人的に気になっているのは、
博物館、美術館、図書館などの公共施設について、
感染対策を施せば閉鎖の対象としない考えを表明した点。

 個人的にはとってもありがたいが、
普段から利用しない人にとっては、それこそ不要不急だと思う。

ちなみに私は図書館カード3枚もち。
予約は全部合わせて40冊。
早く開けてくれないと、読む本がなくなって困ってる。
まぁ、個人的事情だ。

.

 大阪府が、独自の出口戦略を表明した。
「陽性率7%未満」「経路不明の感染者数10人未満」「病床使用率60%未満」
これらを7日間連続で満たせば、段階的に解除する。

 連休中で実態は見えにくいけれども、
大阪府は現時点でこの3要件をクリアしている。
早ければ来週には段階的に解除されていくんだろう。

 大阪府がこれをできるのは、陽性率をきちんと出しているからだ。
東京都では、まともに陽性率を計算できないのでこれができない。
東京都の数字がおかしいことは、専門家会議でも議題にあがっていて、
状況を把握できる数字を発信するように提案されている。

 私は3週間前から言ってるけどね。

.

 では、解除されたら今までの日常が戻ってくるのか?
そんなことはない。

8割おじさん西浦教授の計算では、
人と人の接触を8割減らせば、感染拡大を劇的に抑えることができる。

同じ式を使うと、感染者数を「増やさない」ためには、
人と人との接触を、「コロナ前の6割減」とすることが必要だ。
そうしないと、またすぐに感染が拡大して自粛要請が必要になる。

 それが、「新しい生活様式」ということ。
生活様式の変更によって、コロナ前からの6割減を維持すること。
それでいて、経済を回さなければならない。

 韓国のように新規感染者を0にまで落とし込めれば、
もっと緩和できるんだろうけれども、
それにしたってコロナ前には戻れない。

 完全にコロナ前に戻るには、ワクチンが必要になる。

.

 特に厳しいのが、名指しで止められている3つ。

大規模イベント、ライブハウス、接客を伴う飲食業(夜の街)

 少なくともあと1年は無理じゃないかな。
イベントやライブハウスは、動画配信とかに切り替えるしかないけど、
それでも厳しい。

 夜の街に至っては、もうどうしようもないように思う。
私は全然詳しくないけれども、オンラインでどうこうできる業種じゃないでしょ。
風俗に流れるにしても、もっと危険だし。

 女性の貧困問題を根本的にどうにかする必要あるよ、これ。
夜の街や風俗に頼ってたとこあるから。

 

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感染者数は減少傾向

 昨日、専門家会議が行われたのでその内容について。

https://corona.go.jp/expert-meeting/pdf/senmonka_sidai_r020501.pdf

仕事中だったのでリアルには追えてないけど、この資料が叩き台みたい。

 一番のポイントは、緊急事態宣言の解除を延長することだけれども、それは想定内なので。

.

1)新規感染者数は減少傾向にあり、オーバーシュートは免れた。

 資料に、発症日ベースの感染者の推移があるけれども、
これは、確定日よりも分かりやすく減少傾向が見える。
ピークは4月初頭にあって、緊急事態宣言が出たころには
すでに減少傾向にあることが見て取れる。
(感染がその数日前と考えると、3月末が感染がピーク。
 その頃に何があった?志村けん死亡のニュースだ。)

 4/10の全国の実効再生産数は0.71。これは1を下回ると減少傾向。
東京都だけに限ると、もっと低くて0.53である。これは驚異の数字

 つまり、新規感染者は明確に減少傾向にある。
これは、みんなが自粛を頑張ったおかげで、成果が見て取れる。

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 一方で、医療体制はかなり逼迫している。
当初から、「オーバーシュートが起きる前に医療崩壊はおこる」と言われていたが、
まさにそういう状況になりつつある。
 すなわち、オーバーシュートは起きなくても、医療崩壊する。

 今回、緊急事態宣言が延長になりそうなのは、医療崩壊を防ぐのが目的の一つ。

 もう一つ、「三月中旬の新規感染者数の水準を下回っていない」
という表現があった。逆に言うと、下回っていれば緊急事態宣言解除がありえた?

 三月中旬の新規感染者数は、全国で1日50名程度である。
どうも、専門家会議はこのラインを目安で考えているようだ。

.

2)検査体制の拡充

 実は、今回の専門家会議ではPCR検査に関しては拡大に努めるとあるだけで、
詳細については次回、となっている。

 最初期から、PCR検査は「拡大」と言い続けているし、
実際に拡大してる。ただ、全然需要に追い付いてないだけで。

 今回特に強調されているのは、PCR検査ではない迅速診断キットの開発
これが、早期にできてくると対策がかなり楽になる。

 何が言いたいかというと、
PCR検査の拡大が国民の求めるレベルに達するよりも、
 迅速診断キットの開発の方が早い」と考えていること。

 そりゃ、私もそう思う。
PCR検査は最終的に検査技師のところがボトルネックになって、
ここを拡充するのには年単位の時間がかかるので。
 それよりは、技術のブレイクスルーの方が早いだろう、と。

 クラスター対策するにしても検査は必須で、
少々精度は落ちても迅速診断キットができたら強力な武器になる。
国民の検査需要を満たすのは、PCRでは無理、という判断だろう。

.

3)今後の対策

 学校や公園の扱いについても検討していく。(学校は次項)

「新しい生活様式」に切り替えていく。この中では、
三密を避けること、ソーシャルディスタンス、手指消毒の徹底があるが、
大規模イベント、ライブハウス、接客を伴う飲食業」は、
名指し、太文字で「徹底的に避ける」とされている。

 いったん、落ち着いたらまたクラスター対策に戻り、
また危険な兆候が見えたら「徹底した行動制限」で対応するのが
基本方針らしい。

 つまり、現状はまだクラスター対策だけで対応できる感染者数ではない。
ということだろう。

新規感染者数をこのラインまで押し下げて、ようやく
緊急事態宣言を解除できる、ということ。

 おそらくは、1日の新規感染者数50人くらい?
リンクの終えない孤発例の人数が目安になるんじゃないかと思う。

.

 さて、最後に学校について。
専門家会議で発表があったかどうかは分からないけれども、
資料がついている。

 以下、重要なポイントを引用する。

.

現在のように、学校における感染リスクをゼロにするという前提に立つ限り、
学校に子供が通うことは困難であり、このような状態が長期間続けば、
子供の学びの保障や心身の健康などに関して深刻な問題が生じることとなる。

.

 引用終わり。

 つまり、「感染リスクをゼロにはできないけど、学校やらないと!」
ということを明確に打ち出しているんだ。
これは、ゼロリスク信者の方々に対する強烈なメッセージだと感じた。

 そんなこと言ってたら、永遠に学校は始まらないよ、と。

 そのほかのポイントとして、

・小1、小6、中3を優先。
・特別支援学校は厳しい。
・分散登校が望ましい。
・通学に公共交通機関を使わない小中学生は、感染リスク低め。

特に、

体調の悪い教職員が休みやすい環境づくり」が挙げられていた。

これ、すごく大事。
学校の先生って、非常に休みにくい環境だからね。

あと、リスクの高い学習活動として、

・実技科目(音楽、体育、家庭科(調理実習))
・グループ学習
・運動会、文化祭、発表会
・(他県への)校外学習や宿泊を伴う学校行事

.

 以下、個人的な予想。

 緊急事態宣言の解除は、5月末になると思う。
おそらく、再延長はない。

ただし、それ以前でも感染者の少ない地方では
徐々に経済活動を復活させていくんじゃないかな?

 学校は、休校にするところが多いと思うけれども、
完全にお休みではなくて、曜日を決めて分散登校とかするかも。

 今月は、「新しい生活様式」を模索する月になると思う。
緊急事態宣言の解除後、どうやって感染対策するのかを
みんなで考えていかないといけない。

 

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