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感染者数は減少傾向

 昨日、専門家会議が行われたのでその内容について。

https://corona.go.jp/expert-meeting/pdf/senmonka_sidai_r020501.pdf

仕事中だったのでリアルには追えてないけど、この資料が叩き台みたい。

 一番のポイントは、緊急事態宣言の解除を延長することだけれども、それは想定内なので。

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1)新規感染者数は減少傾向にあり、オーバーシュートは免れた。

 資料に、発症日ベースの感染者の推移があるけれども、
これは、確定日よりも分かりやすく減少傾向が見える。
ピークは4月初頭にあって、緊急事態宣言が出たころには
すでに減少傾向にあることが見て取れる。
(感染がその数日前と考えると、3月末が感染がピーク。
 その頃に何があった?志村けん死亡のニュースだ。)

 4/10の全国の実効再生産数は0.71。これは1を下回ると減少傾向。
東京都だけに限ると、もっと低くて0.53である。これは驚異の数字

 つまり、新規感染者は明確に減少傾向にある。
これは、みんなが自粛を頑張ったおかげで、成果が見て取れる。

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 一方で、医療体制はかなり逼迫している。
当初から、「オーバーシュートが起きる前に医療崩壊はおこる」と言われていたが、
まさにそういう状況になりつつある。
 すなわち、オーバーシュートは起きなくても、医療崩壊する。

 今回、緊急事態宣言が延長になりそうなのは、医療崩壊を防ぐのが目的の一つ。

 もう一つ、「三月中旬の新規感染者数の水準を下回っていない」
という表現があった。逆に言うと、下回っていれば緊急事態宣言解除がありえた?

 三月中旬の新規感染者数は、全国で1日50名程度である。
どうも、専門家会議はこのラインを目安で考えているようだ。

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2)検査体制の拡充

 実は、今回の専門家会議ではPCR検査に関しては拡大に努めるとあるだけで、
詳細については次回、となっている。

 最初期から、PCR検査は「拡大」と言い続けているし、
実際に拡大してる。ただ、全然需要に追い付いてないだけで。

 今回特に強調されているのは、PCR検査ではない迅速診断キットの開発
これが、早期にできてくると対策がかなり楽になる。

 何が言いたいかというと、
PCR検査の拡大が国民の求めるレベルに達するよりも、
 迅速診断キットの開発の方が早い」と考えていること。

 そりゃ、私もそう思う。
PCR検査は最終的に検査技師のところがボトルネックになって、
ここを拡充するのには年単位の時間がかかるので。
 それよりは、技術のブレイクスルーの方が早いだろう、と。

 クラスター対策するにしても検査は必須で、
少々精度は落ちても迅速診断キットができたら強力な武器になる。
国民の検査需要を満たすのは、PCRでは無理、という判断だろう。

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3)今後の対策

 学校や公園の扱いについても検討していく。(学校は次項)

「新しい生活様式」に切り替えていく。この中では、
三密を避けること、ソーシャルディスタンス、手指消毒の徹底があるが、
大規模イベント、ライブハウス、接客を伴う飲食業」は、
名指し、太文字で「徹底的に避ける」とされている。

 いったん、落ち着いたらまたクラスター対策に戻り、
また危険な兆候が見えたら「徹底した行動制限」で対応するのが
基本方針らしい。

 つまり、現状はまだクラスター対策だけで対応できる感染者数ではない。
ということだろう。

新規感染者数をこのラインまで押し下げて、ようやく
緊急事態宣言を解除できる、ということ。

 おそらくは、1日の新規感染者数50人くらい?
リンクの終えない孤発例の人数が目安になるんじゃないかと思う。

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 さて、最後に学校について。
専門家会議で発表があったかどうかは分からないけれども、
資料がついている。

 以下、重要なポイントを引用する。

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現在のように、学校における感染リスクをゼロにするという前提に立つ限り、
学校に子供が通うことは困難であり、このような状態が長期間続けば、
子供の学びの保障や心身の健康などに関して深刻な問題が生じることとなる。

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 引用終わり。

 つまり、「感染リスクをゼロにはできないけど、学校やらないと!」
ということを明確に打ち出しているんだ。
これは、ゼロリスク信者の方々に対する強烈なメッセージだと感じた。

 そんなこと言ってたら、永遠に学校は始まらないよ、と。

 そのほかのポイントとして、

・小1、小6、中3を優先。
・特別支援学校は厳しい。
・分散登校が望ましい。
・通学に公共交通機関を使わない小中学生は、感染リスク低め。

特に、

体調の悪い教職員が休みやすい環境づくり」が挙げられていた。

これ、すごく大事。
学校の先生って、非常に休みにくい環境だからね。

あと、リスクの高い学習活動として、

・実技科目(音楽、体育、家庭科(調理実習))
・グループ学習
・運動会、文化祭、発表会
・(他県への)校外学習や宿泊を伴う学校行事

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 以下、個人的な予想。

 緊急事態宣言の解除は、5月末になると思う。
おそらく、再延長はない。

ただし、それ以前でも感染者の少ない地方では
徐々に経済活動を復活させていくんじゃないかな?

 学校は、休校にするところが多いと思うけれども、
完全にお休みではなくて、曜日を決めて分散登校とかするかも。

 今月は、「新しい生活様式」を模索する月になると思う。
緊急事態宣言の解除後、どうやって感染対策するのかを
みんなで考えていかないといけない。

 

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