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2020年8月

安倍首相が辞意表明


 先日、安部首相が辞意を表明した。
少し前から体調不安説がささやかれていたが、事実だったらしい。
安倍さんは、前に辞めた時も持病の難病(潰瘍性大腸炎)が原因の一つだった。

 もっとも、前の辞任会見の時は、
「野党のせいで政権運営ができないから」みたいなキレ方をしていたような。
そこは素直に病気って言っとけよ。

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 で、今回は素直に「病気」だと言った。
潰瘍性大腸炎の悪化、と。うーん、なら仕方ないね。

 潰瘍性大腸炎の治療自体は、ここ10年でかなり進化してる。
少なくとも、安部さんが政治家続けられるくらいには進化した。
ここ数年でも新しい薬が出てきていているんだけど、
 それでも病状の悪化は止められなかったのか。
総理大臣が激務であることは違いない。

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 いろいろあったけど、「お疲れさまでした。」
「ゆっくり、身体休めてください」

 としか言えないな。

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 在任期間は史上最長となった訳だし、歴史に残る総理だったと思うよ。
私なんかが評価してもしょうがないけどさ。

 どうも、ネット上の世論が二極化してるのね。
安倍親衛隊、とアベガーと言われる反アベしかいないような感じ。
実際は、その中間層が山ほどいると思うんだが、そういう声は聞こえてこない。

 安部さんを称賛する方は、特に経済政策や、外交成果を上げるよね。
批判する側は、モリカケ問題や、公文書改ざん、桜を見る会、など。

 それを両方やったのが、安部さんで、トータルでみてどうだったか、の話なんだけど、
お互いに自分の見たいとこしか言わないから議論にならない。

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 私の評価は、少なくとも経済に関しては〇。アベノミクスで株価を上げた。
また、安部さんの一番優れているところは、政権運営能力だと思う。
一回目の失敗を教訓にして、七年もの間政権を守り続けた。
こんなの、並の政治家にできることではないと思う。

 ただ、その分、負の側面も大きかった。
政権に「忖度」する人間しか生き残れないから。
それは、民主主義ではないように感じる。

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 安部さんの次が誰になるかはまだわからないけど、
誰がやっても、良くも悪くも安部さんに届かないだろうな。

 安部さんの負の面を消しつつ、優れている部分を継承してくれればよいのだけど。
おそらく、誰がやっても短命政権になると思う。安倍さん以前のようにね。

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 と、筋金入りの「反アベ」である私が書いてみた。w

 こういう、バランスの取れた話が、最近は全く受けないらしい。
それが、社会の分断という奴で、日本だけの話ではない。
SNSが進むとそうなってしまうのではないか?という説を読んだ。

 この、社会の分断が安倍政権の長期化に寄与したのかな、と思う。
安倍支持層だけを相手にして、ブレない訳だから。
全体のバランスを見ると、どうしてもブレているように見える。
そういうのは、受けないから短命に終わる、と。

 政治もどんどん変わっていくんだろうけど、
よくない方向に進んでいる気がするなぁ。
そういう思いをもつってことは、私も老害になりつつあるのかも知れない。

 

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イソジン吉村


 まるで、吉本芸人のようなワード。

イソジン吉村

 これが、twitterでトレンド入りした。やれやれ。

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 簡単に経緯を。

 大阪府知事の吉村さんと、大阪市長の松井さんが会見した。
「うそのような本当の話」とか言いながら。

「1日4回ポビドンヨードでうがいすると、PCR検査の陽性率が下がった」
という研究結果がでた。

 これを、ポビドンヨード商品(代表:イソジンうがい液)を並べながら、
テレビ(ミヤネ屋)で発表した。

 もちろん、これだけではどれほどの意味があるかわからないが、
ポビドンヨードのうがいで、感染力が落ちたりとか、重症化を防げる可能性がある。
とのたまった。

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 放送を見られなかったので、実際の資料に目を通した。

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/39143/00000000/hurippu.pdf

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/39143/00000000/povidon.pdf

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 府民のみなさまへのお願いとして、
「風邪症状のある方、その同居家族」
「接待を伴う飲食業の従業員」
「医療従事者、介護従事者」は、

 ポビドンヨードによるうがいを励行してください。(当面8月20日まで)

 とのこと。どうしよう、私も対象に入ってるよ。w

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 で、何がおこったか。
ドラッグストアにポビドンヨードを求める客が殺到した。(苦笑)
店のスタッフは突然の出来事に、何が起こったかわからなかったらしい。
(当然だ、スタッフはテレビなんて見てない)

 もともと、在庫量が少なかったこともあり、あっという間に売り切れた。
そして、発注してもしばらく入ってこない。
さらに、各種電話対応に追われることになる。

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 処方箋調剤も、もちろん巻き込まれる。
なぜか増えるポビドンヨードの処方。
そして、こちらも事実上の発注制限がかかった。

 マスク、アルコールの悪夢の再来だ。
当然、吉村知事はネット上で袋叩きにあう。
吉村さんを支持する声は皆無だ。

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 イソジン吉村、やっちまったなぁ?

 行動力、カリスマが裏目に出た。これで吉村知事の信用はがた落ちだ。
「ポビドンヨードが治療や予防に効果があるとは言っていない」とか
「誤解がある」とか非常に苦しい言い訳をしている。
 いや、この経緯を見て、それは通らないんじゃないかな??

 率直に誤りを認めて撤退した方がマシなんだけど。

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 順番に見ていこう。

 まず、この試験自体がツッコミどころ満載のグダグダなものだ。
「概要」には、重症化抑制にかかる観察研究、とあり、
医療機関への入院搬送をendpointとして評価、とある。

 それなのに、出てきているデータがPCR陽性の頻度。

 いや、重症化抑制を調べるんとちゃうんか?
何人が入院搬送されたかのデータを出せよ??
これ、例えるなら「りんごを頼んだら、梨が出てきた」って話なんだが。
梨が結構おいしそうだから発表してみた、という。

 そんなことしたら、あかん。
臨床研究の初歩の教科書に書いてるような「禁止事項」だ。

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 仮に、入院搬送されたデータが出てきたとしても、
おそらくこの試験人数では意味のあるデータはとれないと思う。
なので試験デザインそのものに無理がある。

 こんな結果をまとめて論文にしても、リジェクトされる。
学部生の卒論にもなりゃしないレベル

 学会発表したら、大炎上するだろう。w

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 ニセ科学、というより、未科学に近いのが救い。
うがいの効果なんてほとんど認められず、
あったとしても非常に限定的だろう、というのが定説だ。

 もちろん、新型コロナに対する研究は少ないから、
これが金の卵になる可能性も0ではないよ。
(STAP細胞と同レベルくらいでありそうな話だ)

 「効果があるかどうかわからないが、
  この結果を踏まえて今から研究始めます」なら、
 まだ理解できなくもない。

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 でも、あの煽り方はまずいわな。しかも府知事が。
町中の変なオッサンが自説ぶちまける分にはいいけど、
行政のトップが、商品出しながら言うたらあかんわ。

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 吉村知事は「K値」に頼ったのが失敗だった。
私は、あの辺から吉村さんは科学に疎そうだと思ってたけど。
今回の件で、致命的にダメなのが分かった。

 問題は吉村さん個人ではない。周りも含めてダメだということだ。
それは、吉村さんの周囲のスタッフもそうだし、大阪府の職員もそうだ。
無知な吉村さんを止める人間がいないのが問題。

 こんなん、理系の大学出てる人間やったら絶対止めるよ
大炎上するの目に見えてるから。
また、無批判に報道したテレビ局も大問題だ。
もともと、メディアは科学に疎い人間の集まりだから仕方ないけどさ。

 だって、この件で吉村さんを援護した人、いるかい?w

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 これが、私の目から見た「相場」である。
吉村さんの政治生命に関わるレベルでの致命的な失敗だ。

 もう、「イソジン吉村」と改名して吉本に入れてもらった方がよい。

 

 

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